思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2020-01-01から1年間の記事一覧

フッテージ

☆☆☆★追加 フッテージのフィルム映像が流れるのだが、ちょこちょこ間がスキップされる。それが映画上の編集であって、映画内ではスキップされなくてダラダラ続いているのかが分からず終始モヤモヤしていた。まあそこまでアンフェアときうか、どっちでもいい…

ザ・プール

☆☆☆★三宅隆太監督の推薦が(例によって?)すごく面白そうだったので期待したのだが、ちょっとハードル上げすぎたかも(^^;) 水深6メートルのプールで寝ている間に水が抜かれ、どこからか逃げ出したワニまで入ってくる、という極限サバイバル脱出ゲーム。比…

死神の棋譜

奥泉光 ☆☆☆★ 新潮社将棋をテーマにしたミステリーということで、帯のJacquesともども本格ミステリ的どんでん返しを期待したのだが、やっぱり奥泉作品。幻想推理だった(^^;) 羽生善治をはじめ、実在の棋士の名前がたくさん出てくるが、だからって、本作にリ…

タクシードライバー

☆☆☆未見の『ジョーカー』の元ネタとして話題に上がるのをよく聞くので気になって、観てみた。 よく分からんかったなぁ……。 後で幾つかの感想動画とかみたが、やっぱり分からん。いちおうアクション的な見せ場も最後にだけあるものの、見終わってもスッキリ…

『日本プラモデル 世界との激闘史』西花池湖南 ☆☆☆★ 河出書房新社大体は知っていたことだが、通史的に日本のプラモデル業界勃興から、世界市場との関係までを俯瞰して見られるのは良い復習になった。 「マルサンはモーターライズの怪獣模型を売りにしていた…

『アルキメデスの大戦』 ☆☆☆★確かに冒頭の大和最期の戦いシークエンスは十分満足。ただし、燃える、感動する、という感じはなかった。比較する意味はないかもしれないが、『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』のペレノール野の戦いの「じゅう」の方が感動…

『フッテージ』 ☆☆☆★ 前作で一発当てたノンフィクション・ライターだが、なぜか貧乏なので、もう一発狙いで事故物件に引越して現地取材しての次回作に賭ける。その設定がかなり疑問だが、まあいいでしょう。 そこに残された6ミリ(?)フィルムは、数々の一…

Q E D 優曇華の時

高田崇史 ☆☆☆☆ 講談社ノベルス現代の殺人事件に関するパートは思い切ってスルー。 それでも、「安曇」の謎に関する歴史ミステリーとしては十二分に面白い。以下、ネタバレ。殺人事件の動機は、歴史の謎に関するところを捨象すれば、「歴史的由来のある劇を…

古事記異聞 京の怨霊、元出雲

高田崇史 ☆☆☆☆ 講談社ノベルス出雲から京都市内にある元出雲へ。 このシリーズは、殺人事件じたいは毎回解決するものの、ムチャ乱暴極まりない。逆に歴史の謎はワンステップずつ作者の説に近づいている。 これ、現代の殺人なんていらんから、一冊にまとめて…

ビは塩ビのビ

☆☆☆★ メディアワークスタイトル通り、PVC、つまりな塩ビ製フィギュアを改造しよう、という連載をまとめたもの。 本作が面白いのは、その改造の方法が多岐に渡っていること。 単なるパーツの入れ替えから、パテ盛り、桁を入れての変形、塗装、電飾まで実に幅…

tony sヒロイン ワークス「シャイニング」

☆☆☆☆ ホビージャパン一見清潔感のある美少女イラストだが、いわゆる萌え系寄りなので、やはり立体としての情報量は少なめ。だが、実際に立体化すると、これが結構魅力的なのだ。 イラストを立体化するので、個性が出過ぎてはいけないが、確実に力量が問われ…

ダンケルク

☆☆☆やっぱり(押井守監督なんかとおなしで?)誇大評価されてる気が拭えないノーラン監督。ライド的だとか、時間錯誤しかけとか、一部ではスピットファイア燃えだとかで、けっこう期待したが、期待はずれだった(いや、文字通りラストで、炎上するスピットフ…

審判

☆☆町山さん(反日活動家に『さん』つけするのは嫌だけど、映画評論家としては優秀だからしゃあない)推薦。 オーソン・ウェルズというと、ずっと HGウェルズとごっちゃになってたが、とりあえず『市民ケーン』とか、白黒時代の、カメラワークに凝った監督兼…

R N A学のすすめ

柳川弘志 ☆☆☆★ 講談社ブルーバックス1990年に出た本だが、私のような素人にはとっては全く古さを感じさせない教科書。 教科書と書いたのは、門外漢にはちと専門的すぎる用語がドバドバ出てくるから。せめて基本用語の確認ができるように、索引はつけて欲し…

萌えよ! 戦車学校 戦後編(3)

文 田村直矢 絵 野上武志 ☆☆☆★ イカロス出版副題は「日本・イスラエル・スウェーデン・イタリア・中国・韓国の戦車」とあるが、書き下ろしではさらにスイス、オーストリア、ルーマニア、スロベニア、ユーゴスラビア、クロアチア、ポーランド、チェコ、ウク…

ボーダーライン ソルジャーズデイ

☆☆☆☆本作はデルトロが主人公。思い返せば、前作はデルトロが主人公になるまでの物語であり、『暗殺者アレハンドロ プロローグ』とも言える内容。本作は『暗殺者アレハンドロ エピソード1』という感じ。 前作に倣うなら、アメリカによってライバルマフィアの…

キングスマン ゴールデン・サークル

☆☆冒頭から全然ダメで、それは最後まで変わらなかった。 CG多用で、なおかつイギリス映画らしいケバケバしい色調なので、画面は軽薄。演出も軽いし。 全体のトーンも、前作のイギリス的ユーモアの範疇でのリアリティがあった。今作は、明らかに実写版『サン…

メキシコ麻薬戦争

ヨアン・グリロ著/山本章代訳 ☆☆☆★ 現代企画室アマゾンでは本書が原著の一部をカットしたことを糾弾しているレビューもあったが、後書きにあるように、大部すぎる原著の一部を省略するのは残念ながらよくあること。どういう内容だったのかは、ちょうど同じ…

魔の薬 それでも覚醒剤やりますか?

北芝健 ☆☆☆ あ・うん

アシュラ

☆☆☆☆主人公は『ゲノムハザード』とかの西島秀樹とトム・クルーズみたい。演技は完全にトム・クルーズだ。 画面的に適当なカットがなく、空撮ショットも山に立て込まれた街も、異様な空間、という印象を受ける。 吹き替え版を見たが、特に「クソ!」とかの罵…

押井守の映画50年50本

押井守 ☆☆☆☆★ 立東舎これまでの押井守監督の映画関係の本の中では、図版込みでの、教科書的な『methods』を除くと一番面白い。まえがきや編集者あとがきからするとインタビュー本とは言え、けっこうな時間と労力(主に編集者の(^^;))をかけたものらしいの…

激突!

☆☆★言わずと知れたスピルバーグのデビュー作。ごく普通のおじさんが一台のトラックを追い越したら、えらい目に遭う……というプロットはみんな知っているだろう。 某スピルバーグ総選挙でも、割と上位だった記憶もあり、やっぱり観とかなあかんなぁ……と。 シ…

ゼットマン19

桂正和 ☆☆☆☆ 集英社完結である20巻を読んだ時は、たった1巻しか抜けていないとは思わなかった(^^;) それ以外にこの巻の内容を覚えていやい(^^;)

愛がなんだ

☆☆☆★何に惹かれて観ようと思ったのか忘れたが、ケーブルテレビに録画した。日本の恋愛映画なんて観たくないのだが、何故か最後まで観てしまった。 不思議な作品で、冴えない若手社会人の女が主人公で、知人の結婚披露宴ではみ出し者してた同士、というきっ…

氷の微笑

☆☆☆★感想を書くために少しネットを探したて気がついたが、どうも『硝子の塔』とごっちゃになっていたみたい。でも、どちらもいわゆるエロティック・サスペンスなので、変わりないのかも(^^;) ベッドで、裸で、アイスピックでめった刺しの死体が発見される。…

テネット

☆☆☆★当然、「TENET」という回文。 要するに、「アイマックスカメラで撮影した大画面で、巻き戻し映像を観たらオモロくない?」という発想が全て。そこから、逆再生VS通常再生のバトルがあったら凄くない? というアイデアが付随し、そこか、ストーリーなり…

『コカイン ゼロゼロゼロ 世界を支配する凶悪な欲望』 ロベルト・サヴィアーノ著/関口英子&中島知子訳 ☆☆☆☆★ 河出書房新社世界のコカインをめぐる実態を描いたノンフィクション。『ボーダーライン』でその暗黒世界を垣間見て、もっと知りたいと思った私に…

鶴屋南北の殺人

芦辺拓 ☆☆☆★ 原書房鶴屋南北をテーマにした歴史ミステリ。彼の、誰も知らない台本が発見され、それにまつわる連続殺人事件が起きる。歴史好きには、現代の殺人なんていらんから、そのぶんコンパクトかつ歴史の謎で直球勝負してや……という欲求不満はお約束。…

『誰も知らない カルロス・ゴーンの真実』レジス・アルノー&ヤン・ルソー著/林昌宏訳 ☆☆☆☆ 東洋経済新聞社日本在住のフランス人ジャーナリストが書いたのにも関わらず(?)フランス語で書かれて、日本語訳に逆輸入された本。 ビジネスマンとしてのゴーン…

『ボーダーライン』 ☆☆☆☆アメリカ・メキシコの麻薬問題を扱った映画。原題は「Sicario」で、メキシコ語(スペイン語)で「殺し屋」という意味らしい。 その意味はクライマックスで分かる(本文はネタバレ有りだが、続きは本文章の最後で)。 観ている間はヒ…