思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

リング2
補足

貞子の超能力=怨念を科学的に分析、除去しようとするのだが、その科学というのがトンデモなのが笑えるところ。
水が人間の意識(念)に反応する、というのがそれ。『水は答えを知っている』だっけ?せめてSF的に納得できる設定を構築して欲しかった。ラストに貞子の怨念に対抗するため、というのでプールそばで実験を行う。事が終わった後でプールに人がプカプカ浮いているシーンは笑うしかない。
まるで『マクロス2』みたいな鬼子的な作品。それとも、敢えて『らせん』と全く関係ないように作ったらこうなったってこと?
どうせなら、怨念がなぜビデオテープに入るのか、それとダビングの原理の関係は?というところまで踏み込んでくれれば、SFあるいは伝奇ものファンは満足できない。


ファンタジスタドール イヴ』
☆☆☆

明治の小説みたい。奥泉光っぽいというか。アニメ『シュタインズゲート』とか。
200ページ内のだが、そういうテイストなので、普通に1作読んだ感は十分。
あくまでも前日譚ということなので理論や動機の形成だけで、肝腎の、人工的に人間を作る過程は描かれないのが残念。
ただし、あくまでも中編小説としては完成していると言える。
ちなみに、『ファンタジスタドール』自体はゲームもアニメも未見。経緯やプロジェクトの全容については解説にあるのでありがたい。

ファンタジスタドール イヴ (ハヤカワ文庫JA)ファンタジスタドール イヴ (ハヤカワ文庫JA)
野崎まど

早川書房 2013-09-20