思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『memo』☆☆☆

通名詞すぎて検索しづらいのだが、佐藤二朗監督・主演の映画。
自身が強迫性障害であった体験を元にしたストーリーらしい。
主人公の女子高生はメモ魔の強迫性障害で、何をやっていても、何かに書きたくなる。書く内容も、特に覚えている必要がある、ということではなく、頭に浮かんだ脈絡のないことらしい。
佐藤二朗はそのおじさん役で、こちらは一般的な、何度も手を洗わずにおれない潔癖症
相変わらず、アドリブにしか見えない(実は脚本通りなのか本当のところは不明)佐藤二朗のボケと、それを受ける女子高生。それを楽しめるかどうかが本作のキモ。
もう一人、担任役が多分お笑いの人じゃないかと思うほど、全編ボケ倒しているのだが、これも笑えなかったなぁ・・・。逆にこれくらい寒い方が、高校教師としてはリアル、という側面もあるのが難しいところなのだが。ただ、高校のくせに担任が数学(1分間テストとは言え、問題は小学生の算数(´д`))と体育ともう一つやってた? のはなんだかかなぁ。
唯一、良かったのが、二人がお互いに似顔絵を描き、交換して見るシーン。ここだけは自然に笑っているように感じた。逆にいうと、それ以外のシーンでは不自然さが残る。絵そのものは見せないところがうまい。
一応、松本人志映画的な、空き地にラクガキのようなベタ塗りの木が描かれていて、その前にピカデリー梅田みたいな老人が座っている、というシュールな画もあるのだが。
佐藤二朗が途中で自殺すべく薬品を飲んだ直後に、女子高生が夫婦茶碗ならぬコップをプレゼントしに来て、彼女が去った直後に佐藤二朗が死ぬ、というところは切なかった。