思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ゴーストバスターズ アフターライフ


☆☆☆★

割と絶賛ムードだったので期待したのだが、モヤモヤする作品だった。これなら、むしろ女性版のほうが潔くて好きなくらい。
本作は一言で言えば、一作目『ゴーストバスターズ』をスピルバーグがリメイクしたらこうなる、みたいな感じ。
あと、『スターウォーズ フォースの覚醒』との類似を挙げる人が多かったが、私は、特にラストとか、『スカイウォーカーの夜明け』まで含めて、大差ないような空気を感じた。
新キャラの魅力については、『フォースの覚醒』と同じく、誰しもが認める点。特に、主人公は、最初は男かと思ったが、その後は実に可愛いのと理知的の中間の魅力に溢れている。金曜ロードショー版は、声優はまさかの斉藤由貴?? にしか聞こえなかったけど、調べたら上白石萌歌だった。二人の声は似てるよねぇ(^^;)
本作がモヤモヤする最大の理由は、ジュブナイルとしてのお約束を守りすぎていること。ジュブナイルでは、主人公の子供は、不思議な出来事に遭遇するが、大人に信じてもらえない。本作でも、主人公は、おじいちゃんの幽霊も、街中で暴れる幽霊も、一般人たる警官はもちろん、母親にも信じてもらえず、精神的にはどん底まで追い詰められる。これが結構体感的に長い。私らからすれば、『ゴーストバスターズ』を見に来てるんだから、そういえ重い気持ちになるのはちょっとでいいから、スカッとさせてくれよ! とい言いたい。リセットされて、幽霊の存在を誰も知らない世界線ならこの展開も分かるが、40年前とはいえ、ニューヨークのど真ん中でマシュマロマンが暴れたことのある世界やで!? 911並みに語りつがれていてしかるべイベントでしょうよ(´Д`)
母親が魔王に憑依されて、世界を救うために出動するときにも、あのゴーストバスターズのテーマは流れない。本作は、終始地味というか、まじめなドラマを作りすぎなのだ。そのくせ、第1作へのオマージュは随所に出てくるし。ただし、いちおう見た事がある私の琴線には全く触れなかった。これまた、まだ女性版のほうがまだエモかった。たぶん、作品全体の雰囲気が陽性か陰性か、の違いだと思う。

以下ネタバレ

『スカイウォーカーの夜明け』っぽさを感じたのは、クライマックスの大ピンチに、オリジナルメンバーが駆けつけ、その内の一人は映画冒頭で亡くなっているので、幽霊として出てくること。なんでこっちは良くて、あっちはダメなのか、よく分からんなぁ……。
そもそも、このおじいちゃん、一言も喋らないのは幽霊だからなのかと思っていたのだが、制作の数年前に亡くなっていたのだと、後で知った。