思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2015-01-01から1年間の記事一覧

『おっぱいバレー』 ☆☆☆★これは、島本和彦の『逆境ナイン』と『無謀キャプテン』の関係に当たるのではないか。 映画『逆境ナイン』と『おっぱいバレー』はともに羽住英一郎監督作品だし、ロケ場所もかなり共通している。黒いユニフォームの強豪校との対決や…

『「坂本龍馬の暗号」殺人事件』 ☆☆☆★時代が昭和8年。暗号といってもほとんどが作者の創作。秦氏に出口和仁三郎に合気道に修験道など、思えば宝島社(^_^;) 胡散臭いことこの上ない。 いちおう、坂本龍馬暗殺の真相にオリジナリティと説得力があればめっけも…

『機龍警察 火宅』 ☆☆☆☆警察サイドだけでも登場人物のやたら多いシリーズだけに、スピンオフの主役には事欠かない。純然たる推理小説である『火宅』『雪娘』 ノワールたる『済度』 長編の原型になりうる要素が詰まった『焼相』『輪廻』『化生』 完全に長編『…

塚越寛『いい会社をつくりましょう』を読む純粋に経営論で、いわば政治・政略。知りたかった具体的な寒天を拡販した戦術についてはほとんど述べられていません。印象に残ったところ「企業が第一に考えるべきことは、働く人の幸福です。企業の目的は、社員を…

『冗談新撰組 増補改訂版』 ☆☆☆☆新録された『慶喜』『チャカポンくん』あとがき(インタビュー)だけでも、50ページくらいあり、このためだけにでも二千円を出す価値がある。 元本が好きな人も必携、ましてや持っていない人なら必読である。 ちなみに『風雲…

『機龍警察 未亡旅団』 ☆☆☆☆★ただでさえ面白いシリーズが、明らかにもう1ランクレベルアップした。 これまでの3作が龍騎兵パイロットたちそれぞれを主役にした紹介編だとしたら、本作では、それを前提として、脇を固め登場人物を複数同時に取り上げている…

ヴィシェフラト城攻略戦を描く。 破城槌から投石機、穴掘りまで、さまざまな方法が出てくるのが巧いところ。 城に潜入するも、攻略に失敗し、塔の1つに立てこもる入れ子構造の籠城状態というのも面白い。 今回も潜入部隊の子供が容赦なく射殺される場面や、…

『大東亜戦争とスターリンの謀略』こういう本が読みたかったのだ。「コミンテルン」で検索しても、アマゾン、図書館ともになかなかヒットせずにいて困っていたのだが。 本書は、スターリンのコミンテルンが、いかに日本のあちこちに浸透して、日本を共産革命…

『統計学が最強の学問である』 ☆☆★統計学の概論。わかりやすいが、直接ビジネスや家庭でテレビや新聞に接する時に役立つ感じではない。これを咀嚼して活用する必要がある。

『躯体上の翼』 ☆☆☆★山口優にシュライク、巨神兵、究極生物カーズ、『アド・バード』などなど似たようなガジェットはあるが、ちゃんとオリジナリティはある。 視点人物が次々に変わり、なおかつ一人称でもなく、キャラによっては簡単に退場するのも不親切。…

『「平和」という病』「池田(略)は、自衛隊を“国軍”として認知し社会的地位の向上を図ることに関し、戦後歴代首相の中で、最も積極的だった」「昭和43年(略)倉石忠雄農相が(略)現行憲法を批判し改憲論を唱えたことがあった。これが憲法の精神に反する…

ここまでやらないといけないの?(面倒くさいなあ〜)というのが読んだ感想だが、基本工作が徹底的に紹介されている。 著者であるモデラーのキャプション自体でも「ふだんはここまでやらない」と書いてあるくらいなので、初心者にはハードルが高いかも。まあ…

『世界一素朴な質問、宇宙一美しい答え』ジェンマ・エルウィン・ハリス編 ☆☆★小学生の素朴な疑問に、それに詳しく大人が答える(必ずしも専門の研究者ばかりではない)。 要するに、夏休みのNHKの子供相談室みたいなもの。 大人として面白かったのは、海の水…

アメリカの秘密結社ザ・スカルズ。大学でスカウトされた主人公がたどる皮肉な顛末を描く。フリーメソンとかがモデルなのか、アメリカ人なら分かるモデルがあるのか、まったくのフィクションなのか、アメリカ人の認識が気になるところ。 秘密結社を優先したた…

『浜村渚の計算ノート(6)』 ☆☆☆本筋はラノベのそれ。 それを流し読みして、数学の雑学部分だけを楽しむのも良いが、もっと詳しく説明してほしい。 別冊で解説編として参考書としての数学読み物を書いてくれないかなあ…。むしろそっちだけ読めば良いくらい…

『万物理論』 ☆☆☆★長い! 主人公と妻のうまくいかない問題とか、万物理論と関係ない未来社会の(枝葉末節的)ディテールとか、全部カットでしょ? と思うのだが…。 最後まで読むと、それらも必要なものであることが分かる。その意味では『エンディミオンの覚…

『スターウォーズ エピソード6』 ☆☆☆★改めて観ると、(『スターウォーズ』はSFか否か論争があるけど)やっぱり『スターウォーズ』はスペース・ファンタジー、あるいはおとぎ話なんだなあと実感。 『指輪物語』が徹底的に深さの点で真面目なファンタジー(神…

『かくも根深い「政治の劣化」を叱る!』 ☆☆☆☆倉山 「樋口恒晴『「一国平和主義」の錯覚』(略)現在は『「平和」という病』としてビジネス社より復刊)をお読みください。超がつくほどの名著です。」 上念 「なぜ池田内閣や岸内閣時代に(略)は旧軍の影響…

本間正人『適材適所の法則』を読む

『星のダンスを見においで』 ☆☆☆★ベタなラノベまたはアニメ的な内容ながら、それなりに楽しい。しかも二十年前の作品なのだ。

1000ページ。辞書か!?っての。 本題が始まるまで100ページもあるなど、老教授の脱線多数の講義、という感じ。脱線(日常生活や他の分野とも思えることの関連性)こそ学問の楽しさ、という意図もあるのだが。 「数学概論」ならぬ「数学大全」的な内…

『虚数の情緒』 ☆☆☆★ 『ミスト』 旧約聖書。ヨブ記。因果関係ではなく前後関係。実存的には。

『火星の人』 ☆☆☆☆★まさに火星探査版『アポロ13』である。 解説より 火星において 「マークが直面する問題のそれぞれは、彼の置かれた状況から当然そうなるものでなければならないーーあるいは、できれば、前の問題を解決した結果、意図しない形で発生した問…

『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』なんかテレビシリーズの1本で番外編的にやるようなエピソードだなあ…。典型的な夢オチ系だし。SFっぽいというか、『エヴァ』っぽいというか…。 キャラの顔がなんか縦長になってる?? メカアクション描写は及第点。特に序…

『零戦』堀越二郎+奥宮正武 ☆☆☆★ 学研M文庫原著は昭和27年(占領下?)。読み物というより、軍による設計指示書を多数掲載するなど、歴史研究論文といった方が適切か。最近の本では秦郁彦氏の本のような感じ。「内外人の認識不足の最大の要因は、わが陸海軍…

『伝説のプラモ屋 田宮模型をつくった人々』 ☆☆☆

大下英治『松下幸之助「仕事に役立つ」話』を読む印象に残ったところ「銀行から融資を受けたい場合、幸之助は一万円を借りたいと思ったらあえて二万円を借りるようにした。(略)このような考えにもとづいて資金繰りもしていたので、松下電器は、金繰りで困…

具体的な発言や記事、チラシなどを使って比較しているので、いかに彼がポピュリストかつデマゴーグを駆使して大衆を騙してきたのかが分かる。 いわゆる「大阪都構想」に関する発言の二転三転、前言撤回を振り返るだけでも、彼の勢力が信用に値しないことがわ…

『モノクローム・レクイエム』 ☆☆☆★小島正樹らしからぬ警察もの。その実態は、『殺人症候群』のような、妙なテイスト。最終章のみ島田荘司的新本格ミステリーになっている。逆に門前典之っぽいのがおかしい。 書き下ろしのくせに、短い各章をまたぐごとにテ…

『首なし男と踊る生首』門前典之 ☆☆☆★タイトルも内容も、小島正樹っぽいテイスト。いかにも新本格的(二階堂黎人?)なトリックだ。 同人誌みたいな表紙はいただけないなぁ…。