思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

アシュラ

☆☆☆☆

主人公は『ゲノムハザード』とかの西島秀樹とトム・クルーズみたい。演技は完全にトム・クルーズだ。
画面的に適当なカットがなく、空撮ショットも山に立て込まれた街も、異様な空間、という印象を受ける。
吹き替え版を見たが、特に「クソ!」とかの罵倒語に違和感が拭えない。
登場人物は刑事、検察、市長そしてヤクザなのだが、基本的に全員悪人。例外が、モブキャラ以外では2人だけ出てくる女性。主人公刑事の病気で余命いくばくもない。もう一つは検察捜査チームの一員。こちらは、本作唯一の、悪人らしき言動が全くない。暴力もふるわない。メイクを落とした指原莉乃みたいな女性で、好感を持っていたのだが、敢えなく死亡(^^;)
主人公も含めて全員悪人なので、特に誰にも感情移入できないので、誰が死のうが、心変わりしようがムカつかないのはありがたい。それでいて「知らんがな」とならない演出力は凄い。ラストは胸くそそして胸スカ(^^;)ただ、関係者1人残らず差し違えて死ぬ、というラストは現実的ではなく、良くも悪くもフィクション的なオチの付け方。もちろん、こうでもしないと終わられない、というのもあるのだろうが。
注意して観ていたのだが、本作では「フード理論」が当てはまらない? 何しろこんな悪人だけの映画なのに、3つの勢力どれも食事シーンがけっこうあるのだ。いちおう「同じ窯の飯を食うと本音を語る」が近いのだが、腹にいちもつあるやつらばかりなので、一見、そうは見えない。結末を知った上で再見したらまた本音がよく分かるかも。ただし、本作では思っていることが相手の出方によって変えさせられる、というのがテーマなので、そこも含めて考える必要があるのでややこしいのだが……。