思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『さよならは明日の約束』 ☆☆☆★西澤作品らしく日常の謎にひたすら推論を重ねて行くタイプ。前書きなどで元ネタをバラしてしまうのも同様だが、本作ではとうとう作中に書かれるようになった。中には自作『解体諸因』まで(^_^;)

『エピローグ』円城塔 ☆☆☆★何なんだろう。面白いのか…?円城作品ならではの言語ゲームが、『屍者の帝国』での伊藤計画風味の世界観で綴られる。 飛浩隆作品には、奥に隠された何かがあるように思うが、円城作品には、何もない、単なる思いつき、言語の遊戯(…

昔、多分新刊で訳書が出版された時のラジオの番宣でキダ・タローが紹介していたのを思い出す。 内容については全く知識なしで見たのだが。アメリカの凄腕スナイパーが巻き込まれた謀略を描く。これまた見てないけど、『パトリオット・ゲーム』みたいな感じ?…

『機動戦士ガンダムUC(11)』 ☆☆☆★短編集とあるが、中編2つである。 『最後の戦争』☆☆☆ 福井晴敏らしい国際(宇宙世紀における)謀略もの。主要登場人物はダグザにアルベルトと、ダグザと、情報局の上官ロッシオ。シナンジュ・スタイン強奪事件を舞台にし…

『シェルブリット(2)』 ☆☆☆☆二巻になると、まさしく正統派ミリタリーSFという雰囲気である。戦争SFとしての描写は、特に訓練なんかが小説(富野)版『ガンダム』っぽい。意外とキャラの死亡率が高いのも同様。 特にSFっぽさを感じさせるのは、シェルブリ…

『宗像教授(6)』 ☆☆☆★伝奇ものは圧倒的な情報量の捌き方がポイントだと思うのだが、どうしても「薄い」んだよなあ…。 特に星野は絵が「薄い」ので、それ以上の設定やプロット、ガジェットがない作品は弱くなるんだよなあ…。『氷の微笑』☆☆☆★ 『雪女』や『…

『シェルブリット(1)』 ☆☆☆☆どこまで永野護が携わってるのかが非常に気になる。読み終えて考えるに、ビジュアルデザイン、設定、プロットまで(実質的に八割り方)が永野で、小説としての執筆が幾原だろうか? デザイン的には、ロボットとしてのシェルブ…

3、4回目で、ようやく楽しみ方が分かってきたかな…という感じがする。 圧倒的な1コマごとの情報量は、スピード感を表現している。 半分以上が電脳空間なので、リアルでの格闘シーンになると途端に読みやすくなる。 連載時は、本書の中盤のような手書きで…

『1』がショボショボだったので、期待していなかったが、これが面白かった。 舞台をヨーロッパに移したのも効果的で、リュック・ベッソン作品か、という感じで映画としてもヨーロッパテイストになった。 もちろんアクションは派手になり、特殊効果もより自…

完全版 『ガルム・ウォーズ』 ☆☆☆☆これまでの押井守作品の総体制。 『パトレイバー2』『攻殻機動隊』『イノセンス』『アヴァロン 灰色の貴婦人』『めざめの方舟』『真・女立喰師列伝 ケンタッキーのマキ』『スカイ・クロラ』『雷轟』などの押井守作品に加え…

『ガルム・ウォーズ』 ☆☆☆★これまでの押井守作品の総体制。 『攻殻機動隊』『イノセンス』『アヴァロン 灰色の貴婦人』『めざめの方舟』『真・女立喰師列伝 ケンタッキーのマキ』『スカイ・クロラ』『雷轟』などの押井守作品に加え、『新しき太陽の書』『デ…

『末期の水物兵器』 ☆☆☆★こがしゅうと最初の単行本。他の本とは違って、同人誌のみをまとめたものだが、二巻より読みやすい。マンガが多いからか? 文字情報は、専門書並みに詰め込んであるが、著者の独断と偏見(要するに偏愛)もそれ以上に詰め込まれてい…

『アラビアの夜の種族』 ☆☆★数年前に挫折した本に再挑戦。でも、やはり面白くなかった。 戦争(侵略)を止めるほどの魔力のある本の内容を語る、というもの。言わば究極の本(物語)である。とんでもない大風呂敷を広げたものだ。流水の『ジョーカー』や、海…

完全版 『白ゆき姫殺人事件』港かなえ ☆☆☆★宮部みゆき『理由』や恩田陸『木曜組曲』、『プリズム』『白光』などを連想。 取材の答えや手記など、一人称の断片のみで構成されているのが特徴。敢えてインタビュアーとの会話形式をとっていないことで、質問(さ…

『山陽電鉄・神戸電鉄・神戸市営地下鉄』☆☆☆★プチ鉄で元神鉄ユーザーとしては買わない訳にはいかない一冊。 小さめだが、全駅の写真と概説を書いたもの。昭和初期の写真や地図などが載っているのが特徴。駅の写真は昭和中期から平成のものが多い。 見開きで…

茂木久美子『人の五倍売る技術』を読む印象に残ったところ「私たちワゴン販売員の仕事も、値引きはもちろんできませんし、コンビニエンスストアやスーパーマーケットと比べても少し割高な価格設定になっています。これは確かに「物を売る」観点からすると、…

『銀河英雄伝説(1)』田中芳樹/藤崎竜 ☆☆☆☆★言わずとしれた和製スペースオペラの名作のコミカライズ。 面白いのは、キャラのみならずメカのデザインもアニメ版に準拠していること。だからこそ「小説が原作の漫画化」ではなく「コミカライズ」と書いたのだ…

『ザ・スターティングガイド・フォー・パンツァーモデラーズ』 ☆☆☆☆『ガルパン』仕様のドイツ戦車の?号戦車と38tのプラモの作り方を初心者向けに詳細に解説したもの。 小さいながらも細かい工程を追っているので、あたかもハウツービデオを見るような(好)…

『満州事変はなぜ起きたのか』筒井清忠 ☆☆★長沙暴動では共産軍の攻撃について紙幅を割いているものの、15年に出た割には、張作霖爆殺や満州事変の発端に共産党の謀略論があることに触れていないことから、本書のスタンスが分かるだろう。「国民党は排日運動…