思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧

法廷遊戯

   五十嵐律人 ☆☆☆★ 講談社2部構成で、前半は、ロースクールでの、無辜ゲームなる、裁判ゲームが描かれる。持ち回りではなく、すでに司法試験に合格している結城が裁判官役を務め、罰は「目には目を」的なもの。ちなみに、主人公は、それなりに優秀な、…

『伝説巨人イデオン 接触編/発動編』☆☆☆☆テレビシリーズを観た後、ハイビジョン画質で観るとどうなるか、という感想。 意外だったのが、テレビシリーズの方が面白かった、という印象だったこと。総集編である『接触編』のみならず、発動編ですらそんな感想…

ホット・ファズ

☆☆☆☆ハチャメチャエンタメ、というケーブルテレビ番組紹介文だけの前情報で観た。 最初は、ロンドンで活躍したエリート刑事が、ひとりで飛び抜けた能力故に、周りと上から煙たがられて、田舎に飛ばされる。田舎の呑気なお巡りとのギャップを描く、三谷幸喜…

イミテーション・ゲーム

☆☆☆★第二次世界大戦中、イギリスがドイツの暗号生成装置エニグマを、どう解読してのか。そういう事実は知っていたが、詳細を知りたくて観てみた。 当然ながら映画なので、数学的な詳細や論理よりも、チューリングの人間臭さが中心として構成されている。結…

賭けぐるい(15)

  ☆☆☆☆夢子が待望した会長とのギャンブルは、姉妹対決を優先した会長に拒否され、夢子は選挙戦でのギャンブルをもうしないと宣言。 徐々に明らかにされている○喰一族の因縁に原因がありそうだが……。 姉妹プラス、メアリのギャンブルは変則ポーカー。よう…

『アオサギとツル』☆☆自主制作手書きアニメ? ロシアで1975年に作られたというが、戦後すぐじゃないかというくらい古典的な仕上がり。 物語は、いうなら「黒ヤギさんたら読まずに食べた」的な話。

『マトリックス レザレクションズ』☆☆★そもそもの3部作が右肩下がりだったので、それの続編と言われても全然期待してなかったが、監督は継投だから正統派続編ということで、万が一、ということもあるので一応ウォッチしてみた。 最初が『1』のリメイク? …

アップグレード

   ☆☆☆☆見ながらずっと「これ、観たことあるよな??」と思いながら、今に至るまで思い出せなかった。序盤に事故るところ、郊外の自宅から、金持ちの地下屋敷に行くところなど。こういうの、何が似た元なのか探すの、難しいんだよなぁ……。(もしかして観…

アンチグラビティ

☆☆☆☆『映画秘宝』で記事を読んでから、観たいと思っていた、ロシアSF。最近はロシアのエンタメ映画に良作が多いよなぁ……。 始まってから数分間、主人公が色んな体験をするのにセリフが一切ない、という思い切った構成。 宇宙に大地の断片が浮かび、しかもそ…

『冤罪と人類 道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』管賀江留郎 ☆☆☆★ 早川文庫実にアンバランスな本だ。タイトルと装丁から、てっきり古今東西の冤罪事件について書いた本かと思いきや、実はほぼ日本に限定した、戦前・戦後の冤罪事件に関係した人物のプロファイ…

三体3(下)

  ☆☆☆☆★ 早川書房あとがきにもあるが、『2』を読んだ時に、これ以上の展開はないやろ?! と思ったのだが、そんなのを吹き飛ばすスケール。ネタバレになるかもしれないので、他の作家でいえば、ステープルドンとタイムスケール、バクスターの空間的広が…

イップ・マン 完結

☆☆☆☆妻が死に、自身もガンを宣告された中、高校生の息子ともうまく行かない。そんな中、アメリカ移住の手続きのため、弟子のブルース・リーのカラテ大会招待と併せて渡米したイップ師匠。 本作では、ありがちな差別問題が描かれる。香港映画では、イギリス…

『飛行機模型スペシャル(2) Aー10 サンダーボルト2』 ☆☆☆☆ モデルアートイカロス社の別冊は持っているし、『スケールアヴィエーション』のAー10特集も持っているが、それでもなお(Aー10ファンとしては)買って良かったと言える一冊。 主要キットのレビュー…

『HOW TO BUILD GUNDAM 2』 ☆☆☆★ ホビージャパン敢えて本書中にもあるように、本書は中級編。単なる第2弾ではなく、レベル2なのだ。ほとんどの作例が、ストレート組みではなく、何らかの改造を施されている。 本書の中でも、現在でも伝説として語り継がれ…

散歩する惑星

☆☆★『未来世紀ブラジル』プラス『ビジュアルバム』って感じ。不条理というか、社会派ブラックユーモア映画という感じ。近未来なのかパラレルワールドなのかもわからない。白塗りのサラリーマンたちが、会社や家庭でどこかズレたスラップスティックを静かに…

009ノ1 the end of beginning

 ☆☆★坂本監督ということで期待したが、アクションはともかく、ストーリーは、東映特撮映画やビデオでイヤというくらい観飽きた展開に、がっかり。特に平成ライダーの映画版にそっくり。 ゾンビのくせに血が出たり、頭をやらなくても死ぬって、出来損ないも…

BLACK FOX

☆☆坂本監督による、意外にもアニメ映画。最初は時代劇かと思わせて、実は未来の話。必殺仕事人のような、キャシャーンのような、バビル2世のような、それでいて時代を超えたり、実写とアニメをメディアミックス(実写版があるらしい)したりするところは『…

三体 3(上)

 ☆☆☆☆宇宙戦闘があった後で、また停滞期なので、地味かと思ったが、ちゃんと大スケールのイベントもある。 核パルス推進では、木星までの進路に千個の原水爆を打ち上げて実現。 恒星破壊砲は、太陽の表面に穴を開けて、核融合エネルギーが穴から恒星系に吹…

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』☆☆☆無印だけど、三部作のパート1に当たる。原作は既読で、『ガンダムエース』で最大限に宣伝していたので、期待は膨らむのだが、完全値引きシャットアウトの映画公開にドン引きして、劇場には見にいかず。ネットでの…

ランボー3 怒りのアフガン

☆☆☆☆世間的には「しくじり先生」扱いされている本作だが、私は普通に楽しめた。3部作の順番をつけるなら、好きな順に『3』『2』『1』となるくらい。 まあ、これは多分にアクション及びミリオタ視点という偏ったフィルターゆえな気がするけど(^^;) 残念な…

ウルトラマンジード 劇場版 繋ぐぜ! 願い

☆☆☆★怪獣に滅ぼされそうになった宇宙人が、お宝と共に脱出した。その先が地球(本作では沖縄)だった、という、特撮ものでは定番中の定番の設定。 お宝は、独鈷杵みたいなアイテムだが、はっきり言って、何がお宝なのか、資格が何なのかはさっぱり分からな…

ランボー2 怒りの脱出

☆☆☆★こちらは多分、30年くらい前にテレビで観たと思う。 前作とは全く違うが、世間的な『ランボー』のイメージは本作(と、次の『3』)で固まったのだろう。 『ランボー』と『ランボー 怒りの脱出』の関係は、『ターミネーター』と『ターミネーター2』、『…

七転びなのに八起きできるわけ

浅暮三文 ☆☆★ 柏書房ミステリー作家が、世のことわざを現代の資料を駆使して解明する……? という本。 ざっくり言うと、文系の『空想科学読本』である。同書がお気に召さない人は読まなくてもいいかも。 それにミステリー作家らしく『邪馬台国はどこですか?…

哲学人生問答

岸見一郎 ☆☆★ 講談社『17歳の特別授業』シリーズ。結論からいうと、京極夏彦のほうがはるかに良かった。 著者のアドラー心理学の本は有用だったのに、高校生相手だから、大人が読むには不適当なのか。 質問内容は、友人関係とか進路、勉強のことがほとんど…