思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ワイルド・バレット

☆☆☆

カタカナ邦題だが、原題は全然違う。エンドロールの導入がアメコミっぽいので、コミック原作なのかも?
乱暴にジャンル分けすると、マフィア映画か。主役は、アメリカのマフィアの下っ端で、ヤク密売のアジトに強盗が押入って来たのを返り討ちしたら、警察だった、という導入。目出し帽被って数人で強盗同然に発砲までする警官なんて、そんなやつおらへんやろーと大木こだまひびきバリにツッコミたくなるが、実は黒社会からも金を巻き上げている悪徳警官の一味であることが後に分かる。
先に主役と書いたが、途中までは、その息子と友人である、隣の家の子どもも、『スタンド・バイ・ミー』ばりに拳銃を隠したり探したりの騒動(本作は、銀の拳銃をマクガフィンにしたドタバタ劇である)の間、友情ごっこするので、どちらが主役か、という感じ。おまけに父親の息子のほうがクライマックス前に一時的退場して、クライマックスにいるのは隣人の息子のほう、というよく分からない展開。
マフィアものなので、ゴア描写はないものの、冒頭の銃撃戦をはじめ、拳銃で撃たれた血はまあまあ飛び散るので、それでR15なのかな。
ルックは、ラテン系というか、茶色(アンバーっていうのかな?)系のコントラストの強いもの。手持ちカメラで、ズームも多用する、個人的には見づらいタイプ。
主人公の妻にしろ、善良な小市民が一人も出てこない(両家の息子たちも、まあクソガキである(^^;))ので、誰にも感情移入できないのが、楽しむには厳しい。能天気にドンパチを楽しむには、妙にサスペンスとかもあるし。
欧米のノワール好きになら、オススメできるかも。