思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ダンケルク

☆☆☆

やっぱり(押井守監督なんかとおなしで?)誇大評価されてる気が拭えないノーラン監督。ライド的だとか、時間錯誤しかけとか、一部ではスピットファイア燃えだとかで、けっこう期待したが、期待はずれだった(いや、文字通りラストで、炎上するスピットファイアは映るけどね(^^;))
ライド的なのは間違いないが、なら、てっきり『1917』みたいに、1人の主人公が死戦をくぐり抜けてイギリスに辿り着く物語かと思いきや、群像劇。主人公の顔も区別がつかないので、全く感情移入もできなければ、ハラハラドキドキもしない。
アクションが下手も言われるノーランなので、戦争アクションシーンの迫力もいまふたつ。煙の尾を引く飛行機の空間感とか、爆弾でボイラーが内部で爆発したり、というカット単位で興味深いのがあったけど。
途中でのライド的と言われている所以である敵の銃弾が迫るサスペンス状況も、演出が下手なせいか、全然ハラハラしない。顕著なのが、難破船に乗り込んで満ち潮と共に船出しようとするが、船に穴が空いて浸水する、という展開。いくら敵がいるらしいとはいえ、複数とはいえ、鉄砲の弾の穴サイズの浸水で外に出られず溺死する、って子供でもありえへんやろ?!(´Д`)
空軍、海軍、陸兵らが同時並行の出来事だと思ったら違った、とあるが、最初にテロップで出てるのに、なんで勘違いする人がいるの? というか、勘違いさせる編集にする意図が分からん。
同じ、時間を操作するなら主人公を1人にしぼり、一難さってまた一難、要するに『アポロ13』みたいにすれば、数倍面白いなったんじゃないかなぁ(´Д`)
ラストに、自分が新聞を読まずに相棒に読ませておいて、自分はもらったパンとワインを飲み食いしてる酷さ(´Д`)