思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

炎舞館の殺人


月原渉
☆☆★
新潮文庫

焼き物に偏執した男の、『魍魎の函』よろしく真四角の館。舞台は明治。
館の中に3つある陶芸窯の中や、館の中で連続殺人がおこる。中にいるのは、『探偵映画』よろしく消えた陶芸の師匠と、身体のどこかしらに欠落を持った弟子たち。『フリークス』みたいなシチュエーションだ。そこへ、異国の五体満足の女がやって来る。

以下ネタバレ

さすがに、断章のふたつめで犯人の名前が出てきたので、間に受けることはしなかったけど、私の予想とは違ったなぁ……。昔ながらの文庫の厚み(200ページないくらい)なので、新本格ミステリーとしてはあっさりだろうなと、あまり期待はしてなかったけど。特に3、4人殺されるなら、新本格なら死者数かける100ページでも普通。
私の予想は、障害のない異国人女と見えた「しずか」は、男性器が切除されていたので、男も殺人、解体できたんだと思ったんだけど(^^;)
いくら窯で焼くにしろ、バラバラにした死体をくっつけて気づかれないのはおかしくないか??