思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

前田建設ファンタジー営業部

☆☆☆★

ヤフーニュース(奇しくも本編のラストに出てくるネタ)で知ったが、鹿島建設だかどこだか忘れたが、実在のゼネコンが、『マジンガーZ』の格納庫を真面目に設計した。そんな実話を元にした『プロジェクトX』的な映画。
主役はマッヒーこと高杉だが、準主役をおぎやはぎの小木が勤めている。これだけでも、ある意味、真面目な作品じゃないよ、と言ってるようなもん。
実際、高杉と岸井ゆきの以外は、小木にしろ、他のメンバーにしろ、セリフがほとんど叫んでばかり。アニメか、島本和彦マンガかよ!? と言う乱暴な演出。『島本式』読んで出直してほしいよな(マニアックな『プラモ狂四郎』ネタ)(^^;)
オープニングは、ヒーロー映画みたいなエフェクトCG満載だが、そんな金があるなら、クライマックスのCGのクオリティアップに回して欲しかった。オープニングが過剰な時点で嫌な予感はしたんだよなぁ。
ストーリー、荒唐無稽で実現不可能だとみんなが思っている事を、一人また一人と回り巻き込んで実現させる、というありがちというか、定番の展開。
本作最大の残念ポイントは、なぜ実在の会社名をつかわなかったのか? と言うことにつきる。日立なんとかと言う関連会社が出てきたが、たぶんこの会社だけ実名??
そもそも『マジンガーZ』は実名(?)で、アニメ本編映像もそのまま流れるのに、片手落ちもいいとこ。ちなみに、作者の永井豪も、トイレで1カットだけかめお登場する(この作品、何故かトイレで他の部署の人と鉢合わせて事態が展開することが多い)。
あとは、脚本家的に、「予算(コスト)」と共に頻繁に口にされる単語として、「納期」があるが、どちらも抽象的で、逆に社会人(会社人)こそ、現実味のないセリフに聞こえるんじゃないかなあ。発注云々以前に、弓教授が、数十億円の金を持っているのか、と言う問題もあるし、工期にしても、原作では機械獣のケの字もない内に、マジンガーZも基地も完成してたんじゃない?
あと、原作の解読として、アニメのオープニングは、どう見てもプールの底は水平にスライド開閉しているのに、V字にこだわっているのが、終始「おかしいやん!?」という違和感が。後から、側面図が出てきて、そこでようやく底がV字である、と分かったのだが。少なくとも、高杉らは初見で、それを知らないはずなのだ。
作中でもそれらしいことを語られているが、これを観た子供たちが、土建業を目指してもらい、行政も、国土強靭化へ、建設国債をガンガン出してほしい。
というか、元ネタとしてマジンガーの格納庫を設計した会社が全面プロデュースして、実名で作らんかいっ!