2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧
「偽のデュー警部」ってミステリーがあったような気がするが、本作も要するに偽のウィリングが出てくる、という話。 例によって、他の作品とはまた違ったテイストなのが凄い。 とはいえ、一周回って、普通の本格ミステリなのだが…。 だが、それが逆に、クリ…
『逃げる幻』 ☆☆☆★今回も全く違う趣向。第二次大戦直後、休暇中の精神科医にしてアメリカ情報将校がイギリスのスコットランドで遭遇した奇妙な事件を描く。 発端が、飛行機中で出会った伯爵から、知り合いの息子がちょくちょく家出するのだが、という相談を…
『モデルグラフィックス 2017年8月号』 ☆☆☆☆★表紙にも書かれている(!)ように、バーザムで約四十ページの特集という、(良い意味で?)異常な号。 なにせ色々なメーカーやスケールがあるわけではない。バンダイの144プラモがたったひとつだけなのだ。 だが、…
『誰も僕を裁けない』 ☆☆☆★社会派エロミスを謳い、本編中でも社会派と本格の融合を宣言している。 エロについては、シリーズ探偵が娼婦というとんでもないシリーズなのだが、本作においてはそれだけではない。セックスとトリックが(文字通り?)密接に絡み合…
『ゲーム音楽大全 Revolution』 ☆☆☆★ 前著でファミコンソフト総解説以外の前置きはネタ切れだろうと思ったが、各種音源の解説や、ズンタタなどの作曲家インタビューなど、意外と、広く・深い方向にしっかり継続発展したのがちょっと凄い。 総解説コーナーで…
『ラッシュアワー3』 ☆☆パリを舞台に、ジャッキーの元同僚である真田広之や、その仲間で刺客の工藤夕貴など、『2』の中国人に変わって、日本人が敵役で登場。なぜパリが舞台なのにフランス人じゃないの…? ジャッキー・アクション的には、エッフェル塔らし…
『ガイア・ギア(5)』 ☆☆☆★いちおう、『Z』で言えばティターンズに当たるマハの将軍の乗る戦艦は撃沈したし、ウルのギッズ・ギースも落とした。 それでアフランシは、エヴァと二人で幸せに暮らしましたとさ…。 確かに、放射線被爆による出産障害の危惧はほの…
『ガイア・ギア(4)』 ☆☆☆☆女が裏切るという展開は、富野監督のライフワークなのか?『Z』以降のガンダムシリーズには繰り返し出てくる。 ヨーロッパでのゲリラ戦の描写は、『V』とも共通する。メカ的には、ギッズ・ギースがモーターヘッドっぽいのが気にな…
ガイア・ギア(3) ☆☆☆☆民間人から組織のトップという移行は、セシリーを連想させる。 大気圏突入前後の戦闘も、『Z』よりもハードまたはミリタリーSF的。 チンピラをメタトロンに加えるところは、『ZZ』を逆から見たようにも取れる。 メガファンとしての見…
『ガイア・ギア(2)』 ☆☆☆☆宇宙に上がり、いよいよシャア復活を企図したズィー・ジオンのメンバーと接触する。 いやしかし男のマスターベーションを堂々と書いたのは空前絶後じゃないのか?ただし、正々堂々と章題にするのみならず、物語的にも完全に意味のあ…
『ガイア・ギア(1)』 ☆☆☆☆再読。といってもほぼ三十年ぶりである。昭和63年初版なのだ。 現在の目で見ると、短いセンテンスを改行して行く文調は、ラノベというより夢枕漠みたい。 内容については大体覚えていたが、根本の「シャア復活計画」というものは、…
こんなブサイクな(リアルな?)女の子をよく主人公にしたなぁ…というのもあるが、本当の主人公は彼女を操る脳内の住人たち。 確かによくできているのは認めざるを得ない。ストーリーも、細かいアニメ的な楽しい動きも。後者は、さすがはディズニー。キャラ…
『アーマーモデリング 2017年07月号』 ☆☆☆☆★工具特集。数年前の基本工作いらい?工具を使えば、簡単かつ楽しく製作できる、というのは納得。ただ、ほとんどがガンプラ数個〜数十個ぶんの値段。一生ものとはいえ、高いなぁ…(´Д`) 特集のうちの半分が実質的…
『未来の回想』シギズムンド・クルジジャノフスキイ著/秋草俊一郎訳 ☆☆★ 松頼社20世紀初頭のロシア作家。ということはつまりロシア革命を挟んでいるということ。 しかもタイムマシンもの。とはいえ、タイムパラドックスとか、歴史改変ではない。円城塔の思…
『暗い鏡の中に』ヘレン・マクロイ著/駒月雅子訳 ☆☆☆☆3作めだが、1作ごとに全然違う内容なのが凄い。 本作は、序盤はどんな事件なのか分からないが、中盤で、島田荘司的本格ミステリーであることが分かる。以下ネタバレあり探偵役が犯人を突き止める伏線…
『FSSデザインズ(4)』 ☆☆☆★再読。 改めて読むと、ちょっとだけ評価が上がった。というより、永野ファンなら、興味深い発見があった、というべきだろう。 まず、改めて思い知らされる、ゴティックメードのデザインの凄まじさ。これは、単に見た目だけではなく…
『劇場霊』 ☆☆★出演の女優で知っているのは足立梨花くらい。主人公は顔を見たことある、というくらい。 いわゆる「呪いの人形」系のホラー。 小賢しく「小中理論」風の視点で見ると、人形視点があるのが如何なものかと思ったり。 肝腎の、というか『リング』…
『マイノリティ・リポート』 ☆☆☆★ 『サイコパス』を連想させた、犯罪予知によって犯罪がなくなった世界を描く。本作ではコンピュータではなく、予知能力を持つ人間を3人閉じ込めて、未来予知のビジョンんを映像化させる、と言う無理矢理な設定。ただし、そ…
『アーマーモデリング 2016年8月号』 ☆☆☆☆特集は「エアブラシで塗らなきゃダメですか?」。要するに、エアブラシを買わなくてもできる基本塗装法の紹介。筆塗りオンリーではなく、缶スプレーも混じる。 缶スプレーで捜査単色だけでなく、迷彩までできる綿マ…
『ピカデリーの殺人』 ☆☆☆★探偵役はシェリンガムではないが、『毒入りチョコレート事件』にも登場している、犯罪研究家のチタウィック氏。 彼がピカデリー(高級喫茶店?)で、とある老婦人の毒殺現場を目撃する、という面白い設定。上記の作品にも登場する…
『アーマーモデリング 2008年05月号』 ☆☆★単色塗装特集。イメージ通り、地味というか、ある意味レベルが高い。技術的ではなく、理論的に。 表紙になっている石井優二のフェルデナントは格好良いけど、デカールを貼ってる最中とかのハウツーも欲しかったとこ…
『アーマーモデリング 2009年1月号』 ☆☆☆★鳥山明の描く日本戦車が表紙になっている事に驚く。 しかし、氏が昔、タミヤ人形改造コンテストに応募したりしていたことを知っている人なら、なるほどと納得することだろう。四式軽戦車の作例も掲載(できは普通)。…
『風雲児たち(29)』 ☆☆☆☆ほぼまるまる池田屋襲撃。いわゆる新撰組のそれではない。薩摩藩の粛清/内輪もめである。 それまでの暗殺事件と同じく、史料に基づいて、細かく描いているため、非常に勉強になる(?)。だが一方で、こんなペースだと作者が生きて…
『時の娘』 ☆☆☆★歴史ミステリー史上の名作とされている作品。 確かに、最終的な結論と、その根拠は十分楽しめる。 導入が、リチャード三世の肖像画からの顔相占い的なところから入るのも面白い。 ただ、そこから本論に入るまでが長い、というか、あちこちの…
『エス』 ☆☆☆★ 『リング』シリーズの最新作。画像処理を仕事にする主人公は、USBメモリに入った画像を調べるよう頼まれる。そこに映っていたのは、男が部屋で自殺する画像だった。 いちおう3部作との関係も、あらすじと共に説明されるが、『仄暗い水の底か…