思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『独ソ戦のすべて』☆☆☆☆数年前までは『どくそせん』くらいしかなかったのに、数年前からムックが続けて出た『独ソ戦』関連本。中でも、本書はメカ関連の紹介と、全体の進行具合がバランスよくて、わかりやすい。 ただし、地図がそこまで多くないので、せっか…

『妖刀物語 花の吉原百人斬り』☆☆☆★片岡千恵蔵主演。顔に大きなあざのある捨て子が、関東の田舎の商家の大旦那になる。 商人仲間に連れられて吉原に行ったところ、どの遊女も大きなアザに恐れ慄いて逃げられる。これまた窓際族の遊女の一人には否定されなか…

『オースティン・パワーズ』☆☆よく聞くイギリスのコメディ映画。ちょっと観て、イギリス特有のコメディセンスと、ミュージカル、そして元ネタであるスパイ映画、どれにも関心がないので、最初の5分だけ観たら、後は全部早送り(´д`) 主役の人は、どう見ても…

『ナチュアル・ボーン・キラーズ』☆☆☆早送りせずにちゃんと観ても、観るに耐える編集なんだろうけど、映像が荒い(当時の空気を出すためと、テレビのブラウン管の感じと、合わさって)のと、テーマ的にも殺人の肯定みたいななので、早送り。 やってることは…

猫は逃げた

 ☆☆☆脚本はジョジョ(城定秀男)、監督は今泉力哉。邦画では実力派のタッグ作。 最初は離婚届から始まる。でもこれ、署名欄しか映らないから、これを見たことのない人には、何か分からないので、ダメな演出じゃないかなぁ。もちろん、後から、会話の文脈で…

スキップ・トレース

 ☆☆★ジャッキー映画。ジョニー・ノックスビルとコンビ。『ポリスストーリー』プラス『ラッシュアワー』という感じ。良くも悪くも、いつものジャッキー映画。まあ、ジャッキー映画というものじたいがプログラムピクチャーと言っても過言ではないだろう。 ア…

『あむんぜん』平山夢明 ☆☆☆★ 集英社『GangBang The Chimpanzee』☆☆☆ チンパンジーに暴行される主人公。現実と幻覚がシームレスに行ったりきたりするのは、奥泉光っぽいが、読みにくいよなぁ。『あむんぜん』☆☆☆☆ 完全にSFで、小林泰三の『玩具破壊者』みた…

ハケンアニメ 追記

 作中で『サバク』と連呼されるのが、終盤くらいまで、作中の誰かの過去作だとばかり思ってた。これ、主人公が現在監督しているテレビアニメ『サウンドバック』のことなんだよね。でも、これを略すなら『サンバク』とか『音バク』とかじゃない?? タイトル…

黒い家

貴志祐介 ☆☆☆☆ 角川ホラー文庫ホラー映画としては名の知れたものだが、未見。本作は、『呪怨』(こっちも未見だ(^^;))みたいに、とある家に幽霊的なモノがいる、という話だとばかり思っていた。 ところが、バリバリに地に足のついた、サスペンス/ミステ…

炎舞館の殺人

 月原渉 ☆☆★ 新潮文庫焼き物に偏執した男の、『魍魎の函』よろしく真四角の館。舞台は明治。 館の中に3つある陶芸窯の中や、館の中で連続殺人がおこる。中にいるのは、『探偵映画』よろしく消えた陶芸の師匠と、身体のどこかしらに欠落を持った弟子たち。…

『ハケンアニメ』☆☆☆★面白い要素は多いが、全体的にはブレーキになる(ひっかかる)要素も頻繁に出てきたので、イマイチ乗り切れなかった。 全体の設定も、展開も映画『バクマン。』と大体同じ。「お仕事もの」である。 アニメ業界を俯瞰する、という意味で…

アンリミテッド

 ☆☆☆★原題は『TRACER』で、邦題は作中のセリフから取っているので、まだましなほう。 パルクール映画で、代表的なのは(観たいけど未だに未見な)『ヤマカシ』だろう。それの印象が強すぎて、本作も舞台はニューヨークっぽいけど、なんかフランスに見えて…

透明人間 2020年版

 ☆☆☆評判が良かったので期待したが、悪い意味で予想を裏切られた。 映画館で観れば、高評価であっただろうと思うのだが、家で観るには向いてないかも。 画面が暗いし、いくらなんでも、どのシーンも間が長すぎる。これ、映画館で観れば正反対の評価になる…

ヒッチャー

☆☆☆★情報ゼロだったが、オーディオ・コメンタリー(ケーブルTV版)でいきなり観たので、楽しく勉強できた。 ストーリーは、『激突!』に近く、『アオラレ』と同じ。なんと言っても、主人公の日常とかは描かず、いきなりヒッチハイクで犯人を乗せるところか…

キル・チーム

☆☆☆実話を元にした話ということで、『アウトポスト』に近いが、内容は『閉ざされた森』的な雰囲気もある。 最初は、中東の某国に派遣されて米陸軍の部隊の若者の目線で、テロの実情を描く。少しでも実情を知る人ならご存知のように、善良そうな一般市民だ…

映画を早送りで見る人たち

☆☆★先にYouTubeでの鼎談を読んで、大いに興味を惹かれたが、内容から、「話題に出た以上の内容はないのでは?」という予感も大きく、結果的にその通りだった。 よく言えば洋書(の翻訳)に多い、取材した事例をてんこ盛りにしたスタイル。 色んな人に広義…

牙狼之介

 ☆☆☆★特撮シリーズ『牙狼』の元ネタ(タイトルだけパクリ?)として、そういう作品があったのはどこかで見知っていたが、映画を観たのは初めて。 まず驚いたのが、題名。主人公の名前なのだが、「がろうのすけ」という名前ではなく、フルネームで、「きば…

吼えろペンRRR

 ☆☆★中編というか、三作のうち、前後編もあるので、実質二篇。 最初は、「島本和彦」が経営するTSUTAYAが閉店するまでのエピソード。後半は、「お笑いマンガ道場」出演裏話。 そう、これ、キャラは炎尾燃だが、完全に作者である島本和彦そのものの話なのだ…

タンポポ

 ☆☆☆★ほぼ情報ゼロで観た。最初に驚いたのが、冒頭に、いきなり「第四の壁」を破って、登場人物が語りかけて来ること。おまけとして、彼が若き役所広司であることが後で分かって、二度驚くが、それは本作の演出意図とは全く違うはなし(^^;) 『お葬式』と…

劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き

 ☆☆☆★ネコを追ったドキュメンタリー。追ったと言っても飼い猫だが(^^;) 飼い猫と言ってもさすがに都会の室内ではない。 舞台は2つ。北海道の牛舎で飼われる十匹ばかりの猫。もうひとつは、ミャンマーだかどこか、東南アジアの水上村の、とある家で飼わ…

逆説の日本史(27) 韓国併合と大逆事件の謎

 井沢元彦 ☆☆☆☆ 小学館「本来「エンペラー」とはローマ帝国の支配者およびその後継者に与えられる称号であり、「皇帝」とは中国本土の統治者の称号である。これと神の子孫である日本の統治者を示す「天皇」という称号はまったく別物」「「銀行」は英語「BA…

『グレートメカニックG 2022年冬号』☆☆☆☆ 何度目かのMSV特集だが、今回も良かった。『Vガンダム』までのMSVを俯瞰する内容と、ファーストのMSVに深入りする、両面作戦。 ファーストのMSVでは、今まで黒子として、あまり語られることのなかった増尾隆之氏のイ…

映画大好きポンポさん

☆☆★評判だったので期待して観たのだが……。最初は「ふんふん、めちゃくちゃテンポ良くて面白いやん」と思ってたが、先に進むにつれてどんどん評価が右肩下がりに(^^;) 要するにこれ、子供向け(あるいは仕事に疲れたアニメオタク向け)映画なんだよ。オトナ…

マルサの女

☆☆☆てっきり主人公がマルサ(税務署)の職員かと思ったら、最初は市役所の税金担当らしい。税務署に配置換えになるのは、1時間ちかく経ってからだ(追記訂正 税務署から国税局。高橋洋一氏の動画が参考になった)。これ、前半はまるまるカットしてもいいん…

地獄門 追記

 乗馬で自分の能力を誇示したり、他人の女房を奪おうとしたり、酒の席で暴れたり、挙げ句の果てに、その女の親を人質にとって、当人を殺す手引きをさせるとか、武士って、やってることは、ヤクザと一緒だなぁ(^^;) と思った。最近ヤクザ関係の本を続けて読…

太秦ライムライト

☆☆☆☆時代劇好きなら「知らなきゃモグリ」と言える、「日本一の斬られ役」福本清三氏を主役にした(後にも先にもこれしかない)映画。 文字通りの日陰者、裏方に光を当てる、という意味でも、記念碑というか、日本映画界の歴史遺産である。 どうせならドキュ…

ヴァンパイア 最期の聖戦

☆☆☆ジョン・カーペンター監督。カーペンター節(劇伴)はあんまり感じなかったかな……。特殊メイクは「らしかった」けど。PG12は四肢が千切れたり血が出る描写のためか。全然グロくないけどね。 話としては、アメリカの田舎で、吸血鬼ハンターと吸血鬼たちが…

お茶漬けの味

☆☆☆小津安二郎監督。夫に嘘をついて女友達たちで旅行に行こうと画策する。ウーマンリブ的なフェミニズム映画? と思わせつつ、実は分かってました、という、冴えない男と思わせて男にも、芯があった、というオチ。タイトルからしてネタバレというか、「どう…

ハウルの動く城

☆☆★公開当時から観るつもりはなかったが、押井守が宮﨑ジブリ映画の中で唯一、部分的にせよ褒めていたので、「じゃあ観てやろう」というスタンス(^^;) 出てくる要素が、どれも前後の宮﨑映画で観たものばかり。もちろん、同じテーマを語り続ける映画監督…

レクリエイターズ ネイキッド(2)

☆☆☆☆☆いやー、久しぶりに面白かった。ラストはちょっと落涙しそうなくらい。クライマックスのツイストは、ちょっとずつ予想がついたのだけれど、そんなの関係ないくらい十分な内容。 この下巻は、アニメでもコミックスでも見たことない内容だったが、上巻と…