思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

懺悔 松岡真知子の秘密

☆☆

時東ぁみっぽい感じの音楽の先生と、その姉の話。ピンク映画。
城定秀男監督なのでちょっと期待した。同居する足の不自由な姉に、家政婦のように精神的に支配されているのを除けば、生徒とのいけない恋愛もので、学校でセックスしてしまう、よくある話
……かと思わせて、ポツポツと、キラリと光るセリフがあるのは、さすが城定秀男作品。
タイトルは、(序盤で明かされるのでネタバレではないと思うが)姉の足が不自由なのは、姉の恋人と家でセックスしているのを目撃され、そのまま窓から飛び降りた結果。はっきり言ってバカな姉だが、姉の恋人を寝取ったのと、大怪我をしたので、それが負い目になって、姉の言いなりになっている。
反面、夜な夜なエッチなビデオを見たり、音楽室でタバコを吸っていたり、そこから生徒たちの様子を神の視点で観ていたりと、一味違う作家性を感じさせる。
全般的には、低予算かつ凡庸なのだが、キラリと光る個性があり、知らないで見たら、ゾクっとさせられるだろう。私のように、それを目当てで見るほどでもないが。

以下ネタバレ

見るべきところは、主人公である妹を精神的に支配する姉が、彼女をいたぶるセリフの数々。その白眉は、自分がテレクラで誘い出した男と妹を、部屋の、自分の目の前で騎乗位させるシーン。その間も(脅迫かいじめという意味の)言葉責めで、最後には下にいる男の服に嘔吐してしまうのだ。
後は、音楽室の窓から、校庭で放課後に遊んでいる生徒たちの上に吸い殻を落とそうとするあたり。ちょっとした出来心、いたずら心、魔が差したなどの多重の意味を感じさせる。もちろん、主人公が、単なる純粋な被害者ではなく、ある種の反骨というか、不良気質がある表現でもある。