思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

透明人間 2020年版


☆☆☆

評判が良かったので期待したが、悪い意味で予想を裏切られた。
映画館で観れば、高評価であっただろうと思うのだが、家で観るには向いてないかも。
画面が暗いし、いくらなんでも、どのシーンも間が長すぎる。これ、映画館で観れば正反対の評価になる要素なんだよね。本作は完全にホラーだから。
主人公は、ちょいぽっちゃりで、個人的には、あまり好感が持てなかったし。単なる好みだけど(^^;)

以下ネタバレ

評判から、低予算映画でもあり、てっきり透明人間はまったく映さずに、主人公の妄想なのかも? と観終わっても決定できない、サスペンス/ミステリーだろうと思ってたのだ。それが、中盤くらいで明らかに非現実的な事が起きる。後半では、透明人間ものではお約束の、液体をかけたりして、作中では実在することが分かる。そこからは、普通のホラー映画だ。ホラー映画の後半はアクション映画になる、というセオリー通りの展開。言ってしまえば『プレデター』と同じだ。主人公が精神病院に入れられる事と、その後の展開は『ターミネーター2』と一緒だし。
今回の透明化理論は、『インビジブル』のような化学薬品ではなく、光学迷彩スーツ。それはSFとして受け入れるとしても、ペンキをかけられたのに、すぐに水で完全に洗い落とせたり、ちょっとご都合主義。全身にカメラがついてるようなスーツで、デザインじたいは面白いけど、科学的には現実的からの飛躍が多い。
後半の、レストランで、座ってた相手の首を切るのは『ヘレディタリー』みたいで、唯一、素直に驚いて楽しかったシーン。ナイフが真横に動くのも、透明な人間が持たせたのではなく、いかにもワイヤーで吊ってます、的なアナログ映画っぽいのも笑える。