思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『ツリー(上)』高橋克彦 ☆☆☆★作者には珍しくカタカナのタイトルなので、いったいどんな話なのかと思ったら、伝奇ものでした。 短編小説の新人賞に、妙な作品が来たところから物語は始まる。選考委員である書評家の主人公が、連絡がつかないその作者を探し…

岩崎裕美子『ほとんどの社員が17時に帰る売上10年連続右肩上がりの会社』を読む印象に残ったところ「目先の売り上げを稼ぐことではなく、差別化したオリジナル媒体をどんどん開発することだったのです。自社の強みである差別化した媒体を開発することは、会…

『結び目の数学』『ディアスポラ』の参考文献に挙げられていたので読んでみた。 紐の結び方を、数学的に捉えたもの。トポロジーの一種とも、一・五次元の捻れに関する数学とも取れるかも。 数式こそ出てこないが、結構難しいので、途中で挫折。練習問題とか…

岩崎一郎『なぜ稲盛和夫の経営哲学は、人を動かすのか?』を読む印象に残ったところ「リーダー自身が常に謙虚さを心掛けて、“天狗”にならないこと、「自分の能力は、みんなのために、仲間のために活用しよう」という姿勢を率先垂範していくことが重要です。…

『A-10 サンダーボルト2』 本当は雑誌「スケールアヴィエーション」のサンダーボルト特集号を買いたかったのだが、今更買えないので、代わりに買ったもの(普通は逆だろうけど)。 美麗な写真から、武装の開発、ミッションの説明まで、サンダーボルトに関す…

『鏡の城の美女』 ☆☆☆★ ステンレスの館(城)での八重(とは作中では呼ばれないが)密室殺人事件。 八重密室を破る方法は、解決編の直前で気がついたのがちょっと嬉しい。が、真犯人に関しては綺麗に騙された(^_^;) ドタバタ・ベタベタのギャグは相変わらず…

裏表紙アオリには「最終巻」とあるのに、あとがきには第二部完、みたいなことが書いてある。「どういうこと??」と思ってマンガの最後のページをよく見ると、次からは『同人少女GT』としてリニューアルされると書いてある。「GT」って何だ?「ゴーちゃん(…

『35分の1スケールの迷宮物語』 ☆☆☆☆メインは、作者と田宮MMシリーズとの関わりを描いたイラストエッセイ(マンガ)だが、脱線も度々。 面白いのが、小さい時のプラモ作りを振り返る、エッセイマンガとしての側面だ。パーツを手でもいだり、人形の顔が悲惨な…

『最後の敵』山田正紀 ☆☆☆☆★再読。ほぼ四十年前の作品だが、これ、間違いなく山田SFの最高傑作であろう。 『天明元年…』であった『宇宙の孤児』的な設定、神との戦い、ライバルとの肉弾戦など、山田SFの全てが詰まっていると言って過言ではない(言語テーマ…

『浮世絵ミステリーゾーン』 再読だが、新たな視点で非常に興味深く読めた。 同一人物(歌舞伎俳優)についての風刺画を比較した結果、実は似ている、という証明も面白い。 参覲交代について 「いってみれば県庁に勤務している半数の人間が知事や市長にした…

『ワールドタンクミュージアム図解』 ☆☆☆☆『私家版戦車入門』とかよりもだいぶ読みやすく、面白かった。内容の深みや視点・キレとイラストとのバランスも良い。 前掲書のようなスカスカ感もなかった。実はイラスト1ページと書き下ろし解説の配分は同じなのだ…

『お探しの本は』 ☆☆☆☆ (ネタバレあり注意!)図書館ものミステリー。北森鴻とか森谷明子『れんげ畑の真ん中で』『平台がお待ちかね』などの図書館・書店シリーズなどのようなテイスト。連作短編になっていて、全体としてはこれこそ『図書館戦争』という感…

『ディアスポラ』 ☆☆☆☆再度だが、5日もかかった。500ページくらいなのに…。 究極のハードSFの名はダテではなく、主人公たちはコンピューター上で生まれた人工生命。(まっとうな)人間の登場人物はほぼゼロ。舞台は数百年後から始まって、267兆年(!)後ま…

見終わってみると、「だから?」という感じもしないでもないが…。 バレエ「白鳥の湖」の主役を狙う一人であるナタリー・ポートマンが、幻覚に悩みながらも主役の座を射止めるが、最後まで幻覚との戦いは終わらない…という話か。 結局、ライバルであるミラ・…

『私家版戦車入門1』モリナガ・ヨウ ☆☆☆★ 戦車の誕生前後をイラストエッセイで紹介するシリーズ。 あとがきで、雑誌連載記事のみを続けてみたら、作者自身が胸焼けする(密度?)のもになったので、片側ページには描き下ろしの軽い(小さな)イラスト・エッ…

『ホカベン ボクたちの正義』中嶋博行 ☆☆☆☆ 講談社文庫大手法律事務所に入った新人弁護士が最初に手掛けた案件を描く。最初は離婚調停の相談だったのが、いつしか殺人事件の裁判に…。 法廷闘争の裏側で、独自に捜査するのは法廷ものミステリのお約束でもある…

『キケン』有川浩 ☆☆☆★ 新潮文庫とある理系大学でのドラマを描く青春ドタバタもの。限りなくラノベに近い感じ。 新入生勧誘、ある失恋、学園祭、ロボットコンテストなどのイベントを描く。各章末には、ある人物の回想台詞があり、最後には「現在」に帰着する…

大崎孝徳『すごい差別化戦略』 「考えぬく」のは良いとして、元がネットだからか、基本的にぬるい。印象に残ったところ「豆太とうふが地元を中心とし4メディアで大きく取り上げられ、近所の人から「あの高級豆腐の豆太で働いているんですね」と声をかけられ…