思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

逆説の日本史(27) 韓国併合と大逆事件の謎


井沢元彦
☆☆☆☆
小学館

「本来「エンペラー」とはローマ帝国の支配者およびその後継者に与えられる称号であり、「皇帝」とは中国本土の統治者の称号である。これと神の子孫である日本の統治者を示す「天皇」という称号はまったく別物」

「「銀行」は英語「BANK」の訳語ですでに香港などで使われていたから、中国語というべき(略)中国はずっと事実上の銀本位制だったから「銀」行なのである。日本は「金行」にすべきだという議論もあったようだが、「語呂が悪い」という理由で沙汰止みになった。」

「イギリスは植民地の民を差別していた。しかし、差別ということは逆に言えば「慣習には干渉しない」、言葉は悪いが「放し飼いにする」ということで、このほうがじつは反感を買わないのである。」

「伊藤は(略)軍隊に関する首相の権限を強化し文民統制ができるように憲法改正を考えていた(略)だから伊藤が暗殺されなければ、ひょっとして軍隊が暴走しやすくなるという憲法の不備は改正されていたかもしれない。」

「「ハングル」は、支配階級から徹底的に敵視され蔑視された(略)これを制定すること自体にも官僚から「漢字以外に文字など無い」という理由で大反対があり、やむなく名君世宗はこれを訓民正音(つまり文字では無く発音記号)と呼ばざるを得なかった」