思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ユージュアル・サスペクツ

☆☆☆☆

タイトルを直訳すれば『平凡な容疑者たち』という感じ? 観客にとってそう見えた登場人物が、ラストには特別な容疑者だった、という話だ。
冒頭で別々に捕まって、集められた5人の容疑者。そしてそのうちの一人が警察に取り調べられている。その時間的前後関係がわかりにくいのだが、どうも取り調べだけが後で、それ以外は全て取り調べの証言を映像化したものらしい。映画というメディアでは、作中での事実なのか、観客を騙すウソ映像なのか区別できないのが問題だよなぁ……。
とは言え、謎の黒幕カイザー・ソゼなる人物の正体と、彼に操られるようにヤマ(犯罪)をこなしてゆく展開は、コン・ゲームものとしてそれなりに面白い。
ラストのどんでん返しは、伏線と種明かしの説明過剰もなく、よくまとまっているとは思うものの、言われるほどの衝撃はなかった。

以下、ネタバレ

真相そのものは見抜けなかったが、伏線には気がついていた。最大のものが、主人公チームで、一人だけ拳銃を横に構えるやつがいたことだ。もうひとつは、日本人向けのサービスかどうか知らないが、どうみても白人の弁護士の名前がコバヤシ、ということ。
伏線の回収として、主人公が取り調べから去った後で、壁に貼られた事件資料をなめるようにパンするあたりがスマート。