思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『イスラエル機甲戦』 ☆☆☆★ アルゴノート社

『ウォンテッド』☆☆☆★解説を見て録画予約したのだが、見始めてすぐ、「これ、映画館かテレビの予告編、見たことあるなぁ・・・」と思い出した。 リアリティを無視した、スタイリッシュなガン・アクション映画。カー・アクションでもあり、車で一回転するなん…

プリズナーズ

☆☆☆★ドゥニ・ヴェルヌーヴ監督作品。子供を誘拐される父親役の主演はヒュー・ジャックマン。刑事役ジェイク・ギレンホールはなんかあちこちに刺青があって、出てきた瞬間、こいつが真犯人? というくらい怪しいのだが、最後まで探偵であった(^^;) 原題も同…

『イノセンス』method 押井守演出ノート

☆☆☆☆ 角川書店映画『パトレイバー2』の膨大なレイアウトの意図を解説した名著『method』の、『イノセンス』版。 違いと言えば、最後にCG監督(?)によるいくつかの場面のメイキングが小さな画像つきでおまけ的に収録されていること。 もちろん、全映像作…

ラリー・フリント

☆☆★アメリカで、いわゆるヌードダンスホールや、ヌード雑誌を作り、風紀紊乱だと訴えられつつ、裁判で戦った男の実話を元にした映画。 テーマもそうだが、主人公が芸術家タイプでも哲学家タイプでもなく、はっきり言っていっちゃってるタイプなので、感情移…

代表取締役アイドル

小林泰三 ☆☆★ 文藝春秋売れない地下アイドルが、ひょんなことから大会社の社外取締役になり、ゴタゴタに巻き込まれる。 まあ、ラノベではありそうな設定で、『大日本サムライガール』なんかも連想させる。 SFでもミステリでもホラーでもないので小林泰三ら…

死霊のえじき

☆☆☆★ロメロの、いわゆるゾンビ三部作の2作目か3作目らしく、ゾンビが街に蔓延し、地下に追いやられた小さなコミュニティを描く。ディストピアあるいは世紀末SF的な設定と言える。 ゾンビを家畜みたいに捕らえて生態を実験・研究したりするのが面白いところ…

旧エヴァ 追記

何故か(もちろん「気持ち悪い」を強烈に視聴後に残すためだが)真ん中にあるエンドロールがめちゃくちゃ格好いい。映画史上最高では?? 『シン・エヴァ』を観たあとだと、内容はよく理解できる。クライマックスのシンジの決断の後にテレビシリーズのラス…

プレデター

☆☆☆☆映画としては『コマンドー』より断然真面目に作ってるし、金がかかってるし、良くできてるし、面白い。SFアクション。 冒頭にはベトナム戦争的な兵器が色々登場。特殊部隊の任務としてジャングルに潜入する。最初は現地の民兵? とのゲリラ戦。ときおり…

『エヴァンゲリオン 劇場版 Air/まごころを、君に』 ☆☆☆☆『シン・エヴァ』の後に改めて観ると、何が起こっているのか、実によく分かる。 また逆に、これだけだと絶対分からんように説明を省いている、ということも分かる(^_^;) ただ、事象的な説明・理解だ…

シン・エヴァ

モロにネタバレなのでご注意! ☆☆☆☆★一通りの伏線は怪獣されており、なおかつ前向きに終わっている。本来はこれ、テレビシリーズの最終回でやっておくべき内容でしょ? シンジが旧劇場版以上にどん底になるのは、その後、より感情を上げる為の反動として必要…

バナッハ・タルスキの逆説

『バナッハ・タルスキの逆説 豆と太陽は同じ大きさ?』レナード・M・ワプナー著/佐藤かおり+佐藤宏樹訳 ☆☆☆ 青土社バナッハ・タルスキの逆説とは、数学的論理からすると、球のコピーも拡大も可能である、というSFのようなことが真実である、というもの。名…

死んでもいい

櫛木理宇 ☆☆☆★ 早川文庫J A『死んでもいい』☆☆☆★ 暴力を伴う学生のいじめが読む気力を失わせる。そのへんは斜め読みしてでも読み進めると、意外な真相がオチとなる。ただし、その理由についてははっきり書かれていないので、ミステリーとしてはともかく、純…

エヴァンゲリオン新劇場版 破

☆☆☆☆まず、『序』に比べてキャラの目が小さくなったなぁ。 とりあえず使徒とのバトルが5、6回あるので、それだけでもサービスサービスぅ! 人間ドラマは、やっぱり80年代っぽいセリフや、ある種エヴァっぽい言動(逆にゲンドウらしくない墓参りとか)な…

ハンソロ

☆☆☆★酷評というか、スターウォーズマニアには、なかったことにされている感じもある本作。私も制作発表の時点で「えー?!(´Д`)」という印象で、見に行かなかったのだが、テレビだとタダで観られるのなら、と観てみた。 前半は言うほど悪くないやん? とい…

エヴァンゲリオン新劇場版Q

☆☆☆★シンへの復習。純粋に面白かったのはヴンダーが飛び去るまで。 そこからは、ロボアニメ的に見ても、ごちゃごちゃしすぎで、カタルシスがない。 劇伴は、当時は「また自分の過去作品から転用してるなぁ(´д`)」と思っていたのだが、現在考えてみると、「…

Fukushima 50

☆☆☆言わずと知れた、東日本大震災での福島原電の事故収束に紛争した職員たちの奮闘いや、文字通り死闘を描いた門田隆将氏のノンフィクションを原作にした方角。 良くも悪くもテレビだったかの青山繁晴氏の解説や、ネットの『虎ノ門ニュース』とかで門田氏ほ…

映画すみっこぐらし 飛び出す絵本のひみつ

☆☆☆★ちまたでは「子供向けだと舐めてたら、号泣?!」という評判だったが……。 基本的には癒し系のキャラがふんわり緊張感のない大冒険を繰り広げる。映画版『ドラえもん』から、ドラえもんを抜いて、のび太、しずかちゃん、ドラミちゃんだけで異世界の問題…

人生の迷いが消える アドラー心理学のススメ

向後千春『人生の迷いが消える アドラー心理学のススメ』を読む印象に残ったところ「「私の性格が私を支配している」や「私の今の気分が私を支配している」(略)感情や気分や性格が「私全体」を決めているという考え方が「所有の心理学」です。 しかし、ア…

『シェイプ・オブ・ウォーター』 ☆☆☆これがアカデミー賞??(´д`) どうせ聾唖のおばさんに、動物愛護や奴隷のモチーフとして半魚人を捉えた左翼アカデミー会員がたくさんいた、というだけでしょ? 真面目なところでは、半魚人の知能と現地(?)での生態がよ…

新エヴァンゲリオン劇場版 序

☆☆☆☆完結編に備えて復習。私的には、年を経る(歳をとる)と共に、ストーリーや人間ドラマへの興味・関心・感情移入度がどんどん減って行くなぁ……。 改めて観ると、全カットについてレイアウトの格好良さには惚れ惚れする。建築・メカのデザインと見せ方も…

呪い殺しの村

小島正樹 ☆☆☆★ 双葉社名探偵・海老原シリーズ。横溝正史的な因習ある村で、ご丁寧に千里眼、予知、呪殺という3点セットが。おまけに東北から遠く離れた東京では自殺偽装事件、警視庁管理官が目撃証人という、瞬間移動&密室殺人。370ページにしちは、なん…

キャリー

☆☆☆スティーブン・キング原作。 冴えない女子高生のキャリーは、高校生になっての初潮を(クラスメイトに)バカにされたのきっかけに、念動力を身につける。 それには、『ミスト』に出てきたような狂信的かつサイコな母親の影響もありったのかも。 車で会場…

新世紀エヴァンゲリオン

『ニュータイプ100%コレクション 新世紀エヴァンゲリオン』 ☆☆☆★ 角川書店テレビ版のムック。当時、買ったような気がしていたが、未読だったみたい。 このムックの特色として、雑誌のイラストが4分の1くらい。まとめて見ると、貞本義行氏のイラストがほと…

アドラーに学ぶ部下育成の心理学

小倉広『アドラーに学ぶ部下育成の心理学』を読む印象に残ったところ「仮に、よくないプロセスから良好な結果が生まれたとしたら、それは単にラッキーだっただけのこと。再現性は低いでしょう。つまり、人材育成とはよいプロセスを育てることです。」「「教…

アルゴ

☆☆☆★80年代の、イラクでのアメリカ大使館員の救出極秘ミッション。その顛末を描いたもの。とうぜん、実話を元にした映画。 映像も、テレビ映像から入って、当時の映画っぽい、荒い画像になっている。 内容は、あちこちであらすじを聞いていた以上のことはな…

SFドラマ殺人事件

辻真先 ☆☆☆★ 朝日ソノラマ文庫再読。すっかり内容忘れてたなぁ……。 たしかに半世紀くらい前のテレビスタジオの話なので、古いが、ライト/ジュニアミステリーとしては、現在でも十分鑑賞に耐える佳作である。 作者の初期ミステリーの代名詞ともいえるメタ趣…

賭ケグルイ14

☆☆☆☆12×2の部屋に割り当てられた、アップルウォッチに表示してされたランダムな数字を比べるギャンブル。数日を譲渡することもできる。これまで以上に『カイジ』とか『ライアーゲーム』みたいなゲームである。 ラストで夢子が勝つのは、運だけなので、ちょ…

アイスワールド

ハル・クレメント著/小隅黎 ☆☆☆★ ハヤカワ・SF・シリーズいわゆる銀背である。昭和46年出版。文庫には収められていないので。 特異な設定が特徴のハル・クレメントだから、てっきり気温の低い惑星の冒険なのかと思ったら、さにあらず。 ちなみに、背表紙の…

警察の階級

古野まほろ ☆☆☆★警察の階級の解説書。一冊まるまる使ったガイドブックというのは、ありそうでなかったかも。 昇進の資格や、構成など、一般人向けというより、作家向けかな? 階級別に、最も有名なのは? などという砕けたトピックも面白い。ちなみに巡査長…