思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ビリギャル


☆☆☆★

タイトルが出る直前に「偏差値30のギャルが、慶応大学に受かった話」と出るが、良くも悪くもそれだけの話。というか、サブタイトルで盛大にネタバレしていいんかい!? 本作のターゲットが勉強しないギャルたちだとすれば、これくらいしないと見たいと思わせられないのかも知れない。
照明が平板で、コントみたいな照明。全く映画化的な空気感がなかった。製作がテレビ東京だか何かのテレビ局だったので、元はテレビドラマの総集編だってりするのかも知れないという感じだった。
主人公は有村架純で、彼女のメンターたる塾講師がチビノリダー。ちょっと幼すぎる気はするが、大人というより、近い目線で共に頑張る感じは、アリだと思った。
この手のドラマや映画となれば、十中八九こうなる、という、人情もの演出。私的には、ハウツーというか、どうやって、一念発起した時の学力が小学四年生レベルだったのに、高校三年生レベルまで駆け上がれたのか。そこを詳しく知りたかったかな。もちろん、『まんが日本史シリーズ』を読んだり、『現代用語の基礎知識』なんかを読む、というのは映されているのだが、もっと細かい経緯とか、具体的なエピソードとかを。
父親の破れた夢を、息子(主人公の弟)に押しつけるというのも、事実に基づくのならいいけど、脚色だとしたは、ベタベタすぎるかなぁ。
弟が野球をやめて、不良たちの溜まり場に行っているのを連れ戻しに行く主人公が切る啖呵は、ドラマ的脚色として、唯一純粋に感心したシーン。主人公が元ギャルであることを反映して、なおかつドラマ的なエモーションも高まるし。
あと、有村架純が可愛いので、それだけでも見ていられる、というのは大きい。『太陽の子』とは大違いだ。時代的に可愛すぎたらダメだからしょうがないけど。
慶応への滑り止め、というより腕試しもして受けるのが「近畿学院」ということだが、近畿大学の名前替えなのか、関西在住の私でも知らないだけで、実在するのかどっちだろうか?

以下ネタバレ

慶応でも2つの学部を受けるのだが、最初に受けたほうは、塾講師からもらったコーヒーに当たって、試験中にお腹を下したりして落ちた。で、本命には合格というのは、事実にないとしたら、これまたベタベタすぎる山場づくりのんだけどー(ギャル風に)。
脚色らしくても良かったのが、主人公のギャル友が、睡眠時間を犠牲にしてまで付き合ってくれている主人公のために、一時遊ぶのをやめる、と宣言するシーン。
逆に、主人公の母親が泣きながら父親を説得するシーンは、迫真の演技は認めるけど、ちと臭すぎたかな。