思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

QED 源氏の神霊』高田崇史
☆☆☆★
講談社ノベルス

出版時期から見ても、明らかに『源平の怨霊』の落穂拾いとして書かれた感じ。
比較してみると、余計に現代の殺人事件と、それに介入する民間人、サイコパス的な探偵(タタル)の奇行が気になる。サイコなのはシリーズを通した犯人たちも同じではあるが、本作はさらに偏執狂度が高い。
源頼政が、なぜ齢77歳にして挙兵したのか、が本作の謎。その謎解きには『源平の怨霊』で研究されたデータが再利用されている。と言うより、その土台から歴史を見れば、頼政の謎も明らかになる、と言うことか。
木曾義仲がなぜ「朝日将軍」と呼ばれるのか、と言う謎への回答が興味深かった。