思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ブレット・トレイン


☆☆☆☆

予告編は何度も観ていたが、あんまり面白そうに感じなかった。公開後は割と盛り上がっていたので、ちょっと期待したら、意外と面白かった。
スパイ・スリラーかも思いきや、『ジョン・ウィック』的な、暗殺屋がゴロゴロいるフィクション度の高い世界。中でも、私が想起したのは『マチェーテ・キルズ』。あれくらいバカバカしくて、血もバンバン出る。よくPG12にならなかったものだ(ケーブルテレビの番組タイトルにないだけで、実は指定されてるかも)。
ブラピも、こういうやさぐれた役をやらせたら、実に楽しそう。『12モンキーズ』とかね。
外人から見たインチキ日本も、本作に限っては、楽しく見られた。
東京オリンピックのキャラ車両があったり、幻となった夜行新幹線が実現していたり、意外と日本の鉄道マニアがスタッフにいたのかもしれない。日本人の書いた原作小説にあったのかもしれないけど。
そもそも、新幹線のカラーリングが架空の時点で、「この作品はフィクションです。現実の地名や組織とは関係ありません」と宣言しているのも同じやし。
いろんなものが、色んな人や場所を移り変わるのも、面白いところ。宮部みゆき的というか。
登場人物がなかなか死なない、特に黒人は『男塾』か車田正美マンガなみの不死身さ。
そう、本作はマンガやん!? という感じで何でも面白ければオッケーな人が楽しめる映画。
本作は、こと日本が舞台としては現実と違う点が多いことに許せるか許せないかがはっきり分かれている感じ。でも、作中では、日本だとも新幹線とも、ひとことも言ってなかったんじゃない??
本作が許せない人は、『ジョン・ウィック コンセクエンスト』や『ガールズ&パンツァー』も許せないんじゃないかな。
ちなみに、本作では、スターのカメオ出演が話題らしいが、全くそこは楽しめなかった。ただのモブにしか見えなかった(知っている人が出ているとは気づかなかった)。
可憐な少女が性悪、というのは日本のアニメなんかでもままある説明だが、本作の女優は、これまたら誰か知らんけど、全くダメだった。顔もCGみたいで、特に鼻は特殊メイク? というくらい不自然。
クライマックスのメチャクチャ具合もCGであることははっきり分かるものの、楽しかった。
ただし、欲を言えば、ジェット・リーみたいなアクションの達人に、車内を縦横無尽に使ったアクションをさせて欲しかった。アクションができないから、現実にない色んな物を無理矢理配置して、見た目だけ派手にしたようにしか思えないかな。

以下ネタバレ

時間軸があっちこっち前後するが、伏線回収のためと、背景説明が半々で、そこまで気にならなかった。ラストの車輌から落ちて轢かれたり、脱線事故も、「たまやー」という感じで脳天気で良い。
ブラピが最後まで積極的に殺しをしないのも、日本的(『仮面ライダー龍騎』の城戸とかね)で良かった。これは原作通りなのかな?