思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ガンダムアーカイヴスプラス アムロ編』
☆☆☆☆
新作も数点あるほか、「モデルグラフィックス」掲載時の写真もレイアウト変更などが施されている。
中でもRX78-2全プラモレビューは満腹必至。「-2」と書いたのは伊達ではなく、プロトタイプとかG3は未収録。特に頭部は、見事なくらい全てが異なり、単純な拡大・縮小はひとつもないことに驚かされる。
各々の作例の完成度に関しては言うまでもないが、NAOKIのカバーモデルに関しては、工作・基本塗装は凄いのに、例に寄ってウェザリングが黒くて汚いのはなんとかしてほしい。あさのまさひこが編集だったら絶対基本塗装までで納品させる/ウェザリングさせないと思うぞ(´Д`)


『侵入者』
☆☆☆
改題の常習犯である作者だから、絶対にそうだと思ったが、14年に書き下ろしとのこと。感想書き忘れたか?と思わせる既視感。
公園の隅にある家で起きた未解決である一家惨殺事件の捜査を遺族から依頼された作家志望の主人公の話。
最後に、遺族が事件当時の状況を演劇的に再現するなんて、あまりにもリアリティに欠ける。


『予告探偵 木塚家の謎』
☆☆☆★
到底続編はできないと思われた作品。短編集形式だと、探偵役の魔神尊が「解くべき謎が発生することを予知する」とこの不自然さが際立つと思うのだが…。
ところが作者はそんなことは百も象徴。目次からして、各短編の舞台には百年ものひらきが設定されている。登場するのはどれも魔神と木塚。これは一ひねりもふたひねりもあることが予想できる。(全ての謎解きであるエピローグ的な最後の短編を除けば)最後の短編は22世紀の月面都市を舞台にしたミステリSFなのだ。

以下ネタバレ

本作はあくまでもエピローグありきの連作短編として、一冊まとめて評価すべきものだ。
それぞれはライトミステリー、ジュブナイル的な、それでも本格としての結構はギリギリ有しているレベル。
魔神の設定は、表層的な説明に止まっていて、個人的にはまったく腑に落ちないが、連作短編のオチとしては最低限度のもの。別の見方では、ミステリーとしてはアリだが、SFとしては説明になっていないと言える。

「往々にして君が恋慕する相手は僕の謎解きの対象、つまり犯人となる傾向が強い」
と探偵がワトソン役に言うところは、メタ的で面白かったが。