思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『QED 源氏の神霊』高田崇史 ☆☆☆★ 講談社ノベルス出版時期から見ても、明らかに『源平の怨霊』の落穂拾いとして書かれた感じ。 比較してみると、余計に現代の殺人事件と、それに介入する民間人、サイコパス的な探偵(タタル)の奇行が気になる。サイコなのは…

『雌猫たち』☆☆☆★ 『狐狼の血』の監督作品で、R15で3人の売春婦の話、と言うこと以外に情報がなくて観たのだが、後で調べたところによると、日活ロマンポルノの復活を企図したものであったらしい。私的にはロマンポルノなんて観たことがないし、そもそも…

『ワンスアポンアタイム・イン・ハリウッド』☆☆☆個人的には全然面白いとは思えなかったのだが、みんなが絶賛するので観てみた。 最初の30分くらいみて、『パルプ・フィクション』以上に地味だったので、早送り。ブルース・リーとの対決と、クライマックス…

9人の翻訳家

☆☆☆☆『ダヴィンチ・コード』か同じ作者の作品で実際にあったことから着想を得たらしい。 フランス発の世界的ベストセラー『デュダリス』の最新3巻の翻訳のため、9カ国語の翻訳家をフランスの某所に集め、外界との通信・連絡手段を経った厳戒・缶詰状態で…

視聴率ハンター

大下英治 ☆☆☆☆ 光文社カッパ・ノベルス古本屋でたまたま目にしたもの。以前テレビ視聴率がらみのミステリーを読んだ時は「ハズレ」だったのだが、本作は、まさにこういうのが知りたかった、というマスコミ業界の内幕がふんだんにえがかれた力作。 作者につい…

阪神ファンと仏のこころ

ひろさちや ☆☆☆★ 小学館文庫阪神が快進撃を続けていた200 2年に書き下ろし緊急出版(?)された本。そもそも、仏教学者として有名な著者な虎キチだったというのが意外だなぁ……。別に、書く機会がなかったから知らなかっただけで、身近に知る人には有名な話…

バットマン・リターンズ

☆☆☆★2、30年前に観たが特に印象に残るものがなかった。某所で本作の敵・ペンギン(半分はあなたが思った通りのもの(^^;))がいい味(悲哀)出してる、という評価があったので録画してみた。 ノーラン以降のバットマンを観た後だと、やはり低予算感すなわち…

『クワイエット・プレイス』☆☆☆ 各所の評判が良かったので期待していたのだが、期待外れ。 これ、C級か、下手すりゃZ級によくある設定の映画やん。 設定は省略するが、まず、SFとしては穴がありすぎ。『クローバーフィールド』と同じく(?)モンスター映画…

『よこがお』☆☆☆☆ 『淵に立つ』と同じ監督の次の作品だが、観たのはこちらが先。 同じく筒井順子が主演で、訪問介護ステーションのヘルパー役。 とある訪問先の家族の娘とは、宿題を教えるほどの信頼関係があったが、親戚の少年が彼女を誘拐したのを黙ってい…

『淵に立つ』☆☆☆★ 一年以内に観て、感想を書いた気がするのだが、見当たらないので、思い出せる範囲内で。 刑務所から出所してきた男が、小さな町工場にやってきて、働かせてほしいという。 どうやら刑務所に行ったのは、社長と人を殺した時に隠蔽工作をして…

『捨てがたき人々』☆☆☆★観はじめた時にはなぜ録画したのか忘れていたが、どうやら「ジョージ秋山原作」というところだったらしい(^_^;) とにかく序盤は地味だが、徐々に本性を著してくる。最初は平凡な日常ものに見えたら、突如変貌するあたりは『淵に立つ』…

『さらば人間<新・創命記>』田中光二 ☆☆☆★ 光文社カッパ・ノベルス近未来を舞台にしたSFミステリーなのだが、何しろ書かれたのが昭和52年(45年前!)なので、その時代の、10年後くらいのパラレルワールドを想定する必要があり、ややこしい。 テイストも…

デスノート短編集

大場つぐみ+小畑健 ☆☆☆☆★ 集英社ジャンプコミックス大ファンではあるが、いまさら感も正直否めなかった。でも、やはり面白い。絵の巧さも圧倒的だ。『Cキラ編』☆☆☆☆ ニアがチープ(cheap)なキラと喝破する通り、模倣犯だが、自分で生きる希望をなくした…

エヴェレスト 神々の山嶺

☆☆★川井さんが作曲した映画や、と思って録画したのだが、全然川井さんぽくない。おかしいな……と調べたら、川井さんが担当したのは『オーバー展開エヴェレスト』だった(^^;) 物語、予想通り通り、日本映画にありがちなダメダメ展開(´Д`) 登山技術は凄いが、…

『memo』☆☆☆普通名詞すぎて検索しづらいのだが、佐藤二朗監督・主演の映画。 自身が強迫性障害であった体験を元にしたストーリーらしい。 主人公の女子高生はメモ魔の強迫性障害で、何をやっていても、何かに書きたくなる。書く内容も、特に覚えている必要が…

『明貴美加MS少女アートワークス』明貴美加 ☆☆★ 角川書店買うつもりはなかったのだが、古本を立ち読みする機会があって購入を決めた。 カトキファントしては、文章情報に価値があったのだ。 まずはカトキ氏のまえがき。なぜ『センチネル』の共同デザイナーに…

連載終了!

『連載終了! 少年ジャンプ黄金期の舞台裏』巻来功士 ☆☆☆★ イースト・プレス巻来功士版『アオイホノオ』である。『ゴッドサイダー』は好きなマンガだったが、『メタルK』は本作で出てきて「あー! あったあった!」と思い出した。 逆に、その前の短編につい…

若松義人『「トヨタ流」自分を伸ばす仕事術』を読む印象に残ったところ「何回かやった中で一番短く時間こそが標準である(略)一番短い時間が一番楽なやり方だ(略)同じ作業をやっているにもかかわらず、一番短い時間ですむやり方に比べて時間がかかるのは…

探偵の探偵

松岡圭祐 ☆☆☆★ 講談社文庫なんだか妙なタイトルだが、カバーにある英語タイトルから分かる通り『detective versus detective s』。 最初は、フィクションではない、探偵の実像が描かれるのか、と思いきや、それは導入に過ぎない。 中盤以降は、リアリティは…

『争わない「生き方」 自分は自分 人は人』和田秀樹 ☆☆☆ 新潮社ワイド新書ひとことで言えば、マイペースの進め。 そのくせ、最後には「威圧的な態度の人にも、臆せず話し合って見よう」というのがかなりの飛躍があるのでついていけない。むしろ、その間をこ…

『ハウス・ジャック・ビルト』☆☆☆★「ビルトがハウスジャック」つまり強盗した話かと思ったら、原題は『the house that jack built』で、「ジャックが建てた家」だった。こんなテキトーな邦題はやめてほしいなぁ……(´д`) 簡単にいえばサイコキラーもの。神経質…

『GARO 薄墨桜』☆☆☆☆もう『GARO』はクオリティ的にも、新鮮味的にも、無理かな……と思っていたのだが、桂正和キャラデザのアニメ映画ということで、ビジュアル的には見られるものになっているかな、と一応チェック。 結論から言うと、ビジュアルは95点。ほ…

『こうすれば絶対良くなる! 日本経済』田原総一朗+藤井聡 ☆☆☆☆ アスコム藤井さんの主張自体は知っているのだが、ある意味では現在の日本の世論そのものと言っても過言ではない、田原さんを説得できるかどうかに関心があった。 読んでみると、田原さんが持…

『この愛は、異端 ベリアル文書』森山絵凪 ☆☆☆☆ 白泉社てっきり3巻までの本編の内容を、ベリアル側から描いたものかと思っていたが、高校の修学旅行を描いた、前日譚だった。 最初から描かれる修学旅行の物語の裏で、実はよしのを狙う日本の神々が迫ってい…

『英国王のスピーチ』☆☆☆吃音症のイギリス王ジョージが、それを克服するまでの、実話を基にした話。 最初はプライドが高いが、いろんな外部環境の変化でやがては心を開き、 最後には人前でスピーチできるようになる。 まあ、想像通りの話だ。 完全に流暢に、…

少林寺

☆☆☆☆久しぶりに再見。前に観たのは下手すると15年前かも。 大まかなストーリーは覚えていた。意外と、リンチェイの復讐と戒律の狭間での葛藤がちゃんと描かれていたことに驚く。 だが反面、支那的な「味のあるものは机以外なんでも食べる」というだけあり、…