2020-01-01から1年間の記事一覧
☆☆☆★押井守監督の評に押されて再見。確かに、クライマックスのヘリ対決は実物を市街でとばしている迫力が凄いが、それ以外は80年代の陰謀ものらしいトンデモ展開で、☆ひとつ減点。 まずは主人公がベトナム戦争のトラウマを抱えているのはいいとして、一般…
岩井俊憲『「勇気づけ」でやる気を引き出す! アドラー流 リーダーの伝え方』を読む印象に残ったところ「「目的」は「何のために?」、「目標」は「どこに向かって?」(略)目的を先に決めて、その目的を具体化するために、目標設定が必要になってくるので…
☆是枝監督、そしてジュリエット・ビノシュがダブル主演(いちおうメイン主演のほうは、往年の名優カトリーヌ・ドヌーヴ?)ということで、期待したのだが……。 直前に観た『レッド・リーコン』がピントバリバリの超シャープな映像だったので、最初は家庭用ビ…
星一郎 ☆☆☆★ 青春出版社本当はビジネスマン向けのアドラー心理学本を読みたかったのだが、子育てはもちろん、子どもを部下と読み替えてもほぼ、応用できる。「他人にほめられなかったときこそ、親がほめる」
☆☆★久しぶりに再見。20年ぶり?? 初見当時は高校生か社会人なりたて(えらい曖昧やな(^^;))だったが、結構斬新かつ面白かった記憶があるのだが、現在では「こんな残念な映画だったっけ……?(´Д`)」という印象。 理想社会と、それに立ち向かう流れ者/反…
深水黎一郎 ☆☆☆★ 角川書店シューマンの歌曲『詩人の恋』をテーマにした、短編集。てっきり雑誌掲載短編を集めたのかと感じるが、書き下ろし。各短編には直接のつながりはなく、ゲスト的に重なりがある程度。さらに言えば、最後の中編だけで本作の主眼はすべ…
『電通の深層』大下英治 ☆☆☆★ イースト・プレス前半は高橋さん過労死自殺にまつわる最新ノンフィクションと、後半は1981年(!)に出版された『小説電通』の再録。
☆☆☆★大学の男といい関係になりそうになると、悪魔が邪魔をするが、主人公自身にも後ろめたいことがあるため、付き合うことができない。 これ、邪推すれば、親からのレイプ被害者が立ち直れるか、という問題もちょっとはらんでいるかも。もちろん、普段は父親…
本郷和人+井沢元彦 ☆☆☆☆宝島社新書世間では武漢肺炎を「新型コロナだ」とパニックになっているが、歴史を顧みれば、それ以上の危機を世界や日本は経験しているはず。そんな疑問に答えてくれるのが本書だ。本当なら、こういうのは、テレビでやらないといけな…
☆☆☆☆『バタリオン』と同じく、ソ連女性兵士部隊をテーマにしたロシア映画。ただし本作は、僻地の村に駐屯するたった2機の高射砲部隊。指揮官は男の曹長。普通の男性兵士の部隊だったが、酒ばかり飲んでいる兵士たちに嫌気がさして、酒を飲まない部下を希望…
☆☆☆★以前に『映画秘宝』で記事を見た、チャン・ツィイー酒宴ということで観た。『グランドマスター』みたいな映画かと思ったら、宮廷の、皇帝と皇后そして他の後継の最高権力争いを描いた内容。一見して、韓国ドラマみたい……と思っていたが、見終わって他の…
☆☆☆☆書店で表紙の繊細な絵に一目惚れしたのだが、この類では、中を見るとがっかりすることが多いので新刊は控えていたもの。 本作は、確かにデッサンはもうひとつだが、それをカバーするだけの描き込みがある。特に髪フェチ的には髪の描き込みが素晴らしい…
林譲治 ☆☆☆☆次から次へと、急展開と謎解きが繰り広げられる完結編。 結末は意外に呆気ない……というよら拍子抜け? と思わせて、真のクライマックスが待ち受ける。それは『2001年』と『2010年』を、はじめクラーク作品のオマージュが随所に散りばめられてい…
林譲治 ☆☆☆☆3巻の記憶がほとんどないのだが(^^;)、この巻になって、ミリタリーSFだったものが、ぐんとファーストコンタクトものに引き戻された。 敵のAI五賢帝の変化、敵地の生態調査などがぐんぐん進み、これなら前の2巻くらいを飛ばしても良かったんじゃ…
☆☆☆★よくわからないタイトルだが、メインタイトルは原題も同じ。副題は日本オリジナルかな。 基本は『時空の旅人』だが、中国の明朝時代の将軍である主人公がタイムトラベルで現代香港に来たら、なぜか冷凍睡眠していたのでこんなタイトルになっているよう…
ナレーションは、例のオマージュなのだろうが、本作のテイストには合っていない。シンケンレッドのモノローグにするのが正統な演出だろう。
『孤狼の血』 ☆☆☆☆映画館で予告編は見ていて、『アウトレイジ』みたいな内容かと思っていたら、『仁義なき戦い』みたいな感じで、ルックもナレーションも昔の東映映画みたいにしていた。ちょっとよそのレビューを見たが、別の映画のリメイク的な側面もあるら…
石塚由紀夫『味の素「残業ゼロ」改革』を読む日本の食品大手・味の素は世界各地で働き手を確保するため、日本以外では定時で帰る風習であることに、日本国内でも合わせることにした。それが年間の労働時間を2000時間か、1800時間まで短縮することだ。そんな…
小林泰三 ☆☆☆☆マルチジャンル作家の作者なので、読んでみるまでわからない。しかもハズレが少ない、2倍お得な作家である。 読み始めて行くと、どうやら本作は『メメント』プラス『恍惚病棟』であることがわかる。老人ホームみたいなところから脱出しようと…
『戦争のはらわた』 ☆☆★ 押井監督激賞だったので期待していたのだが、個人的には何が面白いのかさっぱり分からない、平日の午後1時にテレビでやっている感じの映画(C級洋画)としか思えなかった。 独ソ戦を扱っているというのが珍しい。オープニングでナチ…
『日本一の無責任男』 ☆★ 『無責任艦長タイラー』の元ネタということと、植木等の有名すぎる歌を聞いてみたくて観てみた。 これ、アイドル映画だね。わかっちゃいたけど(^_^;) 無責任な平均(たいら・ひとし。文字通りタイラーの元ネタだった)は、会社を首…
田中啓文 ☆☆☆☆ 光文社竹林の七賢をテーマに、『黒後家蜘蛛の会』よろしく安楽椅子探偵する。その設定が、秀逸である。 おまけに探偵役が、姿の見えぬ「かぐや姫」ときた。 黒後家蜘蛛の会といいつつ、必ずしも全員が集まるわけでもなく、二人と探偵だけの場…
☆☆☆☆タイトルから『時計仕掛けのオレンジ』みたいな映画かと思っていたら、似てるようでもあり、全然違うようでもあった。 似てるところは、反体制の若者のコン・ゲーム的な物語。違うところは、ネットを駆使したサイバー犯罪という現代的なガジェットであ…
山田正紀 ☆☆☆★ 東京創元社『デス・ノート』から着想を得たのだろうか? 女の子から「あなたの大切な人が死ぬ」という手紙を受け取ると、本当にそうなる。単なる死神がやってくるホラー・ミステリーのようだが……。 冒頭の、雑誌に掲載された短編こそ、メタ恋…
竹本健治 ☆☆★ 講談社全然タイトルに入れてくれていないので分からないのだが、『汎虚学研究会』シリーズらしい。そもそもそれがわかるのが、冒頭の犯人当て短編が終わってから、三分の一が過ぎてからなので、もしかしたら、連載時はそれすらミスディレクシ…
貫井徳郎 ☆☆☆☆ 実業之日本社いちおう最初に定年退官した元お巡りさんの殺人が起こり、そこから彼を巡る過去を調べる。元お巡りさんの壮年時代と、息子が過去を調べる現代編が交互に語られる。 いちおう元警官の死を巡るミステリーなのだが、貫井ちゃんの作…
大西こういち ☆☆☆★やっぱり、登場人物が把握できない(@_@)宗教的対立くらいはなんとか理解できるが、国や地域がどこなのかも分からない(^^;) とはいえ、『ダンケルク』や『プライベート・ライアン』的な、戦場のリアリティは十分に伝わってくる。いや、それ…
機本伸司 ☆☆☆★ 角川春樹文庫今回のテーマはタイムマシン。久しぶりの大ネタ。『神様のパズル』のようなハードSFを6割くらいの値で期待したのだが……。 タイムマシンの原理については、まあアインシュタインそしてロバート・L・フォワードの時代から変わって…
☆☆★リメイク版の時に元ネタがあると聞いて、てっきり80年台のハリウッドのB級映画かと思ったら、白黒のフランス映画。 まず、白黒だが、ごちゃごちゃで何が何やらわからないようなあるあるはなく、白黒であることを感じさせないシャープな画面が素晴らしい…
☆☆☆☆タイトルを直訳すれば『平凡な容疑者たち』という感じ? 観客にとってそう見えた登場人物が、ラストには特別な容疑者だった、という話だ。 冒頭で別々に捕まって、集められた5人の容疑者。そしてそのうちの一人が警察に取り調べられている。その時間的…