思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2011-01-01から1年間の記事一覧

『春から夏、そして秋』歌野晶午 ☆☆☆★ 文藝春秋 まず、書き下ろしなのに、何故「ミステリー・マーダーズ」じゃないかが気になる。もうレーベルとしては終了したのかな? それはともかく、内容は貫井徳郎と乾くるみのような作品だ。両者ともいろいろなタイプ…

『英傑の日本史 浅井三姉妹編』 井沢元彦 ☆☆☆☆ 角川書店 近年は何故NHKの大河ドラマに便乗したテーマを扱っている角川版“逆説の日本史”。 大河ドラマ『江』にちなんで、茶々、初、江の浅井三姉妹がテーマ。それはとりもなおさず秀吉と家康の天下統一への権謀…

『究極のドグマ』機本伸司 ☆☆☆★ 角川春樹文庫 『神様のパズル』からのシリーズ。今回は迷子の猫探しから、“生命とは何か?”というテーマに挑むことになるのだが…。 結論からいうと、(大いに危惧してた通り)ラノベ化してしまったなあ…。というところ。 ヒロ…

『日本人の土地神話』山本七平 ☆☆☆☆ 日本経済新聞社 なぜ日本人は土地に執着するのか?それを鎌倉時代まで遡り、○○式目などの数々の古文書を元に明らかにしたもの。後半は土地や測量の歴史に関するエッセイ集。 結論は、前半の結句であるここに尽きるのかも…

『ミステリアス学園』鯨統一郎 ☆☆☆☆ 再々読。 返す返すも各話そして全体のボリューム不足が惜しいが、辻真先と清涼院流水を(足さずに(^^;))割ったような結論からすると、これくらいの文量で丁度良いのかもしれない。 本作の眼目はミステリ概論と、『箱の中…

『詳解 戦争論』読了

『詳解 戦争論 フォン・クラウゼヴィッツを読む』柘植久慶 ☆☆☆☆ 中公文庫 原本から、重要な部分を抜粋して解説して行く方式で、多分岩波文庫の原本を読むより遥かに有益(原本の引用が結構堅苦しいのだ。本の性質上、仕方ないと思うが)。 まさに政治―外交―…

自由をいかに守るか ハイエクを読み直す (PHP新書 492)渡部 昇一 PHP研究所 2008-07-16

『自由をいかに守るか ハイエクを読み直す』渡部昇一 ☆☆☆☆ PHP新書 第二次大戦中に、イギリスの学者ハイエクによって書かれた『隷属への道』を読み解く。 まだソ連邦や中国がなかったためか、ナチスの社会主義的政策がいかに危険なものか、翻って、自由がい…

強い日本をめざす道 世界の一極として立て中西 輝政 PHP研究所 2011-02

『「日本経済ダメ」論のウソ』読了 三橋貴明+上念司 イースト・プレス ☆☆☆☆ 要するに、現在の日本(日本経済ではない。もはや日本国家全体の問題だ)が抱えるデフレの犯人と対策についての対談。 日銀・財務省に操られた工作員たちも実名で糾弾している(^w^…

『国家の実力』読了 ☆☆☆★ 渡部昇一先生との対談だが、内容的には『彼らが国を滅ぼす』と同じ。管政権の震災対応のひどさが追記されているくらい。『カンナ 出雲の顕在』読了 本家『QED』でも出雲もやったところで、 歴史的な内容も同じように感じた(ノン…

山手線と東海道新幹線では、どちらが儲かっているのか?中嶋 茂夫 洋泉社 2010-09-24シューティングゲームサイドVol.3 (GAMESIDE BOOKS)ゲームサイド編集部 マイクロマガジン社 2011-09-24

日本人としてこれだけは知っておきたいこと (PHP新書)中西 輝政 PHP研究所 2006-10

55年以上前の本だから、日本語じたいも変わってるんだな…と実感させられた翻訳。 まず「ぅ」「っ」などの小文字が皆無で、全て大文字。 単語の末尾を伸ばさないのは現在でも理系の文章で生き残っているが。「サ」って何だ??と思ったら「サー」とだけ書いて…

伊達騒動についてはほとんど知らなかったので面白かった。 当時の衝撃としては赤穂事件よりも大きかったというから凄い。 その新説(?)や、現代の殺人事件との関係じたいはよくできているが、現代の殺人事件の真相じたいは拍子抜けなのがイタイ。伊達騒動…

官愚の国高橋 洋一 祥伝社 2011-03-19

『ガンダム漫画』にくらべると、やっぱりインパクト弱いかなあ…。 原作が50話近くある30年前の作品と、その半分の話数しかない15年前の作品だと、やはり原作の差が現れているのかもしれない。 古典であればあるほど、茶化した時の面白さも大きいしね。(笑い…

30年ほど危機管理に従事してきた専門家による、民主党政権批判。 真骨頂は、民主党が学園紛争を引き起こしていた張本人たちが仕切っている極左集団だということ。 真の保守政党の出現を熱望することについてはまったく同感だが、民主党に対する提言は、まっ…

『ブランク・ダイヴ』読了 確かにあとがきに、これまでのイーガンの短編集中、最もハードSF色の強い本だというだけあって、なかなか手ごわい。 物理学のみならず、数学のテクニカル・タームまで出てくるのがイーガンの一筋縄では行かないところ。 とはいえ、…

『四書五経を読む』

資料(各自のノート?)を見ながらなのか、全て記憶しているのか分からないが(後者なら凄い)『論語』『中庸』などのいわゆる四書五経の中にある名言、人生訓、生き方などを次々に紹介する。 昔は現在の高校進学までに四書五経も読んでいたというから凄い……

小林泰三版『魔界転生』か『R.O.D.』といえる本作。この設定からして7〜8巻くらいは続くと思ったら、あっさり終わってしまった…。 だが、謎の全ては解明されたとはいえず、打ち切りといっても過言ではない終わり方。(いちおうボス的なものは倒した…

日本人が知らない世界と日本の見方中西 輝政 PHP研究所 2011-09-21

「決戦のあとで使用が予定されているいかなる予備軍は不合理以外の何ものでもない」 「ゲリラという言葉は、スペインの農民たちがナポレオンの侵攻に抵抗した戦いを「ゲリリャ(小さい戦争)」と呼んだことに由来している。」 「『戦争論』は森鴎外の翻訳に…

谷沢(略)悪口は技巧的に言わないといけません。つまり、面白くなければならない。ただ罵るだけの悪口というのは、これほどいやなものはない。それからセックスに関することは言わんほうがいいですね。これは言うたところで何のプラスにもならない。 渡部 …

韓非子 (角川ソフィア文庫 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典)西川 靖二 角川書店 2005-03

何を書いてもネタバレになってしまいそうだが…。 作者のバカミス系シリーズでは、最高傑作と言っても過言ではない超労作。(ページ数的には薄いのだが、その労力たるや…) 作者のこのタイプの作品が好きな人なら迷わず買いだ。五色沼黄緑館藍紫館多重殺人 (…

『マスゴミ崩壊』に続くマスコミ批評第二弾。 敢えて批判とは書かない。無根拠な誹謗中傷ではなく、事実を上げて問題改善を訴えた書だからだ。 今回は対談編とでもいうべきか、元毎日新聞、元NHK、元(フジテレビ系?)ディレクターの3人との対談が主になっ…

今回も3部構成だが、前の2作のような凝った構成ではなく、主人公は同じ双子で、その意味では読みやすい。3部構成なのは、第2章で二人が招集されてお馴染みの南方戦線ナムールへ行くから。 そこでは例によって日本軍のしごきや巨大昆虫、爬虫人などが出て…

☆ 以前挫折した本のリターンマッチ。今回は読了できたのだが、やっぱり面白くなかった。 テクノゴシックというらしいが、サイバーパンクと同じく、私にはとっつけないジャンルらしい。ストーリーも、読み終えてもさっぱり頭に入らず、解説のあらすじを読んで…

算数の究極奥義教えます 子どもに語りたい秘法木村 俊一 講談社 2003-01