思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『誰も知らない カルロス・ゴーンの真実』レジス・アルノー&ヤン・ルソー著/林昌宏訳
☆☆☆☆
東洋経済新聞社

日本在住のフランス人ジャーナリストが書いたのにも関わらず(?)フランス語で書かれて、日本語訳に逆輸入された本。
ビジネスマンとしてのゴーンはもちろん、ゴーンの生い立ちから、犯罪者だった父親、不倫からの離婚騒動までしっかり描かれる。
おまけというか、日本の司法制度や拘置所生活まで紹介している。
疑問。ゴーンがリゾート開発やワイナリーなどに手を染めた、とあるのは、日産グループとしてではなく、個人的なもの?
「フランスでは、ゴーンの評判は悪かった。」
「気分転換と称して、ゴーンはとても魅力的な女性たちと遊びまわるようになった。いろいろな艶聞が聞こえてきた(略)貞淑な妻だったリタが夫カルロスの不倫を疑うようになったのは2010年初頭だという」
「ゴーンの住宅購入ネットワーク(略)
月額7688ユーロ アムステルダムのアパルトマン
4億900万円 日本の住宅手当
7300万ユーロ Zi-Aキャピタル→ハムサ・ホールディングス→
577万ドル リオデジャネイロのアパルトマン購入
1700万ドル以上 ベイルートの住宅購入
340万+15万ユーロ改修費 日産インターナショナル・ファイナンスBV」
「いやゆる「延期報酬」は違法性が疑われる行為だ。(略)ゴーンが逮捕されなければ、退任後に受け取れるこれら隠し報酬の総額は90億円に上ったと思われる。」
まとめると、ゴーンは確かに徹底したコストカットの指示と、現場の声を聞くスタイルで改革には成功した。しかし、それらの成功で周りがカリスマと崇め、イエスマンばかりになったことから増長した、ということだろう。