思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

アドラーに学ぶ部下育成の心理学

小倉広『アドラーに学ぶ部下育成の心理学』を読む

印象に残ったところ

「仮に、よくないプロセスから良好な結果が生まれたとしたら、それは単にラッキーだっただけのこと。再現性は低いでしょう。つまり、人材育成とはよいプロセスを育てることです。」

「「教えない」部下育成の基本形は、What(何を)は一緒に設定するものの、how(どのように)は部下に委ねる(略)そしてホワイトスペース(余白)を作り出すのです。ホワイトスペースがあると、部下はそれを埋めようと考えます。そして自発的に行動を起こし始めます。」

「「どうしたいの?」という質問は、「部下の意思」を確認する質問です。部下は(略)自らの頭を使うと同時に(略)自主性や責任感を高めるのです。
 一方、「どうすべきだと思う?」と問われた部下は瞬間的に「正解探し」を行います。(略)部下自主性や責任感とは対極的にある「依存」や「責任逃れ」モードに移行します。(略)「どうすべきだと思う?」というおうむ返しをしてはいけません。「あなたはどうしたいの?」と意思を問うてください。」

「自然の結末を体験させるのであれば、絶対に嫌みや小言を言わないことです。(略)ごく自然に振る舞いましょう。(略)その時初めて(略)自らの責任を自覚することになります。
嫌みを言われた部下は、反省せずに怒りの矛先を上司に向けるでしょう。いわゆる「逆ギレ」です。」

「関連のない結末も「罰」になる(略)論理的結末を体験させる場合、その結末は合理的である必要があります。(略)結末の設定は合理性を重視し、部下が納得できるものにしなくてはいけません。」

「「その課題の結末を引き受けるのは誰か?」と自問することで、他人の課題に土足で踏み込むことが減るでしょう。そして人間関係を壊さずに適切な距離感で人と接することができるようになるのです。」

「もし、あなたが熟慮の末に部下に仕事を依頼したのであれば、部下の機嫌がよかろうが悪かろうが、気にする必要はありません。部下の機嫌が悪いことに責任を感じてはいけません。仕事を割り当てられた部下が、どのような感情を持つかは部下の課題です。あなたの課題ではありません。(略)上司は部下の感情に対して責任を負ってはいけないのです。」