思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

キングダム 見えざる敵

☆☆☆

最近だと、歴史合戦マンガ関連が検索されて困るのだが、全然違う映画。
中東のサウジアラビア王国を舞台にした作品。ジャンル分けは微妙なところ。宇多丸師匠いわくの「マン氏」がプロデュースか何かなので、てっきり『13時間』みたいな、アメリカ領事館か何かを拠点にテロリストを防ぎ切るポリティカル・アクションか、『アルゴ』みたいな政治サスペンスかと思った。
これ、世間で言う冒険小説、私的には国際謀略もの。もっと言えば社会派ミステリーである。ちょっと地味な『ゼロ・ダーク・サーティー』。
主人公はFBIの捜査官で、アメリカ人がテロの犠牲になったことで、半ば強引に4人を現地に送り込む。あまり協力的でない警察(ではあるが、軍や王族ともかなり近い立場)をなんとか政治力で協力させ、証拠を探し、集めて、テロリストの首謀者を探すのだ。
中盤あたり、王子の晩餐会に招かれたあたりで感づくが、これ、実話を元にした感じを装っているが、だいぶ映画的に脚色してるよなぁ……。主人公たちチームも、絶対死なないだろうとと、緊張感はなくなったし、破壊力を増すために爆誕に入れられたビー玉を、テロリストの親玉の家にガサ入れした時に、子供が持っているとか、へたなサスペンスのような都合良すぎる展開。
導入の、テロリストがアメリカ人居住区で無差別テロで殺しまくるところは、唯一、本作ならではの見どころ。ただし、犠牲者としては子どももいたと描かれているのに、実際に殺されるカットがないのはまだまだだなぁ。あとはペットも。
肝心の銃撃戦は、ラストの敵地潜入の際に、壁に綺麗に穴が開きすぎな感じ。お約束の(?)RPGの発射直前に撃たれて、室内で爆発する場面や、手榴弾を投げられて、フロントガラスを手で割って、手榴弾を掴んで投げ捨てる
なんて場面もしっかりある。