思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『スケールアヴィエーション 2011年1月号』
☆☆☆☆★

トムキャットハウツー3部作の第一弾にして最も面白い。ハウツーに面白い/面白くないがあるのもヘンな話だが、実際そうなんだから仕方ない。
使った道具や塗料の解説から、あちこちの隙間をプラ板で埋める。パテ以外にこれだけプラ板、しかも0.3ミリ厚とかを多用するというのは意外。補強として、接着面の裏打ちでプラ板や、ランナーを桁として立てたり、スミ入れの拭き取りを単なる薄め液ではなくレッドブラウンを混ぜて行う、というのも正に「秘訣」である。
他のメーカーすなわちフジミ、レベルーのキットとの比較は、他でも見たが、機首形状から武装まで詳しく解説。例によって肝腎な値段の比較がないのだが…(´Д`)飛行機モデラーは値段を気にしないの??
おまけ的にタミヤ32トムキャットをスタンドで浮かせる作例も。
造型村社長のインタビューも良い。採算度外視で(正しい意味で)こだわって作っているSWSシリーズを作りたくなるくらい。
複葉機アブロ504の銀塗装や張り線の調整方法(ハンダであぶる)も何かの役にたちそう。
B58ハスラーは実機解説も作例も素晴らしいのに、途中写真どころか製作記事すらないのは何故?(今月号で唯一製作記事がないのがこれ)
第二次大勢の試作機はバキュームフォームのハウツーを含め、詳細な解説。試作機(ビックリドッキリメカ)でキット化されているものが20余りも載っているなど、ものすごい密度の2ページだ。
ボーナストラック的に素晴らしかったのが、ラスト前の横山&桜井対談。筆塗りのムラとタッチ、表現の関係や、横山氏の持論である「模型は急いで作れ」の科学的根拠も興味深い。

「読み」応え的にはいつもの1.5倍くらいの密度があった傑作的な号。