思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2016-01-01から1年間の記事一覧

『彷徨える艦隊(11)』 ☆☆☆☆★黒い艦隊との決戦。アライアンスの「秘密基地」での壮絶な戦いで、敵味方とも次々に艦船や将兵(もちろん敵は無人艦だが)が散って行く。まさにクライマックスにふさわしい。 それは後半だけで、中盤までは、黒い艦隊との緒戦か…

陸上自衛隊の車両で、プラモ化されているものは残らず網羅されていると言って過言ではない。 何しろ発足時に米軍から供与されたチャーフィーから高射砲まで載っているのだ。ダスター高射砲なんて、普通のミリタリー本でも知らなかったよ。 各プラモに関して…

話題自体は面白いのだが、はっきりとその起源や謎の解明には至っていないのが難点。もぐらと奈加ちゃんが「日本人のヘンな習慣」について考えてみた。もぐら KADOKAWA/中経出版 2014-12-11

『あまたの星、宝冠のごとく』ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア著/伊藤典夫・小野田和子訳 ☆☆☆★『アングリ降臨』☆☆☆★ ファーストコンタクトもの。火星でタコ型、というのがニヤリとさせられる。生きた神(印象だけの描写だが、高次の存在あるいは別種族…

日常系というか、感動系の映画。エッセイマンガが原作なので、日記調の原作のイラストがまとめ的に1日ごとに出てくる。 演出としてはアリの範囲だと思うが、イラストについている説明文をいちいちモノローグで読み上げるのが、映画としては鬱陶しいと思う。…

『フォークの歯はなぜ四本になったか』ヘンリー・ペトロスキー著/忠平美幸訳 ☆☆★ 平凡社ライブラリー道具の発達……というより変遷史。 調べた内容をふんだんに盛り込んだ…と言えば聞こえはいいが、論文としてはともかく、一般書としては過剰である。ましてや…

『地球が寂しいその理由』 ☆☆★姉妹たる地球と月の、環境を管理するAI、アリシアとエムの会話を中心に、地球と月で彼女たちに接する人物たちを描いたもの。 まあ、月でAIと来れば『月は無慈悲な夜の女王』を連想せずにはいられないが、まあクーデターこそ起き…

こんなタイトルだし、冒頭の1作はハードボイルドものの体裁なので、ミステリー短編集だと勘違いしがちだが、SFである。わざわざ作中で登場人物の口から説明させているほどなのだ。 読んでいけば分かるのだが、殺されても蘇るリジーと、透明人間のクリスタル…

『地団駄は島根で踏め 行って・見て・触れる<語源の旅>』わぐりたかし ☆☆☆★ 光文社新書一冊の本のために語源の由来を訪ねて30回近くも旅行しまくるなんて、贅沢というかヒマな……と思ったら、やはり雑誌の連載をまとめたものだった(「本の雑誌」連載)。 …

『あらゆる本が面白く読める方法』一条真也 ☆☆☆★ 三五館 著者は 「父も読書家で、月に20〜30万円ぐらい本を買っており」 というから、そうとうの金持ちと言える。 読書法じたいは、目次やまえがきを重視し、感銘を受けた部分にラインを引きながらする、とい…

雑誌「アーマーモデリング」のうち、現用戦車の作例を集めたものか。 ハウツー記事を中心にまとめているため、作り方がわかってありがたい。 その9割、ほとんどが岡プロによるもの。タクティカル・モデリング・エクストリーム: 現用AFVモデリング徹底攻略法…

『歴群「図解」マスター 戦車』 ☆☆☆☆いわゆる「図解雑学」系の体裁だが、『萌えよ!戦車学校』なんかより(比較の対象がおかしい?)よほど、戦車について広く知ることができる。 昔の写真を除くとフルカラーなのも嬉しい。 「当時の日本陸軍は(略)想定さ…

『激マン!マジンガーZ編(5)』 ☆☆☆これって『超級Gガンダム』と同じで、作中作パートはキャラ以外アシスタントが描いてるんだろうなあ…。20ページくらいのうち、半分は描いてないんだから、楽でいいなあ。 自伝パートの抜群の面白さに比べて、作中作が凡…

『あなたのヘッドホンはアーティストの息づかいが聴こえていますか?』小林和幸 ☆☆☆ 秀和システムハウツー本の類やね。どうも(金をケチるせいも大きいんだろうけど)イヤフォンの購入では当たり外れを感じることが多い。その解決の手掛かりになるかと思って…

『シェイファー・ハウンド(8)』 ☆☆☆★完結。最後まであんまり絵の進歩がないなぁ…。 58〜59ページの見開きなんて、車両ごとのパースが合ってないし。 20ページのトリスタンのセリフも、1コマに詰め込み過ぎて不自然。 最終決戦場で新型兵器が次々登場する…

『砂漠の獅子』中里融司+かたやままこと ☆☆☆★あとがきによると、原作の中里氏は、最終話の作画完成前に急折されたんやね……。これまでの作品ではタッグを組んでいたのに、次の連載『シェイファー・ハウンド』では別の原作者なので、あれ?と思ってたんだよな…

『残照』辻真先 ☆☆☆驚天動地のトリックはないが、スナック「蟻巣」が看板となれば、『アリスの国の殺人』からの(出版当時からでなないのだが)ファンとしては、読まない訳には行かない。 ここ十年くらいの単発辻作品と同じく、過去の殺人を現在推理するスタ…

雑誌「アーマーモデリング」を中心に、「モデルグラフィックス」のものも加えた、プラモに関するイラストエッセイ。考えたら、このテのは、女性が得意で、男性はあまりないような……。 基本的には戦車プラモに関するもの。 ちょくちょく自虐ネタで「バカ」と…

佐藤等『ドラッカーを読んだら会社が変わった!』を読む印象に残ったところ「真に削減すべき対象は、コストではなく活動です。 何であれ企業が活動すれば、必ず経営資源を消費し、コストがかかります。(略)問題は使い方です。」「イノベーションに、新しさ…

『リング2』 補足貞子の超能力=怨念を科学的に分析、除去しようとするのだが、その科学というのがトンデモなのが笑えるところ。 水が人間の意識(念)に反応する、というのがそれ。『水は答えを知っている』だっけ?せめてSF的に納得できる設定を構築して…

私と同い年の『こち亀』完結。1巻から100数巻まで持っている身としては、ご祝儀的にも買わなければならない、ということで購入。 80巻ぶりくらいに買ってみると、表紙を始め、なんかパチモンみたいな絵だ(^_^;) 女性比率が高まったのも特徴だが、この…

『銀河英雄伝説(2)』藤崎竜 ☆☆☆☆初の任地である雪の惑星での戦い。偵察任務で遭遇する敵の他に、ラインハルトを陥れようとした味方とも戦うことになる。 全く記憶にないが、敵との作戦も原作通り?? 大きなコマの連発も、初見ではムダ使いだが、再読や、…

『竜巻のふしぎ』森田正光&森さやか ☆☆☆★「部分的に扱っているものを除くと、竜巻を主題にした一般書は、私の知る限りこの40年間で一冊も出版されていません」「竜巻はがれきや砂ぼこりからできていると思っている人もいるかもしれませんが、実は雲の塊から…

『人工知能』ジェイムズ・バラット著/水谷淳 ☆☆☆★細かく多方面の取材を紹介するため重複が多く、最初の1、2章を読めば充分だった。 訳者あとがきを読むと、もうひとつピント外れなSF的思弁など、翻訳者にも信用性を疑問符がつくような……。意外と、超人工…

イメージしてたのと違ったから評価が低いのかなぁ…。 権力志向の老中からの無理難題(『忠臣蔵』の浅野内匠頭を連想させる)で、北関東に帰ってきたばかりなのに再び江戸へ参勤するように上意が降った。 出頭するなら責任者だけ良いと思うのだが、少なくとも…

同時期にモロかぶりした映画として話題になった、十分トンデモだと思っていた『ホワイトハウス・ダウン』より、さらにトンデモなバカ映画。 あちらの敵がイスラム系だったのに対し、本作は北朝鮮。 韓国の大統領との会談のためにやってきた一団が、大統領以…

辻信一『弱虫でいいんだよ』を読む「強い」「弱い」という概念について、ナマケモノの生態を皮切りに、進化論的に啓蒙した思春期の青年向けの哲学書。ひとことで言えば 「何を基準にするかで、どちらが「上」で、どちらが「下」か、が変わってくる。同じよう…

『銀河英雄伝説(3)』藤崎竜 ☆☆☆☆イゼルローン攻略戦。艦隊戦に入ってようやく文句なしに面白くなってきた。いろんな艦長などが登場するので、作者ならではのケレン味たっぷりの(ヘンな)キャラ造形が活きている。 宇宙のくせに「回廊」なるヘンな設定上の…

『オールユーニードイズキル』☆☆☆★原作を読んでいないのが手落ちだが、小畑健のコミック版と比べてみる。 このてのデスゲーム、タイムスリップものでは、似て非なる展開が繰り返されるのを、どう視聴者に飽きさせずに演出するかがポイントになる。本作は、そ…

井手直行『よなよなビールがお世話になります』を読む口述筆記というか、インタビューを元にした自伝的内容。ビジネス成功法としての中身は4割くらい。もちろん、その人のメンタリティと、失敗や悪戦苦闘の中にこそ、ヒントが隠されているものですが……。印…