思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2017-01-01から1年間の記事一覧

『聖女の毒杯』 ☆☆☆☆地域独自の風習の元で行われる結婚式の最中に、毒殺事件が起こる。「如きもの」シリーズにそっくりな本格ミステリ。毒殺のあらゆる可能性について徹底的に考察するのも前記作品同様。 ミステリーとしては、前半は名探偵ウエオロの弟子で…

『書架の探偵』ジーン・ウルフ著/酒井昭伸訳 ☆☆☆★解説には『今まで読んだことがない本』とあるが、解説者は昨今のラノベや深夜アニメを見たことがないのか? 歴史上の人物が現代(本作は未来の物語だが)に蘇る話など、掃いて捨てるほどある。 まあ、「歴史…

タイトルは有名だが、見たことのない系の名作。なんと白黒映画。 大東亜戦争中の、アメリカの潜水艦が主人公で、日本の豊後水道を死守している駆逐艦秋風を倒す、というストーリー。 航海カットや、艦橋のアップは実物、セットだが、戦闘シーンは特撮。 特に…

『新・世界の戦闘機・攻撃機カタログ』 ☆☆☆☆12年発売。日米露はもとより、中国やブラジルまで網羅。世界の現用戦闘機についてはほぼ分かると見ていいのでは。 ちなみに、練習機は、軽攻撃機に転用できることもあってか掲載されているが、爆撃機、ヘリや輸送…

『アフガン』 ☆☆☆★原題はロシア語だが、『第9中隊』。新兵が、入隊してアフガンでの作戦に参加するまでを描く。 敢えてなのか、ロシア人なら共感できるのかは分からないが、登場人物が好きになれないのが大きな障害。特に主人公格の、中学で言えば不良グル…

『力を引き出す 「ゆとり世代」の伸ばし方』原晋×原田曜平 青山学院大学陸上競技部・長距離ブロック監督と博報堂ブランドデザート若者研究所リーダーによる対談。基本的には、スパルタ式ではない、会社の若手社員向けのような教育システムで、箱根駅伝三連覇…

『検死審問 インクエスト』パーシヴァル・ワイルド著/越前敏弥訳 ☆☆☆★日本では馴染みがなく、解説によれば、訳語すら一種類に定着していないというインクエストを冠した小説を読めば、その制度についてよく分かる…と思ったが、本作では、ヘンな設定がウリな…

『タイド』 ☆☆☆★ 『エス』の続きである、新<リング>シリーズの第二弾。 高山竜司が主人公であり、貞子の謎を探る。 一応、謎の説明はされるものの、何かがっかり感があるのは『2010年』とかに似たものがあるかも…。以下、ネタバレ高山竜司が貞子と血縁関係…

『ストラディバリウスを上手に盗む方法』 ☆☆☆★『ストラディバリウスを上手に盗む方法』☆☆☆☆ 作者お得意の芸術ミステリの一環である音楽ミステリ。最初から最後までオーケストラや楽器に関する蘊蓄で埋め尽くされ、犯人の動機、トリック、推理の決め手のすべ…

スイート・リトル・ベイビー (角川ホラー文庫)牧野 修 角川書店 1999-12 情報がほとんどないまま見たので、ジャンルも何もよくわからなかったが、要するうに『男たちの挽歌』や『アンタッチャブル』みたいな裏社会の復讐もの? キアヌ・リーブスがいわゆる「…

『スケールアヴィエーション 2011年1月号』 ☆☆☆☆★トムキャットハウツー3部作の第一弾にして最も面白い。ハウツーに面白い/面白くないがあるのもヘンな話だが、実際そうなんだから仕方ない。 使った道具や塗料の解説から、あちこちの隙間をプラ板で埋める。…

『モデルグラフィックス』 ☆☆☆★バンダイ1/20スコープドッグ発売記念特集。そもそものオーパーツ的傑作キット・タカラ1/24の設計者インタビューから始めるあたりが本誌らしいところ。 メインたるバンダイのキットでは、『アーマーモデリング』誌で活躍する一…

『銀河英雄伝説(7)』 ☆☆☆☆ラインハルトVSヤンの第1回戦。そこで同盟軍の窮地を救ったヤンは、英雄に祭り上げられる。ここでは政治と軍隊、戦争にまつわる警句が散りばめられている。『ガンダム』よりもよほど勉強になる(^_^;) 顔が細長くなったとは前に書い…

これはいわゆるノワール? イかれた殺人鬼、というか自分の中のルールでのみ生きる男と、それに巻き込まれた保安官ほか周辺人物(の悲劇)を描く。 殺人鬼や、殺し屋のイっちゃった表情が見モノか。 殺人鬼が使うガスボンベ直結の空気銃も面白い。 なんか荒…

舞台や監督が同じかどうか知らないが、ビジュアルは『第9地区』そっくり。中東とか南ア的な猥雑な荒野の街と、手作り感満載のフレームなど。 スペースコロニーのエリジウムは、各家に全自動瞬間病気治療器がある、というリアリティのない、ある意味天国のよ…

『アーマーモデリング』 演出と真実特集。要するに、ウェザリングを、ほぼゼロから、普通にやったものまで並べただけの、テーマとも言えない特集とも言えないもの。斉藤軍団による新車仕上げから、竹内アルコール落としや吉岡超絶仕上げまで。 『スケールア…

『アーマーモデリング 2013年07月号』 「演出と真実」特集。『スケールアヴィエーション 2013年05月号』 32トムキャット特集。『モデルグラフィックス 2012年09月号』

石渡美奈『社長が変われば、社員は変わる! ホッピー三代目跡取り娘の体当たり社員“共育”奮闘記』印象に残ったところ「現状維持を望む社員にも3通りある。「変わる必要性に気づいていない社員」と、「変わる必要性を薄々感じつつも、基本的に受け身で様子を…

『腸内細菌と共に生きる』 ☆☆☆☆★ 共生、つまり寄生虫や腸内細菌の重要性についてよく分かる。 いわゆる善玉菌だけでなく、腸内の共生関係上、悪玉菌すら増やす必要があり、どちらとも言えない日和見菌(土壌菌つまり納豆菌など)も必要。ただ、どうやって腸内…

『プロメテウス』 いわゆるファーストコンタクトもの。冒頭の宇宙人の自殺(後から分かることでネタバレすれば、人類のタネつくり)から、宇宙人壁画の発見、宇宙探査、到着と、展開がスピーディーなのが良い。 SF、なかんずく『エイリアン2』を擁するシリ…

『エクスペンダブルズ3』 ☆☆☆人数が増えすぎて、俳優の素性を知らないと、ただの八十年代アクション映画にしか見えない。今回から出た若手枠のほうは全然知らないし…。 ウェズリースナイプスも、サングラスかけてないと全然気がつかなかった。 今回はさらに…

『モデルグラフィックス 2005年12月号』 ☆☆☆☆トムキャット特集。ハセガワのヨンパチにヨンパチ先生ことちっく斉藤が徹底解析でコツを伝授。失敗まで含めた試行錯誤を載せてくれているので、非常にためになる。 飛行機モデル専門誌の同特集よりも、実機情報…

『萌えよ!戦車学校 戦後編(1)米ソ戦車』 ☆☆☆★アメリカはなんとなく分かるのだが、戦後のソ連戦車は何回読んでもよく分からない。その勉強のため、というのが最も強い動機。 ソ連戦車は数字の順番に強いわけではないのだ。2つの兵器開発局があるというので…

『アイアムアヒーロー』 ☆☆☆☆面白い。PG15ということにして、日本映画としては異例の頑張り。 ゾンビものとしても、ゴア描写も日本のマイナーではない作品としては類を見ない踏み込んだもの。 前者は、特殊メイクとCGで、不自然さのないレベル。後者は、ゾン…

『神は細部に宿るのよ(4)』 ☆☆☆☆ アンチファッションマンガと言うべき本作が雑誌『kiss』というバリバリの女性誌に連載されているというのも凄い。流行についていけない作者が主人公なので、いわゆるオシャレ川下男子にも楽しめる。神は細部に宿るのよ(4) (…

『エクスペンダブルズ2』 ☆☆☆☆スケールアップ系の2。アクションシーンじたいはそれほどでもないが、メンバー、見せ方はアップしている。 ヴァン・ダムの参戦、ブルース・ウィリスとシュワルツェネッガーの実戦参戦など。アクションシーンでは、監督がスタ…

『13階段』 ☆☆☆☆ 乱歩賞には、サスペンスなど、本格とは言えないミステリーが多いので、本作も舐めていたのだが、意外や意外にも秀作。 死刑制度を前面に扱い、今まで聞いたこともなかった日本の死刑制度の法律的、実際の執行の手順などが克明に描かれている…

『ガンダムアーカイヴスプラス アムロ編』 ☆☆☆☆ 新作も数点あるほか、「モデルグラフィックス」掲載時の写真もレイアウト変更などが施されている。 中でもRX78-2全プラモレビューは満腹必至。「-2」と書いたのは伊達ではなく、プロトタイプとかG3は未収録。…

ガンダムアーカイヴス プラス アムロ・レイU.C.0079-0093 (Model Graphix)モデルグラフィックス編集部 大日本絵画 2017-09-01 『エクスペンダブルズ』 ☆☆☆★かつてアクション映画で活躍したスターが再集結した、その筋には大熱狂の一作。 スタローン率いる傭…

『「出るモノ」健康学』 ☆☆☆★雑学本の形式なので、このような難しい言葉は出てこないが、新陳代謝あるいはホメオスタシスについての本。身体のあらゆるところから出てくるものについての本。抜けていて、しかも結構大きいと思うのが、精液と母乳。「アンモニ…