思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

猫は逃げた


☆☆☆

脚本はジョジョ(城定秀男)、監督は今泉力哉。邦画では実力派のタッグ作。
最初は離婚届から始まる。でもこれ、署名欄しか映らないから、これを見たことのない人には、何か分からないので、ダメな演出じゃないかなぁ。もちろん、後から、会話の文脈で分かるようにはなっているのだが。
二人の署名まではするのだが、そこではたと飼い猫の親権(?)というか、どちらが引き取るかで揉めて、ペンディングとなる。
悪くはないが、良くも悪くもありがちな三角関係ものの1つ、という感じ。三角関係ではなく四角関係、というのも、(ネタバレしてしまうが)最後には浮気相手同士がくっついて、最初の恋人(夫婦)が元の鞘に戻る、というのも定番といえるだろう。あ、そもそも恋愛映画に意外性を求めるのが間違ってるのか(^_^;) プロットじゃなくてディテールや心情描写を堪能するジャンルだよなぁ。
あとは、夫婦ものでは、子供の親権をめぐって争いになるのだが、本作では完全に猫がそれの象徴として代わりに存在する。
夫の浮気相手が猫を誘拐して何処か行ったことにして、離婚の後押しを企む、というのも子供を誘拐すると社会生活を営めなくなるので、そういう意味ではズルいプロットといえる。
中盤あたり、妻の浮気が描かれ、続いて夫の浮気が描かれたあと、夫婦と猫を拾ったなれそめが同時に描かれる回想シーンが入るのだが、妻のほうは髪型もメイクも変えていて、どう見ても(よほど妻役の女優に馴染みのある人以外は)夫のほうは二股浮気をしているクソ野郎? と誤解させる演出がなされているのだが、これ意味ある?? 回想を入れるにしても、同じ髪型でいいやん。
なお、これまた中盤で夫と浮気相手(職場の後輩女子)とある映画を見に行くのだが、その監督をおぎやはぎ・・・じゃなかったなすなかにし・・・じゃなかったオズワルドの片方がやっているのだが、実に胡散臭い雰囲気満点で、良かった。まあほとんどコントなのだが。
役者の演技は☆☆☆☆で良かったが、恋愛映画は好きじゃないので、1つ減らした、という感じ。
細かいところだが、タイトルを画面の半分サイスにして、しかも画面左の中央に出す、というのは最近の邦画のトレンドなのかなぁ。いい加減見飽きたけど(´д`)