思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

舞台や監督が同じかどうか知らないが、ビジュアルは『第9地区』そっくり。中東とか南ア的な猥雑な荒野の街と、手作り感満載のフレームなど。
スペースコロニーエリジウムは、各家に全自動瞬間病気治療器がある、というリアリティのない、ある意味天国のように描かれている。
それにしては、内壁(天井)がなく、防御システム(自動装置や防衛軍)もないので、シャトルさえあれば簡単に侵入できるというユルさも。
ある意味では、『ブレードランナー』とも『スターウォーズ』とも『2001年』とも違うSFのビジュアルを代表する路線と言えるかも(『第9地区』からのね)。
主人公は、マット・デイモンだわ、泥棒はするわで、全く感情移入できないのだが、事故で致死量の放射線を浴びてから、アクチュエーターを肉に直付けされて、サイボーグまたはロボコップ化。この手のモノとしては、一部が機械になるのでもなく、アーマーを被せるのでもない、サイボーグの新しい描き方では?
敵も終盤にはそうなって、最後はターミネーターみたいな感じに。
全体に手持ちカメラで撮影されているので、特にアクションシーンが見にくいのが難点。
役者的には、やはりジョディ・フォスターの存在感がずば抜けている。特に善でも悪でもなく、自らの権力というか、やり手のキャリアウーマン的なキャラを表現している。(ネタバレ)だが、あっさりと殺されるところもいい。
この手の理想郷的な舞台が出てくると、最後にはそれが崩壊するのがお約束だがそうでもないなど、ストーリー的には先が読めないのが特徴。
シャトルが20分以内で地表から衛星軌道に達するなど、ビジュアルはともかく、内容はハードSFっぽいがそうでもないので注意(^_^;)

エリジウム [Blu-ray]エリジウム [Blu-ray]

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2014-02-05