思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

細木数子 魔女の履歴書

溝口敦 ☆☆☆☆ 講談社「公然と売春が行われた地域を赤線というのに対し、非合法の私娼街を青線という」「刑務所には芸能人を呼ぶだけの予算がない。だから実際は暴力団が芸能人を派遣したと半ばわかっていても、表向きはボランティアとして慰問を受け入れる」…

ドライブ・マイ・カー

☆☆☆★アンババレンツというか、めんどくさい映画だ。 まず、タイトルが最悪。ダダサダサの極み。これは、強調してもしすぎることはないだろう。村上春樹(ちなみにこっちも好きじゃない)原作通りなのかもしれないが、最近はやりの二文字タイトルとか、映…

スターリングラード

 ☆☆☆★てっきりロシア映画かと思ったら、完全なハリウッド映画。どこか完全なのかと言うと、ロシア対ドイツの映画なのに、全員英語を喋ってるからね。 スターリングラード攻略戦の悲惨さは、冒頭の『プライベート・ライアン』か『1917』か、という揚陸…

アンテナ惑星

石原藤夫 ☆☆☆☆ 早川文庫JA『海神惑星』☆☆☆★ 遠未来SFなのに、部隊は地球、おまけに熱海から始まる。舞台が地球なのに、内容は、シリーズ同様に、謎の異星人の正体を探る。南の海の底に住む、マッド・サイエンティスト風の異星人(??)とのファースト・…

ザ・スーサイド・スクワッド

☆☆☆☆大好き。劇場で観たかったのだが、二週間前後で早々に終了してしまったのだ(´Д`) B級映画を、超大作映画並みの予算で作ったという意味では、『パシフィック・リム』にも通じる。説明をすっ飛ばして、なんとなく分からせる演出。特に大量に出てくるキ…

COSMOS ピンクショック

 ☆☆☆ジャケットイラストから、なんとなくエッチなアニメかと思ったら、お色気どころか、裸すら出てこない、実に健全なOVAであった。川井さんの、記念すべき劇伴担当第一作でもある。 内容は、「ジスイズ・ザ・80年代」としか言いようがない。『うる星やつ…

コンティニュー

 ☆☆☆☆ゲームものかな、と思いきや、まんま『オール・ユー・ニード・イズ・キル』の現代社会版。 映画冒頭から、主人公が朝起きた瞬間から、次々に殺人者が襲ってくる、ジェットコースター・ムービー。 なにしろ、始まった途端に主人公は文字通り息つく間…

狂武蔵

 ☆☆だいたいの内容は知っていたが、本作ほど、だいたいの内容を聞いて、実際に見てみたら、それ以上でも以下でもない、という映画もあまりないだろう(^^;) 宮本武蔵の、吉岡一門を全滅させるエピソードをノーカットで描く。もちろん、乱闘カットの前後は…

タイムマシン惑星

 ☆☆☆★短編シリーズだと思っていた「惑星シリーズ」に長編があったとは?! おまけに、舞台は『ブラックホール惑星』の再来?? 同作の長編化にして続編。『前哨』と『2001年』みたいな関係といえるかも。 タイムトラベルと、ブラックホール、ホワイトホー…

裏切りのサーカス

 ☆☆☆★今回は、YouTube「タイムマシン部」の解説が大いに参考になった。普通に見てると、メチャわかりづらいのだ。ただでさえややこしい上に、時系列まで行ったり来たりするもんだから。せめて主人公が知った順番か、普通に出来事が起こった順に編集してく…

空白

 ☆☆☆★予告は何度も見たが、そこには大きなミスディレクションがある。娘が万引きの結果、逃走中に交通事故で死亡した親役の古田新太のキャラクターだ。予告編では、ただの遺族にしか見えないように編集されていたが、本編では、傲岸不卒で、娘の死も、ど…

ブラックホール惑星

石原藤夫 ☆☆☆☆『ブラックホール惑星』☆☆☆☆ マイクロブラックホールのお茶漬けを食べると、麻薬のような症状が出るという。まるで創作落語のようなお話。本作では、ヒノとシオダのコンビに加え、アールというロボットがチームに加わる。これ、アシモフの「R…

ストラルドプラグ惑星

 石原藤夫 ☆☆☆★ 早川文庫JA書名は忘れてたけど、やっぱり既読感があるなぁ……。『システム化惑星』☆☆☆★ ロボット対バナナという戦争をやっている惑星。「惑星シリーズ」を代表する一作だろう。『コンピュータ惑星』☆☆☆★ 土星型惑星の正体。データの伝達…

スティング

 ☆☆☆★事前知識ほとんどなく観た。 まずは、オープニングに驚く。このテーマ曲、テレビを見たことがある人なら、誰もが一度は聴いたことがあるのではないだろうか。 逆に、『ファンタジア2000』の『ラプソディ・イン・ブルー』のような既成曲を(タランテ…

ゴヤ・マーダー

 ☆☆☆ゴヤの絵画(説明は省略(^^;))に見立てた連続殺人という、いかにも新本格的なネタのミステリー。しかも、版画に限る、というから、日本でいえば、北斎の『富嶽三十六景殺人事件』みたいな感じか。 主人公はパリの女刑事だが、(たふん結婚はしてなさ…

デブを捨てに

 平山夢明 ☆☆☆★本書の主人公たちは、どれも貧乏とか借金とか、最底辺の男たちであることが共通している。『いんちき小僧』☆☆☆★ 公園で殴られた後に出会ったのが、麻薬の売人がいなくなった後に、偽物を売って稼いでいる親子と出会う。実の親子でもない二人…

スティーラーズ

 ☆☆★とあるトンマが、質屋にショットガンを質入れしたところから始まる。おバカな2人が、知り合いのウチにマスクをして強盗に入ったが、正体がバレて、家ごと爆発する惨事に。 そこで再び、場面は質屋に戻り、別の新婚男が、指輪を質に入れに来る。 ってこ…

ハイウェイ惑星

 石原藤夫 ☆☆☆☆ 早川文庫JA徳間デュアル文庫版は、惑星シリーズのベスト版だと思っていたが、単なる本書の復刊だったかもしれない。『安定惑星』だけは記憶がなかったが、それ以外は大なり小なり覚えがあった。『ハイウェイ惑星』☆☆☆☆ 単に惑星に『エヴ…

真・救世主伝説 北斗の拳 トキ伝

 ☆☆★トキ絡みのエピソードのダイジェスト。テンポよく進めるのが好きな私だが、ここまで来るとやりすぎかな……。トキ視点だから、トキが生還した時に迎える役として、恋人を新キャラとして設定している。 声優の変更が致命的で、それだけで「負け」が確定…

憎いもの

 ☆☆☆伊福部御大の音楽は、日常系につけるには不穏過ぎるし、楽しい場面の曲が書けない人なので、田舎者の東京風俗見聞録的な本作には合わない……と思っていたら、終盤に至ってしっくり来た。 まあ、タイトルからして結末をネタバレさせてるんだけど。『自…

沙羅曼蛇3

 ☆☆3部作の完結編なのか、作画にも力が入っている。日高のり子も、ポニーテールにしたので、ナディア感がなくなって胸をなでおろす。 時系列的にも、ちゃんと『1』の続編で、しかも『2』のヒロインだった島本須美(敵の幹部的なキャラ)も出てくる。 本…

沙羅曼蛇(1)

 ☆☆★OVA。 異世界王朝設定いる? オーケストラ劇伴と、ゲーム音アレンジが合ってない。全部シンセ、ロックで良かったのでは? ホルストの『火星(惑星より)』とか、クラシックのオマージュ曲も。 ヒロインが完全に美樹本版ナディア(^^;) 『ナディア』の…

沙羅曼蛇2

 ☆★作中で何の説明もないのに、まさかの『1』の前日譚。ゲーム曲の流用もなくなった。こんな話、誰が望んでるの?? ゲストヒロインに、島本須美とか、声優も豪華なんだけど。 『1』で語られるだけだった、日高のり子(演じるキャラ)の、敵に支配されて…

チェイサー

☆☆☆ 韓国のサイコキラーもの。 主人公は、元警官だが、現在はデリヘル店のオーナーというおっさん。所属の女たちが、次々に消息を断つので、原因を調べていると、連続殺人鬼に行き当たる。 サイコな殺人鬼と、その躊躇ない暴力シーンが見どころだが、『オ…

多十郎殉愛記

 ☆高良健吾のアイドル映画やな……。 知らなかったけど、中島貞夫監督の時代劇ということでいちおうチェック。なんせ、「純愛(正確には殉愛)」だから、私が見るようなジャンルじゃないのだ。 ヒロインの多部未華子も、恋愛映画のヒロイン、という感じじゃ…

『ヤギより上、猿より下』

 平山夢明 ☆☆☆☆ 文春文庫平山夢明の小説って、広義のイヤミスか、ノワールに分類できると思うのだが、何故か読者を惹きつけるものがある。それは、文字通りクソみたいな場面に挟まれる、小説的な叙情性だったり、物語としてのトルクであったりするのだろ…

紅い牙(1)

狼に育てられた少女・二階堂蘭。実は人工的に作られ、超能力が使える。それを隠して、平凡な女子高生として暮らしていた彼女に、次々と闇の組織の魔の手が迫る。 強引というか、乱暴な展開は、テレビアニメの『サイボーグ009』みたいな雰囲気。

ビート・エックス(1)

車田正美 ☆☆★『聖闘士星矢』までは車田ファンで、当時も雑誌「少年エース」で連載しているのも知っていたが、どう見ても『聖闘士星矢』の二番煎じというか、本人による二匹目のドジョウ狙いだよぁ……。大学生でもあったので、食指は伸びなかった。まあ、考え…

ダイ・ハード

 ☆☆☆観てなかった有名映画シリーズ。若きブルース・ウィリスが、なんかメル・ギブソンみたいだった。 ひとことで言えば、「どこがそんなに(シリーズ化されたほど)面白いの?」という感じ。 冒頭から冗長だし。伏線があるわけでもなし、ウィリスか、はた…

プラモ迷宮物語(3)フラットレッドの巻

 ☆☆☆☆第三弾だが、載ってる内容は、良くも悪くも同じ。本書ならではの特徴は、第3章というか、おまけというか、いろんなラジコン戦車で遊ぶ、という章があること。この章は連鎖されていたのがラジコン専門誌なので、ディテールアップ改造とかは全然やらな…