思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『タイド』
☆☆☆★
エス』の続きである、新<リング>シリーズの第二弾。
高山竜司が主人公であり、貞子の謎を探る。
一応、謎の説明はされるものの、何かがっかり感があるのは『2010年』とかに似たものがあるかも…。

以下、ネタバレ

高山竜司が貞子と血縁関係がある、というのは「意外な謎が明かされた」ということになるのだろうが、それは衝撃というより、「え〜(´д`)」という感じ。
しかし、その設定によって、最後に竜司、貞子、そして貞子の母である志津子が対談するシーンは興味深い。
映画の方では完全に怪物と化してしまった貞子だが、本作で登場して会話する貞子は、ごく普通の女性として描かれているのだ。
しかし、肝腎の、崇徳天皇とかに比べて、はるかに個人的理由なのに、なぜ貞子が人類全体を呪うのか、という説明が未だに弱いのが本シリーズ最大の欠点。

タイド (角川ホラー文庫)タイド (角川ホラー文庫)
鈴木 光司

KADOKAWA/角川書店 2016-03-25


空母ニミッツ真珠湾攻撃のまさにその日にタイムスリップしてしまう。
まんま『ジパング』(もちろん特撮映画じゃない、かわぐちかいじのマンガの方)がパクった設定。
タイムパラドックスとかも一応説明されるが、はっきり言ってこの映画の主役は空母そのものである。原子力エンジンとか、トイレとか、細部は出てこないのだが、艦載機の発着シーンは「ストーリー上はそんなにいらんやろ!?」というくらいたっぷりカットを割って見せてくれる。
海軍機ファンなら満腹の一本である。敢えてあげるなら、ドッグファイトも、ミサイル発射もないのが不満なくらい。
一応ツッコミを入れておくと、ヘリに搭載されている信号弾発射銃が機内(しかもコックピットではなくペイロード室の方)で暴発したくらいでヘリ全体が一瞬で爆発する??
日本の空母機動艦隊への艦載機部隊の攻撃開始直前で都合よく時空乱流(とは作中で言っていないが)に巻き込まれて現代に戻るのは、2時間の映画に収めるためのご都合主義だが。

ファイナル・カウントダウン [Blu-ray]ファイナル・カウントダウン [Blu-ray]

ハピネット・ピーエム 2014-12-02