思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

エヴァンゲリオン新劇場版 破

☆☆☆☆

まず、『序』に比べてキャラの目が小さくなったなぁ。
とりあえず使徒とのバトルが5、6回あるので、それだけでもサービスサービスぅ!
人間ドラマは、やっぱり80年代っぽいセリフや、ある種エヴァっぽい言動(逆にゲンドウらしくない墓参りとか)など、やっぱり乗れない。シンジ、レイ、アスカの主要三人ともにバックボーンが描かれていないので、全く言動に理由がわからず、感情移入できないのだ。真面目なところ、テレビシリーズであったアスカの過去のエピソードが全消去されてたのは物語として致命的では?
この新映画シリーズは、群像劇というには、主要キャラにエキセントリックな人物しかいないのだ。あとは内面を見せないゲンドウと冬月。ミサトがいちばんまともなくらい。
テレビシリーズを含めて何度も見ていたのに、今回初めて気づいたのが、衛星爆弾使徒の落下阻止作戦。わざわざ宇宙から落ちて来たくせに、エヴァが受け止めた時に落下速度がほぼゼロにしか見えないのだ。これ、SFとしては致命的なウソでは? まともに考えたら、受け止めたとしても、第三新東京が壊滅するくらいの衝撃波が発生するでしょ。

映画的には、キャラの心情をぜーんぶオン台詞で喋るのが、説明的すぎ、あるいはそれ以外の方法で伝えられない、演出の下手さ??
悪く解釈すれば、『エヴァ』はテレビ版の時代から、視聴者に内容あるいは制作者の意図を伝えられない、という意味でダメダメなのかも。

劇伴も、全然ノレなかった。合唱曲をコントラプンクト的に使う演出法自体は知っているが、それ以外の部分でも、もっと正攻法で、良い劇伴ができたんじゃないか。川井さんとかに頼めば、数倍良くなるのになぁ・・・。