思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2016-01-01から1年間の記事一覧

雑誌の宣伝では、1冊に内外のトップモデラーが揃うことはまずない、とあるが、要するに『アーマーモデリング』の記事の再録やん。ってことはその雑誌そのものが凄いだけで、本書単独の独自性ではない。 見たことがなかったのは、冒頭のBTー7だけだが、これ…

『ポケット戦艦マイティローザ』 ☆☆☆☆★再読。 『砲戦距離12000』と『銀河英雄伝説』を良い意味で合わせたような佳作。『ファイブスター物語』のファティマか『アルペジオ』のような美少女アンドロイドがラノベ風味を醸し出す。あとは『スターシップ・オ…

『電池が一番わかる』京極一樹 ☆☆☆ 技術評論社乾電池ごとの特色がわかる。 本書では図表だが、書き出しで、使用機器ごとに最適な電池を。 「カメラ、デジカメ ニッケル水素電池、リチウム電池、リチウムコイン電池 玩具 アルカリ乾電池、アルカリボタン電池 …

『整体入門』 ☆☆☆★『風邪の効用』が応用編なら、本書は最初に出た基本編。 いろんな人別の体操の方法が載っている。 基本として「背骨で呼吸する」というのがまずは取り入れたいところ。(要するに背骨を呼吸に合わせて伸ばすってことかな??)整体入門 (ち…

『逆説の日本史(22)』「各藩は新政府に忠誠を誓ってはいたが、法的根拠はあるわけではなく天皇の権威には逆らわない、というだけだ。しかも、各藩の内政には干渉できなかったし、そうする権限もなかった。 藩はあくまで「独立国」あるいは「自治区」であるか…

『ジンギスカン殺人事件』中津文彦 ☆☆☆いわゆる義経=ジンギスカン説に挑む歴史サスペンス。ミステリと言いたいところだが、伏線がないこと、リアルタイムの旅行記スタイルの記述ゆえに、一人称の主人公に語られる情報が省略され、それが真相を知る手がかり…

もうボケが始まった晩年のサッチャー元首相が、その人生をフラッシュバックする。 もう死んでいる夫が話し相手として登場するが、それが幻覚なのかアルツハイマー描写の一貫なのか、曖昧にしているなど、基本的には伝記映画というより、エンターテイメント寄…

『ゴッド・ガン』バリントン・J・ベイリー著/大森望&中村融訳 ☆☆☆★新訳が続くベイリー。本書は『シティ5からの脱出』に続く(とは言え40年ぶりくらい?)日本オリジナルの短編集だ。 本書は、前半こそ悪く言えばバカSF、良く言えばSFの醍醐味を味わえる…

『萌えよ!戦車学校(8)』 ☆☆☆☆第二次大戦もクライマックス。すなわちドイツと日本という二大帝国が衰滅する過程という事である。 中でもドイツは局地戦では戦場(というか対戦車戦)レベルでは最後まで鋭い戦果を出している。まさしくドイツの科学力は世界…

『人気アニメ・マンガのあり得ないミス衝撃編』 ☆☆☆★ 鉄人社いわゆる『VOW』系の本。それにしては、バリエーションも幅広いし、どれもちゃんと画像が載っているのでお得感がある。ボリューム的にも、テレビの二時間特番4つぶんくらいはあるかも。 「封印…

『神鳥』篠田節子 ☆☆☆☆地味な導入なのに、グイグイ読み進めさせる筆力はさすが。 中盤までは明治の女流画家・珠枝の名画をテーマにしたミステリーだが、鷹ノ巣に行ったところこから一気にホラーに。 広義のミステリーとしての白眉は、珠枝の朱鷺と牡丹の絵に…

朝廷の高官を暗殺するジェット・リー。そこから、彼を追う女剣士、西域での韃靼人に、どこから来たのか流浪の男女ペアなど、途中から『レイダース』か『ハムナプトラ』のような展開に。そんな盛りだくさんというか、詰め込みすぎな構成なので、2時間もある…

『宇宙人相場』 ☆☆☆★『サムライガール』の作者と同じく、右翼作家による、なんと金融ラノベ! 三橋貴明もびっくり。 短時間で何百万円も儲ける反面、その精神的ストレス、元手の重要性、税金と手数料、果てはロウソクチャートの読み方まで、株取引の基本もよ…

『紙の動物園』 ☆☆☆★幻想文学系かという先入観だったが、それ以外にもファンタジーあり、イーガンばりの本格SFあり、支那の古典調ありと、幅広い作風。 15作あるので、印象的なもののみ。『紙の動物園』☆☆☆ 広義のミステリーといえるファンタジー。中国移民…

『ピニェルの振り子』野尻抱介 ☆☆☆☆★ ソノラマ文庫文章の密度はラノベなのだが、SF小説としての構造は完璧。序盤、中盤の出来事、ガジェットが最後に収束していく構成が素晴らしい。極端に言えば無駄な要素がないのだ。 恒星間の航行技術や宇宙服については…

『Dの殺人事件、まことに恐ろしきは』 ☆☆☆★乱歩作品のパロディかオマージュか。元ネタとのずらし具合は『新本格もどき』に近い。 どの作品にもスマートフォンがコミュニケーションのツールとして登場するのが印象的。 『椅子?人間!』☆☆☆ これは『人間椅子…

『戦車模型の教科書 普及版』仲田裕之☆☆☆☆ 新紀元社田宮のティーガー、パンター、4号、そして東欧メーカーのKV1の作り方を紹介。普及版は安い上に、巻末に簡単フィニッシュ的な4ページがおまけがついているので、断然オススメ。 ティーガーは実質的に『大…

『告白』湊かなえ ☆☆☆☆映画しか見ていないが『ソロモンの偽証』や、『プリズム』のようだが、最後にはきっちり伏線と○○トリックが決まる。 解説にあるように、全編モノローグなので、書かれていることが100パーセント信用できない、というあたりに文学性…

『だから数字にダマされる 「若者の○○離れ」「昔はよかった」の9割はウソ』小林直樹 ☆☆★ 日経BP社『統計のウソ』なんかと違って、ルポ/エッセイ系のライターが書いたものなので、数学的な深みはない。 何者かのデマゴーグや、常識を覆すほどの意外性もない…

『二重生活』折原一&新津きよみ ☆☆☆☆叙述トリックがあるとバレていながら、なおかつ驚かせる。読者の斜め上をいく、というのあい変わらず凄いなぁ…。 だいたい、ある殺人事件のシーン、脅迫者のシーン、私立探偵局の浮気調査のシーン、調査を依頼した人物の…

『空母いぶき(5)』 ☆☆☆☆★ますます緊迫する戦場。奪還作戦は、露払いとして、航空優勢を確保するための空戦、艦対艦戦闘。 中国軍艦にミサイルを当てる事は簡単だが、敢えて主砲で狙撃(とは言わないのか)するなど、小さなドンデン返しも、ドラマとしても…

『歯と爪』 ☆☆☆★法廷のみのパートと、ある奇術師のパートが交互に進む。 袋綴じ返金保証というほどのネタも、少なくとも中町・折原後の日本では十分想定される範囲内である。 初読時はよく理解できなかったが、再読の今回は非常に読みやすかった。ちなみに、…

『銀河英雄伝説(4)』 ☆☆☆☆★3巻まででも十分だったが、さらに面白くなってきた。 トールハンマーの発射プロセスから、破壊力の表現。瞬間的に蒸発するのはアニメではお馴染みだが、離れたところにいる艦内で人が溶けるところとかは斬新だ。 傷ついた戦艦の…

『ロトさんの本(32)アニメ鑑賞術』氷川竜介 ☆☆☆☆『ロトさんの本(33)アニメ文章術』 ☆☆☆☆まずは同人誌なのに入荷・販売してくれてるジュンク堂堂島店、エライ!

『スケールモデルファン 帝国陸軍特集』 ☆☆☆★ 陸自特集でもそうだったが、1本目の初心者向けではどちらもフジミの1/72とか1/76なのは何故なのだろう??筆塗りなのはありがたいが。89式から4式まで、大雑把な流れを追っている。自走砲とか軽戦車など、マ…

『天使と悪魔』 ☆☆☆★ある人の、本作続編『インフェルノ』の評にあった表現を思い出したが、ローマの観光名所を周りながら、見立連続殺人事件てミステリーでもある、ヒットする舞台は整っている感じ。 赤茶色風に寄せたカラー調整、アップとロング、空撮、ア…

『テレビ局はなぜ「放送法」を守らないのか 民主主義の意味を問う』小川榮太郎+上念司 ☆☆☆★ KKベストセラーズなぜ最近のビジネス書のカバー(とラーメン店店主)の著者写真は腕組みしているのか?という全く本論とは無関係のネタは置いておくと、今となっ…

『戦車の戦う技術』 ☆☆☆☆★元自衛隊の戦車乗りが書いただけあって、演習場から模擬弾が跳弾して周辺に被害が出たとか、実感と運用のリアリティに溢れた好著。 秘蔵写真も多数。戦車回収車の存在感が大きいことは後者の代表例。70式戦車回収車とか11式戦車…

『戦艦大和3000人の仕事』文:青山智樹/マンガ:紗汐冴 ☆☆☆☆★『零戦の操縦』の姉妹編。大和をどんな人々が操縦していたのか、平時と戦時の双方から解説したもの。マンガと言っても、各章に数ページ単位のもの。ビジネス書についているものに近い。 乗員が30…

『成功学キャラ教授』 ☆☆☆★再読。良くも悪くも清涼院流水にしか書けない小説(大説)だろう。 作者のように数百とはいかないまでも、私いわゆるも成功本は数十冊は読んでいる者として、本作で紹介されている様々な成功法が、いろいろな本のエッセンスをピッ…