思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『神は細部に宿るのよ(4)』
☆☆☆☆
アンチファッションマンガと言うべき本作が雑誌『kiss』というバリバリの女性誌に連載されているというのも凄い。流行についていけない作者が主人公なので、いわゆるオシャレ川下男子にも楽しめる。

神は細部に宿るのよ(4) (ワイドKC Kiss)神は細部に宿るのよ(4) (ワイドKC Kiss)
久世 番子

講談社 2015-03-13


『オッド・ジョン』
☆☆☆☆
超人類もので、『シリウス』の人間版という感じだが、『岬一郎の抵抗』のワールドワイド版、というのが一番近い印象。もちろん、本作は大戦間の作品なので、時系列関係は反対なのだが…。
ステープルドンのスタイルと、矢野徹氏の訳文が相まって、SFというより、純文学を読んでいるかのような風格がある。
突然変異的に現れた超人類なのだが、自らの意志で肉体を制御したり、他の人間との関わり方を学ぶところは、異星人もののような雰囲気がある。
その設定を真面目に追及すれば、『幼年期の終わり』のラストのようになるのだが、そうではないと作品の冒頭に書かれている(ジャーナリストの回顧録の形式)ことから、『岬一郎の抵抗』を連続してしまうのかもしれない。
ちなみに、オッドとはファーストネームではなく、「半端な」(人類からはみ出した存在)的な意味か?
現在なら、少なくとも日本のSFなら、発達障害的な超人類たちは、美少女とか美少年にされると思うのだが、本作ではいびつな、奇形的な姿で描かれるのが「わかっている」。『AKIRA』でさえ、老人みたいな子供、というレベルの違和感表現だったのに。

オッド・ジョン (1977年) (ハヤカワ文庫―SF)オッド・ジョン (1977年) (ハヤカワ文庫―SF)
オラフ・ステープルドン 矢野 徹

早川書房 1977


アーマーモデリング 2010年 03月号』
☆☆☆☆

簡単でリアルな仕上げ特集。てっきりローガン梅本監修かと思ったら、影も形もなかった。低級シリーズはこの特集の反響を受けて始まったのかもしれない。低級シリーズとはまた違ったアプローチで、実はこの特集のほうが王道の肩の凝らないモデリングかもしれない。
フィルタリングやチッピングより、ウォッシングとドライブラシ、という主張が素晴らしい。

Armour Modelling ( アーマーモデリング ) 2010年 03月号 [雑誌]Armour Modelling ( アーマーモデリング ) 2010年 03月号 [雑誌]

大日本絵画 2010-02-13