思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『風神の手』道尾秀介 ☆☆☆★ 朝日新聞出版宮部みゆきや、貫井ちゃんのような、純文学よりのミステリー。中編集だが、どれも基本的には、主人公が近親者から、過去の話を聞くと、意外なドラマがある・・・という構成になっている。 2作目を読むと、同じ土地の…

『空母いぶき』 ☆☆★極上の原作と、『シン・ゴジラ』以後の映画なのに、やっぱり危惧した通りの結果。 原作では、中国が尖閣諸島を取りに来る、という状況を徹底的にリアルにシミュレートしたストーリーが白眉なのだが、本作では、そのどちらもオミットしてし…

『逢魔宿り』三津田信三 ☆☆★ 角川書店作者のホラーには当たり外れ(向き不向き、好みが別れる)があるが、これは外れだったな。『お籠もりの家』☆☆★ ある意味、成人の儀式的に、田舎の一軒家で一週間、老婆と一緒に過ごす際に忍び寄る怪異。『予告画』☆☆★ 予…

『夜行雲のサリッサ(1)』原作:松田未来/漫画:Kome ☆☆☆★ 徳間書店謎の巨大生命体に、特殊能力を持つ少年少女たちが特別な改造を施された飛行機で挑む。『ぼくらの。』『エヴァ』『ひそまそ』見たいな話だ。 原作者が飛行機マニアだけに、凝りまくった設定…

『スパイダーマン スパイダーバース』 ☆☆★各所で絶賛されていたので多いに期待したのだが、全然ダメだった。 まず、アメコミやディズニーに疎いので、ストーリーも表現も、まんまディズニーCGアニメやん、つまりは子供向けやん、というのが最初から終わりま…

『パラサイト 半地下の家族』 ☆☆★ これ、『魔少年ビーティー』だよね。 まあ、どっちもめちゃくちゃオリジナリティのある設定じゃないので、盗作ってほどじゃないけど。 ☆☆でも良かったけど、★加点したのは、ルックがしっかりしてた、というくらいの理由。あ…

そこに無い家に呼ばれる

三津田信三 ☆☆★ 中央公論新社導入として、生き物を介さない、家そのものの幽霊は存在するか、という談義があり、そこから3つの中短編を読む、という形。『あの家に呼ばれる』☆☆★ 住宅地の中にある家の隣の空き地に、泥酔して深夜に帰った時にだけ家が現れ…

押井守のニッポン人って誰だ?

押井守 ☆☆☆★ 講談社何故、SF者であり、日本史や文化に詳しくない渡辺麻紀さんを聞き手に選んだのか理解に苦しむ。いや、無知な読者の代わりに説明を求めてくれるから、後で膨大に注釈を入れる必要がないから、というのは分かるけど。でも、これが明石散人…

「あたりまえ」の研究

山本七平 ☆☆☆★ 文春文庫「あたりまえ」とは何か? という論説を期待したのだが、違った。執筆当時の80年代の国内外の問題に関する、著者なりの評論に過ぎないのがちょっと残念だった。ちなみに、言葉の定義的なところでは、 「各人がその日常生活において、…

『クラッシュ』 ☆現在では同名の映画がいくつかあるのでややこしいが、クローネンバーグの映画。 原作は昔読んだことがあるが、とりあえず面白くない、あるいは全然分からん、という印象しかない。 この映画版は、それにも増して変な作品で、色情狂と、車の…

『こちら葛飾区亀有公園前派出所(999)』秋本治 ☆☆☆★ 集英社ジャンプコミックス店頭で見た時は、何かの冗談かと思っていたが、企画を聞いて納得。 さすがに同時ではないものの、週刊連載は続けながらも、一年(数ヶ月?)を通じて、集英社の他のマンガ雑誌に…

『新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 Air/まごころを、君に』 ☆☆☆★これまた約20年ぶりに再見。期待していたものと違った印象だけ覚えていたが、内容をほとんど忘れていたことに驚く(^_^;) 要するに、最後の敵は使徒ではなく、同じ人間だった、という話。ネル…

新世紀エヴァンゲリオン Death

☆☆★観たのはレンタル開始数ヶ月後くらいたまから、20年ぶりくらい?? 『まどかマギカ劇場版 新編 叛逆の物語』の前に、テレビ版の総集編が公開されたのと同じ構図。もちろん『エヴァ』のほうが先だけど。 新作カットがあるのは普通だとして、特異なのは、ス…

樋口裕一『バカを使いこなす聞き方・話し方』を読むバカというと強烈だが、無難な言葉に言い換えれば「困った部下」あるいは「未だ発展途上の部下」という内容。 本書でいうバカとは、他のリーダー論的に翻訳するなら、つまり、「さまざまな個性・欠点のあ…

ピュア

小野美由紀 ☆☆☆☆ 早川書房読むまでは、てっきり小野不由美がSFを書いたのかとおもったが、別人だった。小野みゆきとも違うので、ややこしい(@_@) ひとことで言うと、百合ものと言って過言ではない、ジェンダーSFが多い。表題作を始め、『魚舟・獣舟』に非常…

サスペリア

☆☆☆★再見。赤をメインにし不穏な色彩と、80年代らしい(微笑ましい?)ゴア描写が印象的。サスペンス・ホラーとしてはいいのだろうが、ミステリとしてはアンフェアすれすれ、というかそもそもこのオチじゃ驚けないし(´Д`)

『プリディスティネーション』 ☆☆☆☆オーストラリア映画というのがちょっとだけ珍しい、タイムパトロールもの。 ヒロインは、ジョディ・フォスターに見えたけど、違ってた。オチは序盤から薄々予想できるのだが、それを超えてくる、「そこまでやるか?!」と…

『よこがお』 ☆☆☆★世間的には評価が高いみたいで、よく作り込まれているらしいが、私的にはもう一つピンとこなかった。 まず、ジャンルがよくわからない。純粋に、ミステリー小説でいう叙述トリックがメインでもなく、『三度目の殺人』のような多重解釈もの…

『ゴースト・オブ・マーズ』 ☆☆☆★いかにもC級以下っぽいタイトルだが、なんと原題のまま。それよりも、最初にクレジットで『ICE CUBE』と出るから、それが原題かと思ったくらい。なんとこれが人名。どうやら準主役の黒人ラッパーらしい。 ちなみに主役はナタ…

ゲット・アウト

☆☆☆★「大どんでん返し映画」として有名らしいので期待したが、ちょっと違うと思った。ちょっと良くできたサスペンスでしょ。 映画としては面白いと思うし、終盤にかけての裏返しも効いているのだが。大どんでん返し映画というのは、特に不自然なことに気がつ…

なぜ部下とうまくいかないのか

加藤洋平『なぜ部下とうまくいかないのか』を読む発達心理学の一分野である「成人発達理論」を会社の人材育成に適用するための本。まとめると、 「発達段階1 具体的思考段階 言葉を獲得したての子供に見られ、すべての成人は、この段階を超えている 発達段…

カインの子どもたち

浦賀和宏 ☆☆☆☆祖父が殺人罪で死刑囚として40年を過ごしている主人公と、同じく祖父が殺人を犯し、既に故人であるジャーナリスト。二人の女性が出会う時、過去の事件の真実を解き明かすべく、物語が動き始める。 まあ、ありがちな設定ではある。ちょっと違う…

ワンダーウーマン

☆☆☆★前作がイマイチに感じてたので劇場に行く気はなかったが、YouTubeの検索結果で絶賛が出てきたので、久しぶりに劇場に行くきっかけに。 アヴァンの運動会は、『ハリポタ』的なガジェットと、俊敏ではなく、とても大人に勝りそうには見えないダイアナが一…

ソウルステーション パンデミック

☆☆★どこかで予告は観たことがあったものの観る気はなかったが、ジャガモンド斎藤がオススメしてたので観てみた。 まずは、キャラが地味。『アキラ』『人狼』『マインドゲーム』くらい。演技も、少なくとも日本人が観る限りではアニメチックでも、ロトスコー…

『モデルグラフィックス2008年12月号』 ☆☆☆☆ 大日本絵画特集は「痛車」。それだけでなく、カーモデルを痛車として仕上げる方法を一から紹介している。零戦や戦闘機などから続く「A toZ」ハウツーシリーズの一つ。 中古で購入したが、これが今年出た「カーモ…

甲鉄城のカバネリ 劇場版

☆☆☆テレビ版を観た時には、「美樹本キャラが、まんま動いてる!」という驚きがあったのだが、今回改めて観てみると、なんか普通。劇場版に際して、美樹本風味も薄まっているのか? 特に女性キャラの演技のせいかもしれないが、どこか京アニっぽい印象。 翻…

屍人荘の殺人

☆☆☆☆ 創元推理文庫まずは、本の裏表紙にもないのは当然としても、映画の予告ですら、本作の大きな趣向(別にネタバレでもないと思うが、『カメラを止めるな!』のネタバレ問題と同じく、何故か誰もが口外厳禁とみなしている)をバラさずに本作を読めたこと…

ヒート

☆☆☆★前に観たのは20年くらい前? 当時は面白いとは思えなかった。特に、クライマックスはホテルの廊下や部屋での撃ち合いだったと記憶していたが、全然違った(^^;) しかし、銃演出がうまいマイケル・マン監督という宇多丸師匠の、発言を聞いたので、改めて…

マンガ はじめて社労士

ACT 999『マンガ はじめて社労士 労基・安衛法』を読む印象に残ったところ「試用期間を3か月、半年としている会社は多くありますが、(略)労基法てまは、あくまで14日が「解雇予告を必要としない試用期間」」「会社が決めた休日=所定休日 労基法で決まら…

日本幽霊画紀行 死者図像の物語と民俗

堤邦彦 ☆☆☆★ 三弥井書店「幽霊画を出すと雨が降る」 このへんは、微笑ましいほどの神道的な日本教っぽさを感じるところ。「かつて津軽地方では、亡くなった肉親の姿を幽霊画に写してお盆の折に掛けて弔う風習があった。イタコの口寄せにみるように、津軽の…