思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

高橋佳哉+村上力『サーバント リーダーシップ論』を読む。

印象に残ったところ

「相手は自分で○○が欲しいといっているのだから、○○のようなものが欲しいのであろうと思うのは、こちら側の論理である。実は、相手が本当に希望する弁益は、はっきり理由を聞かなければわからない。」
これは顧客にも部下にも当てはまる。

「サーバント・リーダーは(略)1個人の満足を高める要因を高めること、2個人の満足をそぐ要因を減らすこと、3個人の成果の達成である。」

「行動規範(value)(略)こそが(略)経営上は最も重要な位置を占めている。「日々、どう生きるか、どう動くか」ということを決めることは、「何をしないか」ということを決めることに他ならない。」

「「義は利の和なり」(略)この言葉に従うと、あらかじめ組織の「義」は何かを定義しておかなければ、「利」が取れないことになる。」

刑事コロンボ ロンドンの傘』
☆☆☆★
番外編というか特別編というか、ロンドンに視察に行って事件を解決する。
犯人はイギリスならではの、シェークスピア俳優カップル。
コロンボが証拠を傘に弾き入れるのがポイントなのか?
あとはコロンボのロンドンでミーハー観光するシーンが多いのが楽しい人もいるのか?なんか『ミスタービーン』映画版みたいな感じ?
犯人逮捕後もそんなシーンが入るので、ラストの切れも悪い。
何より(?)吹き替えの小池さんの声が晩年なのか、しんどくて心苦しかった。


『犯罪乱歩幻想』三津田信三
☆☆☆★
角川書店
なにか小林泰三っぽいテイストの乱歩オマージュ短編集。
『屋根裏の同居者』☆☆☆
さんざんオマージュネタにされてきた名作。まとまり過ぎて、こぢんまりした感じ。
『赤過ぎる部屋』☆☆☆★
既読かな?ホラーな作中作と、リアルタイムのホラーがうまく融合しているという構成そのものがミステリーしていて良い。
『G坂の殺人事件』☆☆☆★
タイトルこそ『D阪』オマージュだが、中身はド本格。特に連作として読んでいると、「なるほど今回はこう来たか」と唸らされる。
夢遊病者の手』☆☆☆★
ホラー・サスペンス。夢遊病というモチーフは、二重人格や催眠術と並んでなんでもありになりがち。本作では、犯罪方法だけでなく、周辺にもトリックを仕掛けてある(夢遊病ネタだけでは弱い、という自覚からか?)。
『魔鏡と旅する男』☆☆★
ホラー・ミステリー。単なるホラーかと思わせて、最後に謎の提出と解決をいっぺんに行っている。
『骸骨坊主の話』☆☆☆★
隙間にいる人間というビジュアルがいかにもJホラー的。おまけに、本作は正々堂々たる『リング』トリビュートなので、伝染、井戸というモチーフを巧く伝奇怪異譚として処理している。
『影が来る』☆☆☆★
ドッペルゲンガーものも、オリジナリティを出すのが難しい、手垢のついたモチーフ。本作では、分身が、自分の深層心理の願望を実行した、というのが面白い。

ハクソー・リッジ
☆☆☆★
序盤は、なんかいかにもいじめられっ子みたいなヤツだなぁ…。と思って見ていたが、最後にはしっかり感動(感心)させられた。
ただ、前半と後半にきになることが2つほどあった。
前半では、主人公が敬虔なクリスチャン、つまり徹底して武器を取ることを拒否する動機がほとんど描かれていないのだ。もうちょっと悩んで、牧師や聖書と向き合った末の結論としての「殺すなかれ」の徹底、言うまでもなく他の戒律にも厳正である、と言う描写がないと、単なるわがままな奴にしか見えないのだ。つまりは主人公に感情移入できない。
その結果としての軍法会議でも、わざわざ憲法の条文を主人公の父親が私に来る、と言うゴタゴタも、為にする演出にしか思えなかった。そんなの弁護側が指摘するのが当然やん。それとも単なる父親のコネだったんだと言う事実では、盛り上がらないからの演出?(事実は知らんけど)
後半は、メルギブ版『プライベート・ライアン』と言うか、それ以上のゴア(現実的)描写で、まさしく戦場のリアリティを感じさせてくれる。『ガンダム めぐりあい宇宙』の「生か死か、それは誰にもわからなかった」を表現したような、敵も味方も見境なく、容赦無く、あっさりと死んでいく冷酷な描写が素晴らしい。
日本側も、アメリカ側からすれば敵なので、悪役として絵がれているが、一応許容できる範囲かな…と思っていたら、最後にどうしても許せないシーンが。白旗を揚げて出てきたのに、手榴弾を投げようとするのだ。まずは白旗を出すこと自体が戦争末期にあってはあり得ないのに、さらには騙し討ちみたいな戦法は絶対に取らないだろう。こう言う嘘を入れないとアメリカの正当性を担保できなかったのか。
事実上のラストシーンで、主人公をまるで昇天するキリストのように描写したのも、メルギブらしい胡散臭さ(^_^;)
とりあえず、平和主義の主人公はほとんどナウシカかナディアで、これこそ日本が作るべき戦争映画なんだけどなぁ…。

ファイアーフォックス
☆☆★
『ステルス』みたいな映画かと思っていたら、意表をつくイーストウッド主演のスパイもの。凄腕のパイロットが、ソ連に潜入してファイアーフォックスというステルス機を奪う、というミッション。
スパイパートは可もなく不可もなく。
ファイアーフォックスは、実物大セットもあるが、アクションシーンは全て特撮。空撮した実景色にミニチュアを合成した、80年代テレビ特撮みたいな画面。今見るにはちょっと辛い。ただ、メカフェチ的には、『沈黙の艦隊』がオマージュしたであろう、潜水艦が流氷(凍った海面)を突き破って浮上するシーンに燃えた。
最大の問題は「ロシア語で考えるんだ」と言いつつ、ソ連サイドを含めて全編英語なこと(^_^;) 演出が根本から間違ってるやん。


アポカリプト
☆☆☆★
そこまで面白いかなぁ……。『マッドマックス 怒りのデスロード』『ランボー 最後の戦場』『プラトーン』なんかをひっくるめた映画。中米という馴染みのない舞台ゆえ、主人公に感情移入しづらいのが難点。捕らわれた主人公が、生き別れた妻子の元に戻る、というシンプルなストーリー。普通は妻子を取り戻すもんだけど、何故か逆なのだ。
見所は、敵の本拠地に連れて行かれてからの、生贄の山。生首が棒に刺さり、ピラミッドの上では心臓が抉り出され、切り落とされた首がボールみたいに階段から転がり落ちる。ゴア描写の極みと言える(@_@;)
狙いとしては『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』でのゴブリン達の地下工場と同じ邪悪さの表現なのだが、テイストの違いが興味深い。
そこから先は、文字通りのマンハントもの。予告編からは、主人公がジャガーとともに敵を追うのかと思わせて、中身はまるで逆なのが面白い(のか、詐欺なのか)。
ラストはちょっと都合よすぎる、あっさりしすぎかな…。布教船が到着したところでラストカットで良かったのに、主人公達のその後が描かれるのは蛇足。欧米社会かキリスト教会かどっかに配慮したとしか思えない。



『独捜!』
霞流一
☆☆☆
山田正紀みたいなタイトルだが、「!」がつくと、とたんに『情断!』みたいでいきなり最悪なセンスに堕してしまうのはいかがなものか……( ´Д`)
警察ものだが、はみ出しものたちの物語、ということで、『パトレイバー』それもマンガ版のオマージュになっているのだ。どうみても警察官らしくない言動はもちろんだが、「ターゲット、ロックオン」とか「頭がスポンジ」なんてオマージュがあるくらい。
公園にガラクタがロープなど結ばれたオブジェクが連続して発生する愉快犯事件から始まる。てっきり短編集かと勘違いするくらいゆるい謎で、まあ、ライトミステリーと言っていい。
ところで「優しい街並み」って何なのよ?( ´Д`)

『「鬼畜」の家 わが子を殺す親たち』石井光太
☆☆☆★
新潮社
世間を騒がせた、実親による子供の虐待・殺害・死体遺棄事件。まさしく鬼畜の所業だが、冒頭には「彼らなりに子供を愛していた」のだという。
本編を読んでみると、彼らの親じたいがまともな子育てをしていない。親子の愛情を知らないと、子育てもできない、という結論なのだ。
普通の家庭に育った人なら自分の子供がちゃんと育つかどうか不安な人は一安心かも(^_^;)
エピローグに、施設に預けられた母子たちでも、健気に頑張っている人たちもいる、というエクスキューズがあるのはフェアかも。

『鉄道探偵団 まぼろしの踊り子号』倉阪鬼一郎
☆☆☆
講談社ノベルス

倉阪ミステリーの新ジャンル。良くも悪くも、辻真先が書きそうな、ライト鉄道ミステリー。瓜生慎シリーズの新作、と言われても分からないくらい、登場人物も文体も似ている。作者らしいと言えば、線路沿いを走る「ランテツ」なる鉄道オタクが登場することくらいか(そんなやついるのか?)。


『戒名探偵卒塔婆くん』高殿円
☆☆☆
角川書店

なんか『烈車戦隊トッキュウジャー』みたいな、交換可能ないい加減なタイトル(『特急戦隊レッシャマン』みたいな)。
仏教系のトリビアが楽しめる、ということで読んでみたが、それ以上のものはなかった。本格ミステリ作家が余儀で書くような。『介護探偵』とか『物件探偵』の系譜。
前の3つはそこそこたち1、ラストの前後編『いまだ冬を見ず』は、辻真先の『村でいちばんの首吊りの木』とか『郷愁という名の密室』みたいなナツメロもので、イマイチ。松下とかソニーとかの実在の立志伝中の人物ならともかく、架空の人物の履歴についてどうこう言われても興味でないよ……。まだ短編ならともかく、2回ぶんもいらない。百田氏や深水氏みたいに、右翼的な歴史的史実を明らかにしてくれるならともかく……(ただし、反日でもないのがまし)。

ファイアーフォックス
☆☆★
一部では有名な「ロシア語で考えるんだ」なので、チェックしておかなければ…ということで観た。

刑事コロンボ 構想の死角』
☆☆★

ザ・モモタロウ(4)』
☆☆☆☆
相変わらずギャグが冴えまくっている。三郎太絡みなど、けっこうウェットな演出もあるのだが、それに勝るとも劣らない(?)ギャグが満載なので、全体のドライブ感が損なわれていないのだ。
スピード感といえば、ワンツー・ハイに対抗するもんがーが、七尺兄弟をステップにしてトップロップへ立つのを1コマで描いたのは秀逸!


『モンキーボーン』
☆☆☆★
町山智浩推薦作品。事故で昏睡した主人公が、あの世で遭遇するドタバタ。『テッドとなんとかの地獄旅行』(観たことないけど)や『ミュータント・フリークス』を合わせたようなテイスト。中でも、後者の奇形趣味に近い。同作にははっちゃけ具合が足りないというか、テンポが悪かったが、本作のあの世描写はこりまくった造形の着ぐるみやコマ撮りアニメで合成されたクリーチャーがさりげなく出てくる。『スター・ウォーズ4』のカンティーナ酒場や『ヘルボーイ ゴールデン・アーミー』の地下街と同じ楽しさ。主人公が生き返るまでは本当に楽しい! ここで終わっていれば文句なく☆☆☆☆だった。
ただし、本作は、主人公の中身は主人公の描くマンガのキャラ、という分かる(深層心理?)ような分からない展開。そこからのドタバタははっきり言って全く笑えない。監督交代の悪影響がこの後半なのかな。
推測するに(ここは後半の町山解説を観ずに書いてます)、製作予算と期間が超過したのかなぁ……。私からすれば、この40分で終われば文句なくカルト映画の傑作になったのに……。