思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『宙の地図(下)』☆★あとがきにもあるように、南極での出来事は『遊星からの物体X』のオマージュ。 全体の文調は芦辺拓がSFを書いたらこうなるだろうな、という感じ(『スチーム・オペラ』より本格的な)。 前作よりは楽しめたが、終盤の展開はちと都合良…

『超時間の闇』☆☆☆☆ 小林泰三のがいい。 『宙の地図(上)』☆★ やっぱり長い。どうでもいい作者の口上と、やたら細かい情景および心情描写は、ジュヴナイルのそれだろう。ということは、じっくり読めばそれなりに楽しめるのかもしれない。プロットだけなら速…

『富士学校まめたん研究分室』 ☆☆☆☆ぱっとしない30の理系女子が、暇にあかせて陸自の新兵器を作る話。 『神様のパズル』みたいなノリが楽しいのだが、主人公を女子にしたためか、今まで男に円がなかったくせに、物語が始まると恋愛相手が現れて懊悩する、…

『時の地図(下)』☆ やっぱり大駄作だ。 『こち亀』に、ハワイ旅行の旅費を使い込んでしまった両さんが、バスの熱海旅行でハワイ旅行だと思わせるエピソードがあるが、4つある中編のどれもがそんなノリ。 いちおうオチはSFっぽい要素も出てくるが、全く貢…

『時の地図(上)』 ☆☆★ページをめくるのが止められないとか、大仰なこが書いてあるが、これ、面白いかなあ…(´Д`) タイムトラベルが全てお芝居、というのはちょっと面白いし、関連して過去に行って殺人を止めても、帰って来られるのは元の殺人事件があった…

『空白の叫び(下)』 ☆☆☆☆下巻は自ら額を割った葛城のその後を描くことなく、いきなり出所(出院)後に。 少年院から出た少年たちに身内および世間はどう接するのか、を描いたのが下巻。 嫌がらせから、職場を追われる工藤から、結果的に少年院時代の知り合…

『空白の叫び(上)』 ☆☆☆☆三人の中学生の全く異なる日常がそれぞれ別々に描かれる。接点もない。どこがミステリーなのか、道尾秀介みたいに、純文学なのか…と思いきや、一部のラスト、三人は全く異なる理由で殺人を行う。 そして少年院で出会うことになる。…

『本当は危ない『論語』』加藤徹 ☆☆☆☆内容じたいよりも、その成立過程など、歴史的検証を含め、外堀から内容の多様な解釈、音韻など内堀まで、良い意味で広く浅く論じた本。 「開祖の直弟子も、師と同様に忙しいから著作は残せない。 開祖の教えが文字化され…

『唯識で読む般若心経』 ☆☆☆☆興福寺佛教文化講座で23回に渡って講義されたもの。つまりは口語体なのでわかりやすいが、連続の生徒のレベルが高めの設定でもあるから、初心者向けすぎない、なかなか適度な内容。「英語は(略)必ず主語をいわなければなりませ…

『渡部昇一 日本の歴史1』「戦争中に国の方針としてユダヤ人を迫害しないと決めた日本のような国はほかになかったのだし、(略)それを東京裁判のときに世界に宣伝するセンスが弁護団にあったら、世界中のユダヤ人から東京裁判反対の声があがったのではない…

『0葬』なんかこの人、信用できないんだよなあ…。オウムに騙されたのもそうだが。本書も、宗教学者として書いているわけでも、仏教学者として書いているわけでも、さらにルポライターあるいはジャーナリストとして書いているわけでもないのがもやもやさせら…