個人的事情で、老眼鏡をかけたら、やたら読みやすくなって、上巻の倍のスピードで読めた(^^;)
本格を読む動機であった、「クラリス・スターリング捜査官の描写がキモい」というのは、ラストの展開を読むと、確かに納得。
てっきり『羊たちの沈黙』が一作めで、本作が続編だと思っていたが、3部作のラストみたいな展開。実際に『レッド・ドラゴン』という作品が『羊たちの沈黙』の前後にある。
この下巻では、レクター博士が狩られる側に回るという、予想外の展開となり、実際に大ピンチに。同時に、レクターがクラリスを狙うというスリラー(サスペンスというほどハラハラしない)。
大ピンチを、口先八丁で乗り切るの、恐ろしいというより、そんな上手くいくわけないやろ、という感じだし。
以下ネタバレ
終盤に至って、クラリスがレクターに惹かれるというか、同類意識を抱くようになるのに違和感を覚えていたら、なんと最後にはくっついてちゃった(@_@) それにいたる描写は、確かにキモい。
映画のほうで聞いて(ネタバレ食らっていた)、生きている人間の脳みそを食べるシーンは、終盤の山場かと思ったら、クライマックスだった。しかも、単に食べてみたいとかのレベルではなく、食材として調理する、というあたりが、本作の真骨頂。それまで積み上げてきた本作のテーマの終着点と言えるだろう。