思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2017-01-01から1年間の記事一覧

『楽譜と旅する男』 ☆☆☆ 歴史(クラシック)に隠された楽譜あるいは音楽についての(広義の)ミステリー。芦部拓の小説のこと、探偵小説というべきか。『奇譚を売る男』に比べると、本格度はかなり低い。 雰囲気的には深水黎一郎の美術探偵シリーズに近い。…

『獏の檻』 ☆☆☆★純文学的なミステリーで、連城三紀彦や桐野夏生なんかを連想させる。 幼少期の記憶が意識的または病気的、無意識的に封印されている設定は、便利だが、うまく使わないと、サスペンスやホラーならともかく、本格ミステリでは両刃の剣である。 …

『野火』 ☆☆ 市川崑の白黒映画。フィリピンの敗残兵がテーマなので、さすがにスタイリッシュさもなく、音楽もどこか茫漠とした感じ。船越英一郎っぽい(いうまでもないが別人)主人公も、どこか抜けた感じのキャラとして描かれている。戦争の緊迫感や、極限…

原田武彦『モノの流れをつくる人 大野耐一さんが伝えたかったトップ・管理者の役割』を読む印象に残ったところ 「一番の解決策は、トップが現場に出て一緒に改善で手を汚すことではなく、成果が出るからと次々と一気に改善を実施することでもありません。組…

『スケールアヴィエーション』 ☆☆☆★ヨンパチのハセガワ・トムキャットに特化した特集。もちろんバックナンバーなので、タミヤの同スケールキットは影も形もない。 製作途中写真があまりない同誌では珍しく、詳細に製作上のポイントを追って解説している、あ…

『レクイエイターズ(1)』 ☆☆☆☆アニメのコミカライズらしいが、本書を書店で見るまで知らなかったし、今放送中のアニメをちらと見ても、そちらを見続けようとは思わなかった。 異世界転生ものが流行りらしいが、本作はその反対で、アニメやマンガのキャラが私…

『とある魔術の電脳戦機』 ☆☆★『とある魔術』シリーズは全く読んでいないし、『バーチャロン』の膨大な(裏?)設定もサイドストーリーも、なんとなくしかしらない。本書を買ったのは一にも二にもカトキハジメ氏のイラストの為。 この手の企画だと、キャラは本…

『仮面ライダーW運命のガイアメモリ』 ☆☆☆宇多丸師匠は絶賛してたが、まあ普通つまり悪くないレベルどまりだと思うなぁ…。 クライマックスまでのアクションは、パンチ&キック、ガンアクション、バイクスタントのどれもが重みがあって素直に良い。 師匠号泣…

『ホワット・ライズ・ビニース』 ☆☆☆まず、タイトルの意味が分からない。邦題をちゃんと考えろ!と言いたいが、意味が分からないことこそ、本作の狙いなので、ある意味正しいのかも。 ハリソン君の妻である主人公の周りで起こるJ的な不可思議現象。彼女の精…

『ファイブスター物語(5)』 ☆☆☆☆ファンタジーであるタイカから、遠未来でのカレン登場まで、脱線が凄まじい。脱線といいつつ、時系列順に描いては絶対に描かれない場面が見られるのはありがたい。宇宙船のデザインや、特に説明もなく登場する異星人(未来…

『宮本武蔵 二刀流開眼』 ☆☆ 「萬屋錦之助没後二十年」とあるが、出演欄に名前がないのはどういうこと?主演は歌舞伎俳優みたいだが、その人の屋号?そんな予備知識の乏しい中で見てみた。 本作の前後に続きがあるみたいなストーリーだが、(ことに本作が作ら…

『魔法少女リリカルなのは Refrection』 ☆☆★前の劇場版はもちろん、テレビシリーズを含め、ほとんど予備知識ゼロで見た。 レギュラーキャラには全てスーパーで肩書きを出してくれるのはいいが、初見ではまず見分けられない。顔の区別もつかないしね…。ま、こ…

『秀吉の暗号(2)』 ☆☆いきなりというか、ことに前半は忍者たちが戦う伝奇小説に。まあ、曲がりなりにも忍者が主人公だから当たり前と言えば当たり前だが…。 後半にはこれまた、「切腹したのは替え玉」ってことで利休があっさり登場(復活)。 暗号のほうも、さ…

『音鉄』 ☆☆★鉄道にまつわる音にこだわったテツ。それにまつわるガイドブック。写真が口絵以外モノクロかつ小さいので、まるで自費出版かホームページみたいな仕上がり(´Д`)重複も多いしね。 まあ、音鉄に関するイロハは分かるけどね。これで、iPodが電池…

『秀吉の暗号(1)』 ☆☆★『信長の暗号』とは異なり、関ヶ原前夜が舞台。秀吉の辞世の句に隠された暗号を解くべく、家康、三成、政宗がそれぞれ挑む。 結局のところ、「露と落ち…」という文章を、こねくり回して様々な読み方をひねり出す手法は『涙香迷宮』と同…

『マッドマックス 怒りのデスロード』 ☆☆☆☆序盤は、各所で大絶賛されるほどでもないかな〜と思ったが、後半のアクションの畳みかけが凄い。 時系列的にもそうだし、いち画面内にも複数の見せ所があって、一度では全てを把握できないほど。 ところが、ストー…

『ジュラシック・ワールド』 ☆☆☆★酷評というか、イマイチ評ばかりだったので(興行収入がどうかは知らんけど)、期待しないで見たが、意外と良かった。少なくとも、『2』より面白い。『1』のリスペクト的なポイントも良い。 燃える(町山流に言えば「抜け…

『マッドマックス サンダードーム』これ、テレビで見たことあった。20年くらい前かな…。 今回はサンダードーム、ラストの列車自動車など、ガジェットに凝っている。 面白かったのが、『スター・ウォーズ』と『インディジョーンズ』と似た場面が多々あった…

『ファイブスター物語(8)』 ☆☆☆☆★レッドドラゴンすえぞうを巡る物語の完結編。モーターヘッドも、ブラッドテンプルやザカー重装甲型、ヤクトミラージュオレンジにワンダースカッツなど、設定画未公開のが続々登場、そのどれもがなかなか格好良いのだ。公開…

『ガンダムホビーライブ』 マスターグレード特集。各モデラーが自分が好きなキットを作るという、変わった企画だ。『アーマーモデリング』のメモリアルキット特集に近いかも。 アストレイからターンAまで幅広いセレクトになっている。途中写真が少ないのが本…

『裁く眼』 ☆☆☆法廷画家を主役にした法廷ミステリー。あちらは似顔絵画家だが、横山秀夫の某短編を連想させる設定だ。とは言え、犯人にとって映ってはならならものを撮ってしまったが故に命を狙われる、という設定は、ミステリーでは定番ネタと言える。 法廷…

『王国は誰のもの』 ☆☆★ 吸血鬼や狼男などが当時するSFミステリー。この現代日本において、日常と隣り合わせでそれらがいる城に行く、というリアリティ的にかなり際どい設定だ。 トリック的にも、ファンタジー世界が舞台でも当然、というタイプなのに、なぜ…

『マッドマックス2』 ☆☆☆★いきなり良くなった。 中途半端に文明というか、現代と地続き(つまりは手近で撮影したであろう低予算)感があった『1』だったが、本作は舞台はほぼ砂漠のみ。近代建築はほぼ登場しない。 ストーリーは、砂漠で石油を掘る施設を占…

『ファイブスター物語(7)』 ☆☆☆☆前半はタイマンMH戦、後半は超人ではない、軍隊同士の戦争が描かれる。 前半、永野メカとしてはアパッチは下から数えた方が早いダサダサ、オージェは逆にトップクラスの素晴らしいデザインの対決。双方ともに別種のハンデが…

『モデルグラフィックス 2017年9月号』GSIクレオス特集。メインは塗料とその周辺だが、社史はもちろん、輸入キットから工具まで網羅。君はノンブルがMr.カラーの番号順に違っていることに気がついたか? グンゼ産業から社名変更したのが、思っていたより最近…

『アーマーモデリング 2016年4月号』 ☆☆☆「継続戦争」特集。『ガルパン劇場版』の登場がなければ絶対になかったマイナー特集。 歴史的背景はばっちり解説されているので、勉強にもなる。 ほぼ全てがソ連のろかく車両で、フィンランドで施された増加装甲と迷…

『ファイブスター物語(9)』 ☆☆☆☆☆久し振りに再読してみたら、メチャクチャ面白いではないか。 まず、デザイン的に面白い。星団歴以前では、ドラゴンなどの永野流ファンタジー生物が。そしてスタント遊星に属する超帝国のデザインが凄い。十字架型の宇宙船…

『重機動戦線メカノイド』 ☆予備知識なしで、タイトルからは『ロボジョックス』みたいなSF?かと思いきや、C級宇宙人侵略SFだった。 それもそのはずというか、原題は「INVADER」。ロボット要素は、最後に宇宙人がUFOを頭部にして合体するロボットしかない。 …

『ガンダム・センチネル』 ☆☆☆☆★何回読んでも(面白いというより)凄い。 『UC』や『ガイア・ギア』を読んだ後で改めてみても、それらを上回るハードSFにしてミリタリーSF、そしてメカSFであり、ガンダムであるのだ。 幕末の歴史を知っていると、ストーリ…

『賭ケグルイ(7)』 ☆☆☆☆★生徒会総選挙が開始。どこにいたんだよ!? という百喰一族が登場して選挙に参加するあたり、『男塾』ばりの強引な展開。 今回のギャンブルは、ギロチンに指を入れて、20本の紐を一本ずつ切って行くというシンプルなもの。それを、顔芸…