思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

タンポポ


☆☆☆★

ほぼ情報ゼロで観た。最初に驚いたのが、冒頭に、いきなり「第四の壁」を破って、登場人物が語りかけて来ること。おまけとして、彼が若き役所広司であることが後で分かって、二度驚くが、それは本作の演出意図とは全く違うはなし(^^;)
『お葬式』とか『マルサの女』から、伊丹十三というと、固い映画のイメージがあったけど、本作は完全にコメディ映画なのだ。
タイトルのタンポポが、ヒロインの名前であることも衝撃だった。作中で名前を聞いた人が誰も驚かない。まあ、ダブル主人公である山崎努のほうもゴンだとか、へんな名前だから、映画における「仮名」なのだろう。
本筋は、惚れた後家がやっているラーメン店を山崎努が主導して立て直す、という話だが、そこに脱線がたびたび入る。
観ている間は、これが後々、どう本筋に繋がるのかと思っていたら、完全に関係ないでやんの(´Д`)
本作のテーマは「職人まつわるエトセトラ」であり、言い訳的と言う、もっとも大きなエピソードとしてラーメン編がある、というだけにすぎないのだ。
美味しんぼ』と、どちらか先なのかは分からないが、特にホームレス関係のエピソードなど、『美味しんぼ』で読んだなぁ、というのも結構あったりしたのも、評価が微妙になる要因だった。