思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

バナッハ・タルスキの逆説

『バナッハ・タルスキの逆説 豆と太陽は同じ大きさ?』レナード・M・ワプナー著/佐藤かおり+佐藤宏樹訳
☆☆☆
青土社

バナッハ・タルスキの逆説とは、数学的論理からすると、球のコピーも拡大も可能である、というSFのようなことが真実である、というもの。名前は2人の数学者からとられており、バナッハ&タルスキとするのが妥当だと思う。
これは、文系的に説明するなら、いわゆる「無限ホテル」の理屈を用いて、原型から取り出した(数学的には、移動した)パーツの欠損部分を無限大のかなたから引っ張って(スライドさせて)くる、というものだ。
拡大・縮小についても、線分の集合論的密度は範囲を変えても変わらない、という理屈から可能だとする。
まあ、常識的・現実的には詭弁以外の何者でもないが(^^;)、そもそも純粋数学とはそういうもので、論理的に矛盾がなければ良いのだ。