☆☆☆☆
タイトルから『時計仕掛けのオレンジ』みたいな映画かと思っていたら、似てるようでもあり、全然違うようでもあった。
似てるところは、反体制の若者のコン・ゲーム的な物語。違うところは、ネットを駆使したサイバー犯罪という現代的なガジェットである。
途中のテレビニュースで初めて気がついたが、ドイツ映画だった。
別にいいんだけど、この作品のヒロインは、主人公が片思いなのだが、全然可愛く見えないんだよなぁ……。そのへんにいるおばさん、という感じで、若くも可愛くも見えない。
ハッキングの手口だが、製作者が知らないのか、観客の知的レベルを下に見て敢えて簡単な強盗レベルまで落としているのか分からないが、少なくとも、SF小説に出てくるような驚きはなかった。
とは言え、画面のルックは良いので、すんなり引き込まれて最後まで観られる。ラストには、怒涛のダブルどんでん返しがあるので、後味も良い。ちょっと直前に見た『ユージュアル・サスペクツ』と似た感じもするが、だからこそケーブルテレビが月推しラインナップに揃えたのかもしれない。ただし、これまた観客のレベルを下げすぎたせいで、説明過多なのがスマートさにかける。わざわざ釘を刺すシーンまで入れなくてもいいのに(´Д`)また、『ユージュアル・サスペクツ』とちがうのが、映像に嘘があること。もちろん、同作と同じく、供述から、取調官がイメージした映像、というていなのは分かるが……。そこは推理小説で地の文で嘘を書くようなアンフェアさを感じなくもなかった。
演出として、主人公が街のごろつきギャング的ハッカーチームに仲間意識を深めるシーンがないので、ラストの2つ目のどんでん返しのインパクトがちょっと弱いかな……。どんでん返しの間に時間が開いているなら良いのだが。例えばエンドクレジット後にあるとか。