思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

GARO 薄墨桜』☆☆☆☆

もう『GARO』はクオリティ的にも、新鮮味的にも、無理かな……と思っていたのだが、桂正和キャラデザのアニメ映画ということで、ビジュアル的には見られるものになっているかな、と一応チェック。
結論から言うと、ビジュアルは95点。ほぼ減点すべき要素がない。主要キャラは桂正和が衣装まで含めてデザインしているが、平安時代という考証上、藤原道長が金髪だとか、その辺がさすがに気になった、そこくらい。
安倍晴明が女だったり……と思って調べたら星明という別キャラだった。源頼光ならぬ雷吼だったりと、似て非なるパラレルワールドなのか。だったら、京都の火の海になったりしても史実とは矛盾しないのか。悪役たる道長も、絶対に死なないと思っていたけど、パラレルワールドなら死ぬこともあり得たなぁ。こういうのは映画観る前にパンフレット読んでおくと楽しめたのかも。
キャラの話に戻ると、星明とかが桂正和の女性キャラらしく薄く青い髪だったりと、時代考証よりも桂正和推しとなっている。
モンスターも含めて、デザインも良くて、後半の展開はモロに『妖刀伝』みたい。オリジナリティがあって素晴らしい。ちょっと昆虫っぽい腹/尻尾がキモいけど(^_^;)
声優は、宣伝をかねたタレントか、と思ったら、実写ドラマ版の主役がそのままやっているのか。ある意味では正しいのだが、アニメとして下手なことに変わりはない。まあ、聞くに耐えない、というほどではないけれど。
アクションはさすがで、実写版の横山誠監督がアクション演出しているのか? と思ったくらい。アニメらしい縦横無尽、特に手前と奥を行ったり来たりするだけでなく、パッと動いて、ピッと止まる緩急が素晴らしい!
純粋にストーリーとしては、クライマックスバトルが始まると、エピローグまで道長が1カットも映らない、というのはちょっとなぁ。

結論としては、『カバネリ』より断然好み!