思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2022-01-01から1年間の記事一覧

真・救世主伝説 北斗の拳 トキ伝

 ☆☆★トキ絡みのエピソードのダイジェスト。テンポよく進めるのが好きな私だが、ここまで来るとやりすぎかな……。トキ視点だから、トキが生還した時に迎える役として、恋人を新キャラとして設定している。 声優の変更が致命的で、それだけで「負け」が確定…

憎いもの

 ☆☆☆伊福部御大の音楽は、日常系につけるには不穏過ぎるし、楽しい場面の曲が書けない人なので、田舎者の東京風俗見聞録的な本作には合わない……と思っていたら、終盤に至ってしっくり来た。 まあ、タイトルからして結末をネタバレさせてるんだけど。『自…

沙羅曼蛇3

 ☆☆3部作の完結編なのか、作画にも力が入っている。日高のり子も、ポニーテールにしたので、ナディア感がなくなって胸をなでおろす。 時系列的にも、ちゃんと『1』の続編で、しかも『2』のヒロインだった島本須美(敵の幹部的なキャラ)も出てくる。 本…

沙羅曼蛇(1)

 ☆☆★OVA。 異世界王朝設定いる? オーケストラ劇伴と、ゲーム音アレンジが合ってない。全部シンセ、ロックで良かったのでは? ホルストの『火星(惑星より)』とか、クラシックのオマージュ曲も。 ヒロインが完全に美樹本版ナディア(^^;) 『ナディア』の…

沙羅曼蛇2

 ☆★作中で何の説明もないのに、まさかの『1』の前日譚。ゲーム曲の流用もなくなった。こんな話、誰が望んでるの?? ゲストヒロインに、島本須美とか、声優も豪華なんだけど。 『1』で語られるだけだった、日高のり子(演じるキャラ)の、敵に支配されて…

チェイサー

☆☆☆ 韓国のサイコキラーもの。 主人公は、元警官だが、現在はデリヘル店のオーナーというおっさん。所属の女たちが、次々に消息を断つので、原因を調べていると、連続殺人鬼に行き当たる。 サイコな殺人鬼と、その躊躇ない暴力シーンが見どころだが、『オ…

多十郎殉愛記

 ☆高良健吾のアイドル映画やな……。 知らなかったけど、中島貞夫監督の時代劇ということでいちおうチェック。なんせ、「純愛(正確には殉愛)」だから、私が見るようなジャンルじゃないのだ。 ヒロインの多部未華子も、恋愛映画のヒロイン、という感じじゃ…

『ヤギより上、猿より下』

 平山夢明 ☆☆☆☆ 文春文庫平山夢明の小説って、広義のイヤミスか、ノワールに分類できると思うのだが、何故か読者を惹きつけるものがある。それは、文字通りクソみたいな場面に挟まれる、小説的な叙情性だったり、物語としてのトルクであったりするのだろ…

紅い牙(1)

狼に育てられた少女・二階堂蘭。実は人工的に作られ、超能力が使える。それを隠して、平凡な女子高生として暮らしていた彼女に、次々と闇の組織の魔の手が迫る。 強引というか、乱暴な展開は、テレビアニメの『サイボーグ009』みたいな雰囲気。

ビート・エックス(1)

車田正美 ☆☆★『聖闘士星矢』までは車田ファンで、当時も雑誌「少年エース」で連載しているのも知っていたが、どう見ても『聖闘士星矢』の二番煎じというか、本人による二匹目のドジョウ狙いだよぁ……。大学生でもあったので、食指は伸びなかった。まあ、考え…

ダイ・ハード

 ☆☆☆観てなかった有名映画シリーズ。若きブルース・ウィリスが、なんかメル・ギブソンみたいだった。 ひとことで言えば、「どこがそんなに(シリーズ化されたほど)面白いの?」という感じ。 冒頭から冗長だし。伏線があるわけでもなし、ウィリスか、はた…

プラモ迷宮物語(3)フラットレッドの巻

 ☆☆☆☆第三弾だが、載ってる内容は、良くも悪くも同じ。本書ならではの特徴は、第3章というか、おまけというか、いろんなラジコン戦車で遊ぶ、という章があること。この章は連鎖されていたのがラジコン専門誌なので、ディテールアップ改造とかは全然やらな…

散歩する侵略者

 ☆☆☆★変なタイトルだが、Jホラー界では名の通った黒澤清監督ということで、いちおうチェック。とはいえ、『クリーピー』とか、あんたり面白く感じなかったので、期待はしてなかった(^^;) 『盗まれた町』系の、人間入れ替わりものだが、冒頭から、隠さず打…

『ぽぎわんが、来る』

 澤村伊智 ☆☆☆☆★ 角川書店『狐狼の血』に続いて、ジャガモンド斉藤流に言う、「原作チンピラ」を敢行。珍しく(?)2作連続して、映画も面白ければ、原作もそれとはまたベクトルの違う良さがある面白い小説であった。 小説はホラーとしてはもちろん、き…

花の中の娘たち

 ☆☆総天然色かつ、小泉博が準主役なので、『モスラ』の前後かな? 『ゴジラ』が壊した東京周辺は、白黒のめちゃ昔ではなく、現在の日本と地続きである事に気付かされる……というのはメタすぎる感想かな(^^;) 神奈川は、東京とは多摩川を渡っただけだが、当…

前田建設ファンタジー営業部

☆☆☆★ヤフーニュース(奇しくも本編のラストに出てくるネタ)で知ったが、鹿島建設だかどこだか忘れたが、実在のゼネコンが、『マジンガーZ』の格納庫を真面目に設計した。そんな実話を元にした『プロジェクトX』的な映画。 主役はマッヒーこと高杉だが、…

小説の小説

☆☆☆★ 似鳥鶏 角川書店『立体的な藪』☆☆☆☆ 本書の本質というか、真髄はこれだけと言って過言ではあるまい。ありがちか、別荘ならぬペンションで起こった殺人事件を、名探偵が警察が来る前に速攻解決……と思いきや……。いわゆる後期クィーン問題から始まって、…

阿部一族

☆☆☆中学で習った、森鴎外の作品の映画化。と言っても作者と作品名だけで、内容には1ミリも触れない、学校教育のダメなところだよなぁ(´Д`) てっきり昔かじった『舞姫』のような、明治の華族の話だと思っていたのだ(^^;) ホントの内容は、江戸時代、熊本の…

狐狼の血

☆☆☆☆ 柚月裕子中盤までは映画版と同じか、それ以上に面白いが、終盤の盛り上がりは、映画のほうが上なので、やはり原作を先に読むのが断然オススメ。「エスにかかる費用の多くは、刑事が自腹を切っている。 飼っているエスがいればいるほど、懐は痛む。」「…

ジュリエット・ビノシュ in ラヴァーズ・ダイアリー

☆☆ 原題は『ELLES』と、全くと言っていいほど関係ない。 ジュリエット・ビノシュはセックスワーカーの女性達なんかを取材するルポライター役。『トリコロール』の頃は、外人女性としては日本人的に最高の美人やん!? と思ったが、さすがに寄る年波には勝て…

ノロワ

☆ケーブルテレビの紹介文によると、「演劇的な演出と、劇伴演奏を画面に映す斬新な演出」とあったので、興味を惹かれた。 結果は、全然合わなかった。普通にダメダメ映画ちゃうん?! まず、演技・演出が小学生のお遊戯レベル。「ここをこう通ってきて、ここ…

燃えよデブゴン 東京ミッション

☆☆☆ドニーは『燃えよドラゴン』のリメイクもやってるが、サモ・ハンの『燃えよデブゴン』をリメイクしたのが本作。リメイクっていうか……(言葉を失う)というのが正直なところ。 なんせ、デブゴンは元からデブだが、本作は普通の体型のドニーが、失恋と左遷…

カラーレス(5)

☆☆☆★色の力が暴走して、モンスターというか、ミニ怪獣化した刑事。なんとか暴走を止めつつ、元に戻そうとする、定番の展開。 ある種、『シン・ウルトラマン』のゼットン的な形態なので、半分カラーとは言え、どの部分なのかわかりづらいのは、作者の特質(…

掲載禁止

 長江俊和 ☆☆☆☆ 新潮文庫短編集。全体として、ラストのどんでん返しから逆算した、ある意味でシャマラン的なミステリーばかり。 折原一が好きな人なら、読みたくなるような作品、とだけ言っておこう。以下は、ネタバレ含みます。 『原罪SHOW』☆☆☆☆ スナッ…

キングダム 見えざる敵

☆☆☆最近だと、歴史合戦マンガ関連が検索されて困るのだが、全然違う映画。 中東のサウジアラビア王国を舞台にした作品。ジャンル分けは微妙なところ。宇多丸師匠いわくの「マン氏」がプロデュースか何かなので、てっきり『13時間』みたいな、アメリカ領事館…

マルコヴィッチの穴

☆☆☆公開当時から、強烈なポスタービジュアルは一眼見たら忘れられなかった。 世の中のヘンな映画選手権をするなら、間違いなくリストアップされるであろう一作。なにしろ、設定、登場人物(俳優)、展開の全てがヘンなのだ(^^;) まずは人形劇でもないのに、…

現代やくざ 与太者の掟

☆☆☆★60年前後の映画なので、「現代」と言っても、『賭博なんとか』のように、戦前じゃありませんよ、というくらいのニュアンス。 昭和の社会派推理小説にあるような感じで、これからのヤクザはビジネスよ、という感じで、手形サギをやったりしている。 主…

ワイルド・バレット

☆☆☆カタカナ邦題だが、原題は全然違う。エンドロールの導入がアメコミっぽいので、コミック原作なのかも? 乱暴にジャンル分けすると、マフィア映画か。主役は、アメリカのマフィアの下っ端で、ヤク密売のアジトに強盗が押入って来たのを返り討ちしたら、警…

賭ケグルイ(16)

☆☆☆☆★いつのまにやら、選挙も終わってしまった。というのも、夢子と会長の対決がなされないまま終結したからだ。 とはいえ、二転三転する展開や、さらに画力を増してのオマージュカットなど、見どころ満載。 なんと『HGに恋する二人』などの工藤氏のパロ…

聖書の常識

 山本七平 ☆☆☆☆ 講談社本書は、いわば聖書を歴史書として、その成立過程を地政学、歴史的に解説した本。キリスト教徒ではない日本人には、まさに目から鱗の内容であろう。「人名のつく書名は、あくまでも「書名」であって「著者名」ではない。」 たとえば…